“支援を受ける”チャリティー団体が“支援する側”にまわった、オランダNPOの凄いPRアイディア

Case: How charities became donors

今なおアジアで横行している人身売買及び児童買春の撲滅を掲げ、少女たちの解放を支援しているオランダの組織・Free a Girlは、大切な使命を担っているものの組織が小さく広告費用が限られているため、認知度をあげることができず、中々その声を広く訴求することができないでいました。

今回は、同団体が知名度向上、支援拡大のために実施し、見事成功を納めた“大手チャリティー団体から寄付を募る”というアイディアをご紹介します。

莫大な資金がある巨大チャリティーは、豊富な広告費用により、その取り組みをありとあらゆるメディアを使って広く訴えることができ、より多くの人から支援を獲得することができます。しかし、Free a Girlは広告紙わずか1枚程度の広告費しかない小さな組織であり、インドだけでも120万人の少女が被害にあっているという人身売買や自動売春問題に対する支援を広く世間に訴求することができないという問題を抱えていました。

そこで同団体が目をつけたのが、潤沢な広告資金がある“大手チャリティー団体”です。

普段支援を受ける側のチャリティー団体に、支援を求めたのです。

大手チャリティー団体はFree a Girlの取り組みに賛同し、Free a Girlに各チャリティー団体が保有している広告スペースを提供することで、Free a Girlの広告活動をサポートすることに同意したのです。

5月28日木曜日、Free a Girlへの支援を表明した大手チャリティー団体30組織が、それぞれが保有するロゴ、バナー広告、Facebookページ、Twitterページ、ウェブサイト、野外看板、ひいてはアンバサダーまでをも一斉にFreea Girlに“寄付”し、インターネット上だけでなく実際の街もFree a Girlの広告であふれさせたのです。

結果、これまでFree a Girlという組織の存在すら知らなかった多くの人に団体名とその取り組みを訴求することに成功しました。Free a Girlはこの日のトレンドワードに急上昇し、一日で実に1,500万件のインプレッションを獲得しました。そして何より最大の成果は、より多くの少女たちを解放することができたということでした。

支援を受ける側のチャリティー団体に、支援を求めるという逆転の発想により、大きな成果を挙げることに成功したチャリティー施策でした。

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