サッカー実況者への性差別撲滅を狙ったLay’sの啓蒙施策

サッカー大国ブラジルでは、プロからアマチュア、学生リーグまで、シーズン中はほとんど毎日サッカーの試合がメディアで放映されています。多くの人が熱狂するサッカーにおいて、適切な説明と感情を揺さぶる煽りを通じて選手と同じくらい試合を盛り上げている陰の立役者が実況者です。非常に重要な役割であるにもかかわらず、この実況を女性が務めると「早く台所に戻って料理をしろよ」といった心無いコメントがSNSに投稿されてしまう状況を受け、ブラジルのLay’sは女性実況者の声をAIボイスチェンジャーを使って男性のものに変える施策を実施しました。

ジャーナリストやコメンテーターとして活躍するElaine Trevisan氏が解説を務めたサッカーの試合で施策は秘密裏に行われ、本物さながらの男性の声になったElaine氏がいつも通りに解説をしたのです。すると、普段は放映中SNSに多く投稿される差別的な発言は一気にゼロに。

サッカー、ひいてはスポーツそのものを男性のものだと思い込むことはスポーツ界全体の衰退に繋がるというメッセージを視聴者本人たちが気付かない形で表現することで、無意識の差別を意識させるよう仕向けたのです。スナック菓子ブランドであるLay’sがこのような施策を行うことは一見すると商品から距離があるように思えますが、だからこそ強い説得力を帯びたクリエイティブとして多くのブラジル人に知られることとなりました。

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