「あなたの経歴を見て連絡しました」SNSに潜む危険を描いた英政府機関の啓蒙動画

イギリスの国家インフラ保護センター(以下、CPNI)が、SNSやインターネットを活用した転職活動において自らの個人情報を開示することの危険性を啓発するためのメッセージ動画を公開しました。

“Think Before You Link”(訳:繋がる前に考えよう)というタイトルの動画は、SNS上に投稿された動画が再生するところからはじまります。

Head of Talent Management(訳:人事責任者)という肩書きのGeorgina Wangという女性が投稿したとされる動画は「こんにちは、私は国際的な人材紹介会社に勤めており、あなたのご経歴を拝見しぜひご紹介したい海外での案件がありご連絡させていただきました」と彼女がカメラに向かって語りかけます。Georginaは、聡明な印象の女性であり、相手に警戒心を抱くことを忘れさせてしまいそうです。

「近々開催予定のカンファレンスでの登壇者を探しているのですが、いかがでしょうか? 旅費やホテル代はもちろん、謝礼もお支払いさせていただきます。もしよろしければもっと詳しく説明させてください! 私のユーザー情報をお送りするので、直接お話ししましょう」と続けるGeorgina。ところどころノイズが入ったり、声が少し低くなったりして、徐々に視聴者に違和感を覚えさせます。

表情ひとつ変えずに、Georginaは淡々と「直接話せるようになったら、あなたの履歴書と職務経歴書、そして現在のお仕事の詳細や連絡先を共有してください。もし気が乗るようでしたら、あなたに関する秘密もいくつか知りたいです。あなたが普段やっていることや知っている人について教えてください。出来るだけ怖くないようにはしますが、あなたの貴重な情報を知りたいのです。用途はさまざま、とだけ言っておきましょう」と続けます。

最初は穏やかだった会話の内容も少しずつ怪しくなってきたことがわかります。画面には、ノイズが入るたびにGeorginaじゃない人の顔も一瞬映ります。アジア人女性だったり、白人男性だったり、その容姿はさまざまです。

「あなたの知らない、遠い国でミーティングをセットしますね。いつ、どこで落ち合うかの詳細は全てこちらからお送りします。ミーティングの場ではあなたを揺すり、時には脅し、あらゆる情報を引き出させてください。いま繋がれば、あなたの同僚やあなたのことを信頼する人全員の情報が私には筒抜けになります。あなたの趣味や生い立ち、家族でさえも……」

「……さあ、SNS上で私と繋がりましょう?」

動画の後半にかけて不穏な発言を連発した挙句、元の表情に戻ったGeorginaは視聴者に向けて優しくお願いをして彼女のパートは終わります。

その後、ラストでは「知っている人かどうか確認すること、潜在的な危険を認知すること、セキュリティ担当者に報告すること、絶対に繋がらないこと」というCPNI独自の注意喚起をして動画は終わります。CPNIの主たる目的であるネットに潜む危険の排除とそれに対する向き合い方の啓蒙を、不穏な演出で表現することで印象付けています。

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