ターゲットは女性?男性? ロレアル パリのジェンダー問題に切り込む広告クリエイティブ

Case: New Makeup Ads Targeted At Men

コスメブランドのロレアル パリが“女性の社会的地位の向上“を掲げ、ドイツでユニークなキャンペーンを実施しています。

広告グラフィックには、口紅やマスカラといったコスメアイテムとともに印象的な赤いビジュアルが使用されており、一見すると女性をターゲットにしたクリエイティブに見えます。

(Image by McCann Worldgroup Deutschland)

いずれも「これは男性へ向けた広告です」というコピーの下には、「女性をもっとリーダーに起用しましょう。私たち全員にその価値があるのだから」というキャッチフレーズが続きます。

以下は担当した広告代理店によるSNSの投稿。


ドイツでは現在、企業の経営委員会や理事会の91.4パーセントは男性で構成されています。一方で、ある調査結果ではトップの役割を担う女性は一般的に男性の同僚よりも優れているという事実が発見されたといいます。

また、女性が管理職の30%を占めた場合、収益性が15%向上する可能性があることも明らかになりました。さらに、女性の従業員は男性より24%優れていて、女性リーダーは毎年約20%多い特許を生み出すという結果も出ているといいます。

今回これらの統計データを口紅やマスカラを使って広告クリエイティブとして視覚化しているのです。ロレアル パリはあえて先入観を利用した広告を掲出することで、女性の地位向上キャンペーンをターゲットの意表を突く形でコミュニケートしています。

民間企業が、自社プロダクトをビジュアルに起用して社会課題に切り込むユニークな啓発キャンペーンでした。

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