「さようなら」を「祝福」に ヘラルボニーと岩手銀行が仕掛ける“関係人口化”戦略
株式会社ヘラルボニーは、株式会社岩手銀行と共に推進する「岩手異彩化プロジェクト」の一環として、岩手県内の大学卒業生約3,000人を対象に、卒業応援企画を実施します。
“さようならのエネルギー”と題し、2026年3月1日(日)から3月23日(月)までの期間、交通広告の掲出や記念品の配布を行う取り組みです。
地方都市において、若者の県外流出は長年の課題とされています。本企画は、若者が故郷を離れることを否定するのではなく、その門出を地域全体で祝福し、離れても関係が続く接点を生み出す試みです。
卒業生が“岩手に応援されている”と実感できる体験を提供し、県外へ羽ばたいた後も岩手を思い出すきっかけをつくることで、将来的な関係人口の創出やUターンにつなげる狙いがあります。

本プロジェクトでは、ヘラルボニー契約作家の鳥山シュウ氏が岩手をテーマに描き下ろしたアート作品を起用。作品には岩手銀行赤レンガ館や、さんさ踊りなど、地域の文化と人々の営みが色鮮やかに描かれています。
このビジュアルと“さようならのエネルギー”という共通コピーを用いたメッセージを、盛岡駅構内やJR東日本・IGRいわて銀河鉄道、岩手県交通のバス車内など、街中のあらゆるタッチポイントで展開。岩手日報への全面広告も掲載し、地域一帯となって卒業生を送り出す空気感を醸成します。

また、広告掲出だけでなく、鳥山氏のアートを使用したオリジナルサブバッグとポストカードを制作。岩手大学や岩手県立大学など県内5つの大学の卒業生、合計3,059名(予定)へ各大学の協力のもと直接配布します。卒業生が新生活の中でこのバッグを使い続けることで、物理的な「岩手とのつながり」を維持する設計です。

人口流出というネガティブに捉えられがちな社会課題を、アートとコピーの力で前向きなエネルギーへとリフレーミングした本施策。“流出を止める”という守りの姿勢ではなく、流出を前提としたうえで“いってらっしゃい”と送り出し、心理的なつながりを強化する戦略的なアプローチです。
銀行、交通インフラ、教育機関といった地域の主要なステークホルダーを卒業祝いという共通の大義名分で巻き込むことで、一企業によるプロモーションを超えた社会的なインパクトを生み出しています。
単なるイメージアップにとどまらず、配布物を通じた長期的な関係性維持(CRM)の視点も盛り込まれており、地域活性化における新しいPRの形を提示しています。
その他のCSR事例についてはこちら
https://predge.jp/search/post?genre=28
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/
記事をブックマークする
記事をブックマーク済み
0