熱中症予防へ手軽に塩分補給「ゼネコンがつくったしおゼリー」が誕生した深いワケ

大阪市淀川区に本社を置く三和建設と、東京都千代田区に本社を置く岩瀬コスファは、熱中症の予防に手軽に塩分補給ができるゼリー「ゼネコンがつくったしおゼリー」を2024年4月24日(水)から販売しています。

厚生労働省によると、建設業における熱中症による死傷者は、2019-2023年で879人、うち死亡者は53人でした(※1)。業種別にみると、ともにもっとも多い数となった建設業界において、熱中症対策は喫緊の課題となっています。そこで、開発したのが「ゼネコンがつくったしおゼリー」です。

2021年4月の発売から今年で4年目を迎えますが、新成分「BCAA」を追加してリニューアル。BCAA(Branched Chain Amino Acid 分岐鎖アミノ酸)とは、バリン・ロイシン・イソロシシンという3種のアミノ酸の総称です。この3つのアミノ酸はヒトが体内で作ることができない必須アミノ酸と呼ばれています。BCAAは筋肉の修復など体の疲労回復だけでなく、脳の疲労回復も促すことができます。

そんな「ゼネコンがつくったしおゼリー」商品開発のきっかけは、三和建設と岩瀬コスファの担当者同士による何気ない会話だったといいます。化粧品原料の研究・企画・開発を行う岩瀬コスファの工場建設を三和建設が請け負ったことから、双方の担当者の交流も始まったのですが、ある時、会食の席で、建設業界の熱中症問題が話題になりました。

岩瀬コスファの担当者も工場建設の現場に何度となく足を運んでおり、現場の暑さに危機意識を持っていたのです。塩分補給が必要という、2人の問題意識は同じでした。そして、岩瀬コスファが培ってきた知見をもとに出てきたアイディアがゼリーでした。

ゼリーであれば、炎天下の厳しい暑さの下でも口にしたくなります。また、キシリトールを配合することで、夏バテしていても食べやすくなるよう工夫されています。形状は、作業中も持ち歩きやすいスティック状。さらに、朝礼、午前10時・正午・午後3時、1日4回の休憩時に食べることを想定して、熱中症予防に足る塩分配合となっています。

味はマスカット・ライチ・レモンなど5種類。飽きずに食べ続けられるようにと、三和建設の社員らで試食を繰り返し、7種類の中から投票で決めたものです。

三和建設では、2013年から10年間で女性社員比率が14%から30%へと増加しました。屋外作業は、紫外線による日焼けのダメージを受けやすく「ゼネコンがつくったしおゼリー」には塩分だけではなく、紫外線のストレスを軽減する美容成分も配合。まさに、工場建設の現場から生まれた商品となっています。

「ゼネコンがつくったしおゼリー」は、当初自社向けを想定していましたが、多くの要望がよせられたことから一般販売も開始。2023年は3ヶ月で売り切れ、暑さのピークに商品を提供できない事態にも陥りました。日本気象協会によると、2024年の夏も長梅雨の後の猛暑が予想されています。そこで、今年は岩瀬コスファの協力を得て、より多くの方に届けられるよう体制を整えていく予定となっています。

温暖化の進行の影響か、春のうららかな季節を飛び越えて、一気に夏日となる日も出てくる最近の気象状況。熱中症への警戒アラートも年々早まっているような状況があります。そんな中、炎天下でも工事建設の現場で働く人々の声をうけて開発された「ゼネコンがつくったしおゼリー」は、わかりやすいネーミングとその開発背景に説得力を感じて、一般販売でも好評を博しているのもうなずけます。

炎天下での作業が必須のゼネコンが開発した熱中症予防ゼリー、意外なようで経験がふんだんに盛り込まれ説得力のある商品です。「美と健康」をコンセプトに化粧品用原料の研究開発や素材のご提案、機能性食品・サプリメントを取り扱う総合商社である岩瀬コスファの工事建設を三和建設が請け負った縁から生まれた商品、マーケティングのヒントは現場にあり、を体現した開発秘話がありました。

・※1参照元:厚生労働省の「令和3年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(令和4年1月14日時点速報値)

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