世界のユニークな名刺20選 Part2

Case:Creative Business Card Designs Vol.2

ビジネスの現場で必要不可欠な“名刺”。単に挨拶を交わすための役割だけではなく、自分や企業を印象付けたり、プロモーション/ブランディングツールとしても活用することができます。

今回は世界各地の企業が知恵を絞って制作した、独創的でクリエイティブな名刺の事例20選をご紹介していきます(パート1はこちら)。

1.クリエイティブエージェンシーによる、“3Dプリンタを使った”唯一無二の名刺

[国名:オランダ/企業名:Resoluut]

オランダのクリエイティブエージェンシー「Resoluut」の名刺。

流行りの“3Dプリンタ”を使って、従業員それぞれが自分好みのスーパーヒーロー風のキャラクターを作り、それを自身の「名刺」にするという試み。それぞれのキャラクターの底面には、各人のメールアドレスが記載されています。

2.問い合わせ電話が65%も増加! タトゥースタジオの効果絶大なブランディング名刺

[国名:ブラジル/企業名:Painel Tattoo Studio]

ブラジルのタトゥースタジオが、顧客との関係を深めるために制作したユニークな名刺。

アイディアは非常にシンプルで、名刺に描かれたデザインを本物のタトゥーのように、簡単に肌に貼り付けられるというもの。名刺はターゲットがたむろする地域で配られたそうです。

この名刺の効果は絶大で、問い合わせ電話が65%も増加し、タトゥーを入れたい人たちが数カ月待ちになったほどだといいます。

3.映像製作会社の“パラパラ漫画仕様”の名刺

[国名:ブラジル/企業名:Ginga Filmes]

映像制作会社「Ginga Filmes」のシンプルながら斬新な名刺。

数枚の用紙が重ねられ、一般的な名刺よりも厚みのあるこの名刺の表紙には一切企業情報が書かれておらず、『動画再生ボタン』のみが描かれています。用紙の右側からめくることで、徐々に会社名や電話番号などが“パラパラ漫画”のように表示されて見えてくるという仕掛けです。

なお、全ての情報が記載された最後の1枚は、名刺交換相手が持ち運びやすいように取り外せるようになっています。映像・映画制作という自社の事業内容が伝わる楽しい仕掛けですね。

4.“真っ二つに割られた”クレジットカード型名刺

[国名:カナダ/企業名:Credit Counselling Society]

カナダ西部で1996年から無料でクレジット関連の相談サービス(カードローンの返済プランを一緒に考えてくれる)を手掛けているNPO団体「Credit Counselling Society」の名刺です。

当サービスの相談は“完全に無料である”ことを表現するために、クレジットカードを真っ二つに割ったようなデザインの名刺を使用しています。

5.名刺の裏面が“芝生”に! サービス内容を直観的に伝える愉快な名刺


[国名:カナダ/企業名:Brothers Landscaping]

カナダで庭のお手入れサービスを手掛ける「Brothers Landscaping」が制作した斬新な名刺。サービス内容を直観的に伝えることを意図して、名刺の裏面に綺麗に刈り揃えられた上等な人口芝をあしらったデザインを採用しました。

人口芝の中心には、同社のロゴマークが大きく刻まれています。名刺が単なる挨拶のためのツールではなく、営業活動・ブランディングに大きく寄与することを示す愉快な名刺ですね。

6.iOSアプリ開発者を紹介する「しゃべる名刺」


[国名:日本/制作者名:佐藤ねじ&堤修一]

デザイナー佐藤ねじ氏による、「しゃべる名刺」。一般的な名刺サイズがiPhone5Sの画面とほぼ同じ大きさであることから、iPhoneの上に置いて使える名刺が作成されました。

堤修一氏はiOSアプリ開発者で、この名刺にはiOSアプリの「アイコン」とほぼ同じサイズの“穴”があいています。名刺をiPhone5に重ねると「堤」の漢字の一部である「日」の字が埋まり名前が完成。

「日」のアイコンをタップして開くと、アプリが起動し堤さんの顔が現れます。 この状態で、名刺の各所をさわると、小さい堤さんがいろんなことをしゃべってくれます。

iPhoneのタップ操作は厚紙の上からでも反応するという点に着目し、名刺のデザインの位置に合わせてアプリ画面で細かくタップ領域を設定しているのだそう。まるで名刺にリンクが貼られているかのように、タップによって「堤さん」の表情がアニメーションし、自動音声でしゃべりかけてきます。

7.広告会社史上、最小サイズの名刺!?

[国名:ロシア/企業名:Tag.Creative]

ロシアの広告会社「Tag.Creative」が、セルフプロモーション用に制作した名刺。

一般的な名刺のサイズからみて2,3周り程小さなこの名刺。表紙に記載されている内容はロゴや名前、連絡先など至って普通のものですが、名刺を裏返すとそこには、「minimize your media spendings(コストを最小限に)」の一文が明示されています。

『名刺のサイズ』を通じて、メディアバイイングに依存しない効果的・効率的なパフォーマンスを発揮する広告会社であることを示唆しているようです。

8.アディダス ショップ店員専用の“靴ひも名刺”

[国名:USA/企業名:adidas]

大手スポーツブランドのアディダスが、“直営店の店員とお客さんとのより良好な関係構築を図る”目的で制作した『靴ひも型』の名刺。ブランドロゴとともに店員の名前・電話番号・店舗住所が記されています。

靴ひも型の名刺にすることで、靴ひもと同様に、『あなたのそばに常にいますよ』というメッセージを発信しようとしているのかもしれません。

9.ロシアの広告代理店による世界初の“アニメーション名刺”


[国名:ロシア/企業名:Lift]

ロシアの広告代理店「Lift」による名刺。名刺を渡したクライアントにサプライズを提供するとともに、クリエイティブなエージェンシーであることを示唆することが狙いです。

表面はいたって普通の名刺ですが、裏返すと、名刺の人物の姿が黒格子部分に描かれています。そして白色の上縁には、↑↓と上下の矢印が記載されています。

黒格子部分を矢印の通り上に引いてみると、首をかしげて電話しているように動いて見えるという仕掛け。『気軽に電話してね!』という感じでしょうか。

10.宝飾店が作った“指輪のサイズを測れる”名刺

[国名:ドイツ/企業名:Marrying]

『女性に指輪を贈りたくても、サイズが分からない…』男性たちのそんなインサイトに着目して、ドイツの宝飾店「Marrying」は、指輪のサイズを簡単に測定することができる名刺を制作しました。

目盛の入った名刺で、くるっと丸めることで指輪のサイズを測定することができます。パートナーの指輪をこっそり拝借して、ここにスライドさせて目盛を読むことで簡単にサイズを調べられるという仕様のようです。

11.インドの高級チョコ店のハッピー・サプライズ名刺

[国名:インド/企業名:Choko la]

インド デリーの高級チョコレートチェーン店「Choko la」のとびきりユニークな名刺。

高級チョコを包んだ包装用紙が名刺になっているという代物。チョコを食べた後、ずっと甘い香りが漂う素敵な名刺に早変わりします。くしゃくしゃにしてそのまま捨ててしまう人もいるかもしれませんが、楽しい驚きで心に残りそうです。

12.高山病対策に有効! ペルーのホステルが配布した“コカの葉名刺”


[国名:ペルー/企業名:Kokopelli]

ペルーの人気観光地・クスコでバックパッカー向けのホステルを開業する「Kokopelli」が制作した、斬新なPRアイテムをご紹介。

クスコは標高が高いことから、高山病を発症するケースが非常に多く、観光客を悩ませていますが、原住民は高山病対策にコカインの原料であるコカの葉を服用しているそうです。(コカの葉には知力、体力といったエネルギーを与える薬用があると言われており、コカの葉を噛むことで高山病の主要な症状を和らげることができるそうです)

そこに目を付けたKokopelliは、コカの葉で宿泊情報を記載した名刺を制作し、ペルーの首都・リマで配布しました。名刺は、これからクスコを訪れる人に宿泊場所の情報をもたらすだけでなく、“コカの葉部分を切り取り、クスコ到着時に服用する”ことで、高山病の発症を予防することができるといいます。

無数に存在する他のホステルとの差別化を図るとともに、ターゲット(観光客)の問題解決につなげる、風土に根ざした興味深い名刺でした。

13.飛行機にもなる名刺


[国名:カナダ/企業名:Norburn Model Aircraft Supply]

ラジコンヘリの販売チェーン「Norburn Model Aircraft Supply」の名刺。

この名刺は、切り取り線に沿ってパーツを取り外し組み立てると、飛行機の形になり飛ばすこともできるという仕掛けです。

14.ブラジルのチーズ専門店、未だかつてない“実用的”な名刺を開発

[国名:ブラジル/企業名:Bon Vivant]

ブラジルのチーズ専門店・Bon Vivantが考案した名刺。“チーズ好きな来店客”に、お店により親しみをもってもらうことを意図して開発されたもので、名刺自体が『チーズのおろし金』としても使用できるという代物です。

チーズ片手に好みの量を削ることが可能。名刺入れに出し入れすると、チーズ臭くなったり、衛生面が心配ですが、自宅での使用であれば十分機能しそうです。

15.その発想はなかった!“他人の名刺を加工”して制作した鍼灸院の『穴あき名刺』

[国名:オーストラリア/企業名:STEVE LI ACUPUNCTURIST]

カンヌ2013デザイン部門で銅賞を獲得した、オーストラリアの鍼灸院の事例です。

鍼灸という仕事は口コミが大切。そこで、「良い鍼師がいた時に、患者はその人の名刺を使って誰かに紹介をするもの」というターゲットインサイトに着目し、オリジナリティ溢れる名刺を開発しました。

なんと“他人の名刺に穴をあける”ことで、それを同社の名刺にしてしまうという試み。患者の名刺を加工することで、自分の鍼灸院の名刺を制作しました。穴で名前や連絡先を描いた表現が斬新です。鍼灸という業種とピッタリ合ったユニークな名刺でした。

16.米クリエイティブエージェンシーの“しおり”になる名刺

[国名:USA/企業名:WHiRLED]

米ロサンゼルスを拠点にするクリエイティブエージェンシー・WHiRLEDによる名刺。キュートなコミック風の目と鼻、そして“大きな口”だけが描かれたデザイン。この“大きな口”の部分で本のしおりになるという仕掛けです。

ちなみに、社員は出会った相手に名刺を渡すときの“自身の心情”から、名刺の「顔のタイプ」を自由に選べるといいます。これぞ“受け取ってみたい”と思わせてくれる名刺であり、継続的に顧客と接点を持てる名刺ですね。

17.“ブランディングツール”として大いに機能する、テニススクールのオシャレな名刺

[国名:ブラジル/企業名:Denia Salu Tennis Academy]

ブラジルのテニススクール「The Denia Salu Tennis Academy」が、初めての挨拶のタイミングで“顧客との関係を縮める”ことを意図して制作した名刺。

手渡す際は2つ折りにされていますが、相手が受け取った瞬間にパッと開かれて、“テニスコート”になるという仕掛け。中央には立体的な“ネット”もあるというこだわりようです。こちらの名刺は、ハードコートとクレイコートの2パターンが用意されていました。

18.一瞬でスマホのスピーカーになる実用的な名刺


[国名:スウェーデン/企業名:Pause Home Entertainment]

スウェーデンのストックホルムで、ハイエンドの音響機器を扱うショップ「Pause Home Entertainment」が制作した斬新な名刺がこちら。

同社が制作したのは、スマートフォンのスピーカーになるという世界初の名刺。この名刺、パッと見は至って普通ですが…両サイドから開くと、瞬く間にスマホ専用のスピーカーに早変わりします。

実際にこのスピーカーにセットした場合のスマホの音量を調査した結果、通常「70.9-80.8dB」の音量が、「76.8-94.4dB」にあがったそうです。高品質な音響機器を取り扱う同店に相応しいPR名刺でした。

19.素晴らしくオシャレな“音楽を奏でる”クシ型名刺

[国名:イタリア/企業名:MODhair]

MODhairというロックンロールがテーマのヘアサロンが制作した、今までに見たこともない名刺、それが『名刺の形をしたヘアコーム』です。

しかも、コームの髪を梳かす部分の長さが一本一本違っており、指ではじいていくとなんと“ローリングストーンズの曲を奏でられる”という仕組みになっています。

名刺というパーソナルなメディアの可能性を示唆してくれる素敵な事例でした。

20.“折り曲げる”ことで真価を発揮す名刺

[国名:インド/企業名:Apple]

一般的に名刺を折る行為はタブーと言われていますが、こちらは『折り曲げる』ことで初めて真価を発揮するユニークな名刺デザインです。

ご覧の通り、折り目を折ることでiMacっぽく変身するというクリエイティブでした。

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