福島・南相馬市 “居住人口ゼロ”を経験したからこその移住・定住促進プロモーション

福島県南相馬市小高区。福島県の浜通り北部に位置するこのまちは、東日本大震災に伴う原子力災害の影響で一時全ての住民が避難を余儀なくされ、居住人口が一度ゼロになりました。そして震災から12年。震災前には見られなかった新たな兆しに着目し、さらなる移住・定住を促進するための新たなプロモーションを開始しました。
今回のキャンペーンは、首都圏を中心とした書店で、限定ブックカバーを配布。このブックカバーには「ないことこそが豊かさ」「差し出しあって暮らす」「小さなことが大きなよろこび」等、小高区に暮らす人々のマインドがデザインされています。さらにブックカバーを撮影し、「#おだかるブックカバー」を付けてSNSに投稿すると、おだかのお酒が当たるキャンペーンもあわせて実施されます。

避難指示解除以降、小高区では再生の道を切り開く人たちの努力もあり、若い人や起業する人の移住が増加。小高区に暮らす人々には外から来る人を受け入れ、チャレンジを応援する価値観が根付いています。まちではこうした変化に着目し、新たに地元に根付く人々の価値観やマインドに「おだかる」というキャッチコピーをつけポータルサイトや広告物で情報発信しています。

新しいまちに移住しようと思った時、特産物や風景など目で見える情報は得られても「その地に暮らしているのはどんな価値観をもった人が多いのか」などはなかなかわかりません。
今回のキャンペーンは、季節性も絡めながらブックカバーとして配布しSNS上でアクションを促すといった設計もユニークですが、その前提として、ハード面の復興状況ではなく、目には見えない“そこに暮らす人々のマインド”を言語化し、コミュニケーションの核に据えるという発想も参考にしたい事例です。

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