きっと来年がある。無念の大会中止を受け、北國新聞から高校生に向けて送るエール『あと365日』

あと365日

北陸地方の代表的な新聞である北國新聞は、日本最古の歴史を誇るアマチュアスポーツ大会である『高等学校相撲金沢大会』を主催しています。大正4年の第1回大会から地域一丸となって出場する高校生を応援し、今年で104回目の開催となるはずでした。

しかし新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言によって、今大会は中止に。高校3年間の集大成を披露する最後の舞台は、無情にも失われてしまいました。

仕方のないこととはいえ、出場する予定だった高校生たちが抱える行き場のない悔しさ、やりきれなさは想像に難くありません。そんな中、北國新聞は大会の開催予定日であった5月24日の朝刊に以下の広告を掲載しました。

今日は、高校相撲の全国大会が、
金沢で開催されるはずだった日です。
この大会の優勝を目指して
練習をつづけてきた選手たちの日々や、
もう二度と出場することでできない
3年生のことを思うと、残念で、
かける言葉も見つかりません。
だけど、倒されても何度でも起き上がって、
その度に強くなるのが相撲だから。
大会を主催する大人として、
できなかったことではなく、
これからできることに目を向けたい。
つぎの高等学校相撲金沢大会まで、あと365日。
来年は、2年分すごい大会にする。
この大会は、君たちが出たくて出たくて、
それでも出られなかった大会であることを、
私たちはずっと忘れません。

高校生活の目標としてきた大会に出場が叶わなかったその想いに共感しつつ、『大会の中止を悲しむだけではなく、来年に向けて前向きに動きだそう』と呼びかけるメッセージからは、北國新聞から高校生に向けた精一杯の応援や願いの気持ちが伝わってくるようです。

同社は大会の開催予定日だった24日に会場の土俵に足を運んでこの広告を掲げ、来年の大会まで『あと365日』という決意を示しました。

今月20日には、夏の全国高校野球の中止も決定されています。感染のリスクを避けられないためこちらも苦渋の決断ではありましたが、コロナ禍に翻弄される学生たちの気持ちを考えると、一日も早い収束を祈るばかりです。

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