被害者の名前をバスに刻印。3,000万インプレッションを獲得した暴力抑止キャンペーン

Case: Honoring Victims of Vandalism

日本のおよそ22倍という広大な国土を持つブラジルでは、バスが主要な交通網として人々に利用されています。

そんな便利なバスですが、しばしば破壊行為の対象になることがあるのだそう。行政などに対する過激な抗議活動の矛先がバスに向かい、乗客が乘っているにも関わらず放火されるというのです。

以前バスの運転手をしていたJefferson Alves da Silvaさんは、乗務中にデモ抗議に巻き込まれた一人。火炎瓶を投げつけられ、燃え盛る炎の中、車内にいた身体が不自由な女性を助け出したSilvaさんは、腕に重度のやけどを負いました。

彼のように、法を無視した暴力行為に不幸にも居合わせてしまったバスの乗客やドライバーの中には、大怪我をしたり命を落とす人もいます。しかしメディアは騒ぎだけを取り上げ、事件の犠牲者は名前すら紹介されない場合がほとんど。

そこで同国のメルセデスベンツが行ったのが、通常は数字の番号で記される識別番号を、被害に遭った人の名前を打刻することで、哀悼の意を表する取り組み。金属のプレートに事件に巻き込まれた人たちの名前を刻み、バスに取り付けます。

この試みはオンラインニュースやテレビなどで紹介されると、SNSでも話題となり3,000万件以上のインプレッションを獲得しました。

事件の犠牲となった人たちの存在にスポットライトを当てたことにより、暴力に訴える行動は許さないという機運を高める結果につながったキャンペーンでした。


Case Study from Guilherme Martins on Vimeo.

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