大盛無料の説得力は数字でつくる ベジ家の原価開示プロモーション
野菜炒め専門店「ベジ家」を運営する株式会社sommet farmは、2026年8月31日(月)の野菜の日から「令和7年産米 食べ尽くしプロジェクト」を始動しました。
ベジ家 横田新町店(栃木県宇都宮市)で対象の野菜炒めを注文した人が、白飯を1回無料で増量できる取り組みです。大盛から山盛まで、最大500gを無料で提供します。実施期間は対象米がなくなるまで、もしくは2026年12月31日(木)までとしています。
増量や無料提供は、単なる値引きや集客施策と受け取られやすいものです。そこで同社は、今回の取り組みの背景として米の在庫問題を示しました。
農林水産省の数値として、2026年6月末の民間在庫量が194万玄米トンと前年同月より72万玄米トン増えたことを示し、値下げや在庫処分ではない出口をつくると打ち出しています。

「ベジ家」はもともと「白飯を、かきこめ。」をコンセプトに掲げ、普通・マシ・マシマシから選べる盛りを売りにしてきた店です。
今回の呼びかけは「米を余らすな。白飯を、かきこめ。」。これまでのメッセージに新たなフレーズを加え、令和7年産米の消費を後押しする呼びかけに組み替えています。
この取り組みが単なる値引きと違って見えるのは、負担の大きさを言葉ではなく数字で示しているからです。プロジェクトの案内には、精米24.5kg当たり10,660円、1kg当たり約435円という仕入条件が明記されています。
さらに、白飯1杯150gの原価を生米換算で約28円、水道光熱費などを含めて約35円前後と開示し、最大500gまで無料で盛るという条件を並べました。

代表取締役の大塚龍之介氏は、この費用を広告費や集客費ではなく「未来への投資」と位置づけ、令和7年産米の「新しい消費先」をつくると説明しています。
無料提供という飲食店において王道といえる施策でも、原価を開いたうえで語ることで、値引き施策との違いが読み手に伝わる形になったといえるでしょう。
使用米はにじのきらめきととちぎの星のブレンドで、実施は宇都宮市の1店舗から。大きな予算をかけずに信頼を積み上げたい飲食店にとって、条件と原価をそのまま公開するという手が参考になりそうです。
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