孫から祖母へ Heinzブラジルが設計した世代を超えるブランド浸透戦略

Heinz(ハインツ)ブラジルが展開するキャンペーン「Grandma’s Darling」(おばあちゃんのお気に入り)は、マヨネーズの瓶が編み物に包まれていくシーンから始まります。

クロシェと呼ばれるかぎ針編みは、ブラジルの人たちにとって愛情や家庭的なぬくもりを象徴するもの。特におばあちゃん世代では、家の日用品を手編みのカバーで飾る文化が根強く残っています。

Heinzはこの文化に着目し、マヨネーズの瓶を編み物で包むことで、祖母世代への親しみやすい接点を生み出しました。

背景にあるのは、世代間のブランド認知のギャップです。Heinzはブラジル市場への参入が比較的遅く、若い世代にはすでに定着している一方、祖母世代には長年使い慣れた別のブランドがあります。

Heinzブラジルのマーケティング責任者は「すでにHeinzの味を知っている孫たちに、ブランドを紹介し、試してもらうよう促したい」と述べています。

ここで注目したいのは、高齢層へのアプローチの設計です。デジタル広告が届きにくい世代に直接リーチしようとするのではなく、すでにHeinzを使っている若者を“伝え手”として活用。

家族からのおすすめという、もっとも信頼されるルートを通じてブランドを届ける設計になっています。

デジタル施策では、かぎ針編みの発信で人気のクリエイターが、自身の祖母と一緒にHeinzの瓶カバーを作るチュートリアル動画を公開。若い世代がSNSを通じてブランドを広める仕掛けになっています。

オフラインでは、サンパウロ市内の各所で屋外広告を実施。特に有名な大通りのバス停を編み物で飾り付けることで、高齢層が日常的に目にする場所にブランドを届ける接点設計も欠かしません。

ターゲットに直接広告を届けるのではなく、家族という信頼のルートを経由させる。「Grandma’s Darling」は、世代間のブランド浸透という課題に対して、文化と人間関係を巧みに組み合わせたマーケティング事例といえるでしょう。

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