“行きつけの店”を裏切ってもいい? KFCの心理設計広告
“行きつけ”があると、なんとなく他のお店に行きづらい。そんな心理に着目し、イタリアのKFCが新たなキャンペーンを展開しました。
イタリアではケバブは定番のストリートフードとして親しまれており、特に若年層の間では“お気に入りの店に通い続ける”という忠誠心のような文化も根付いています。
新たにケバブサンドを展開したKFCは、正面から競争を仕掛けるのではなく、「後ろめたい」という感情に着目しました。そこで生まれたのが、今回のキャンペーン「Kebab Betrayal(ケバブ裏切り)」です。
CMでは、KFCの店舗で注文しようとする男性が、誰かに見られているような違和感を覚えます。振り返っても誰もいない。しかし再び前を向くと、そこにはケバブ店の店主が立っている——。ホラー映画のような演出で描かれるのは、「いつもの店を裏切っているかもしれない」という後ろめたさです。
この施策の秀逸な点は、その“罪悪感”を否定するのではなく、あえて受け入れているところにあります。裏切りというネガティブな感情をユーモアに変換し、「たまには違う選択をしてもいい」と背中を押す設計です。

KFCは、ケバブ文化を壊そうとしているのではなく、その隙間に入り込もうとしているのでしょう。
ブランドスイッチには、必ず心理的なハードルが伴います。本キャンペーンは、そのハードルの正体を“裏切り”という言葉で可視化し、笑いに変えることで行動のハードルを下げています。
文化に対抗するのではなく、その中にある感情を読み解き受け入れる。「人がなぜ選ばないのか」という心理に向き合い、新しい選択肢を提示したマーケティングの好例といえるでしょう。
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