ゴールデンウィーク(GW)のマーケティング・集客事例20選<2026年最新版>
生活者の消費マインドが一気に上がる、ゴールデンウィーク。旅行やレジャー、外食、ショッピングといった行動が活発化し、情報接触時間も増えるこのタイミングは、企業にとって認知拡大から購買促進、さらにはその先のファン獲得までを一気に狙える絶好の機会といえるでしょう。
本記事では、そんなゴールデンウィーク(GW)を切り口にしたPR・マーケティング施策を20事例ピックアップ。企画づくりのヒントとなる視点を紹介します。
1.経済的な困難を抱える親子約5,000人に 映画館での鑑賞体験を提供

子どもの体験格差解消に取り組む認定NPO法人チャリティーサンタは、2026年の春休みからゴールデンウィークにかけて、経済的困難を抱える親子約5,000人へ映画鑑賞チケットをプレゼントする施策を実施。
長期休暇中の「どこにも行けない」「思い出を作れない」といった課題に対して、体験機会そのものを届ける取り組みです。
本施策では、チケットの提供にとどまらず、利用者が好きな映画館や作品、タイミングを選べるようにすることで、体験の満足度を高めています。
また、「映画館に行きたいと言われるとつらい」といった保護者の声や、「親子の思い出になった」といった体験価値をしっかりと言語化することで、社会課題と情緒的価値の両面から共感を喚起。メディア掲載や拡散につながりやすい構造となっています。
社会課題の提示から体験機会の提供までを一貫して設計し、「親子の思い出になる体験」として伝えることで、共感と行動を生み出しているPR施策です。
2.GWの混雑回避と時間別の特別な体験を提供 神戸須磨シーワールドが期間限定チケットを発売

株式会社グランビスタ ホテル&リゾートが運営する「神戸須磨シーワールド」は、ゴールデンウィーク期間における混雑課題に対し、「時間帯をずらす」というシンプルかつ実効性の高い打ち手を提示しています。
8時~9時の入館が対象の「GW 朝得チケット」と16時以降の「GW トワイライトチケット」という2つのプランを設定することで、来館のピークを分散しながら、来場者にとっても「快適に楽しめる価値」へと転換している点が特徴です。
ポイントは、チケットの割引だけでなく、「朝はゆったり生きものを観察できる」「夕方は夕景とともにパフォーマンスを楽しめる」など、時間帯ごとの魅力を言語化していること。価格訴求だけでなく「選びたくなる理由」をしっかり補強しており、来場動機の創出につながっています。
さらに、両チケットにポンチョを特典として付けることで、オルカやドルフィンパフォーマンスといった施設の強みを自然に想起させ、満足度向上とSNS発信など二次的な波及も期待できる構成になっています。
3.GWの屋上が熱狂のフィールドに 「おふろcafe ハレニワの湯」が3歳から大人まで全力で遊べる限定イベント

株式会社温泉道場が運営する「おふろcafe ハレニワの湯」は、ゴールデンウィーク期間にあわせて、水鉄砲を使ったサバイバルゲーム「スプラッシュサバゲー」を開催。温浴施設という日常的な場に、「びしょ濡れで戦う」という非日常体験を持ち込み、家族で思いきり遊べるイベントです。
通常は「濡れる前提」の遊びである水鉄砲バトルをあえて温浴施設の屋上で実施することで、「そのままお風呂へ」という流れを自然に設計しました。
“普段は「濡れちゃダメ!」と制限されがちな水遊びも、ここでは正義”というメッセージ設計もユーモアがあり、禁止されがちな行為を「解放する場」として位置づけることで、子どもだけでなく大人の感情にもフックをかけています。
「お風呂×サバゲー」という一見ミスマッチな組み合わせを、「濡れる」という共通項でつなぎ、施設体験そのものをアップデートする。制約を逆転させて遊びに変える発想が、ゴールデンウィークという文脈の中で効果的に活かされている事例といえるでしょう。
4.狭山スキー場がオフシーズンを活用したウォーターフェスを開催 GW期間中は来場者特典やステージも

西武レクリエーション株式会社が運営する「狭山スキー場」は、2026年4月25日(土)から9月27日(日)までのオフシーズン期間を活用し、「ウォーターフェス」を開催。
稼働が落ちるスキー場の春夏シーズンに対し、「水」という真逆のテーマを掛け合わせることで施設価値を再編集し、オフシーズンそのものをイベント化している点に巧みな戦略性が見て取れます。
特に、4月25日から5月6日のゴールデンウィーク期間中の「GREAT WATERFES」では、日替わりでステージショーやワークショップ、参加型イベントなどが実施され、集客のピークを意図的に設計している点が特徴です。
さらに、「所沢に海!?」という意外性のあるコンセプトも、GW施策として大きなインパクトを残します。遠出への意欲が高まる大型連休において、移動負担を軽減しつつ非日常を味わえる「近場での特別体験」の提案は、生活者のレジャー欲求を的確に捉える強力な訴求点となりそうです。
5.100店舗超のグルメと伝統演舞・沖縄音楽が川崎に集結 首都圏最大級「はいさいFESTA 2026」

株式会社チッタ エンタテイメントは、川崎駅前の複合商業施設「ラ チッタデッラ」にて、ゴールデンウィーク期間に沖縄文化を体感できる大型イベント「はいさいFESTA 2026」を開催します。100店舗以上の沖縄グルメや伝統芸能、音楽ライブが集結し、都市にいながら沖縄の空気を味わえる場をつくる取り組みです。
会場は「ラ チッタデッラ」にとどまらず、「川崎ルフロン」や「川崎銀柳街」など周辺エリアにも広がり、街全体で沖縄の世界観を展開。来場者はエリアを回遊しながら、さまざまなコンテンツに触れることができます。
イベントでは、沖縄本島に加え、石垣・宮古・久米・多良間といった離島の要素も取り入れ、グルメ・音楽・芸能といった複層的な魅力を提示。さらに、川崎市と那覇市の友好都市提携30周年という背景も重ねることで、単なる催事にとどまらない文化的な文脈を付与しています。
物価の高騰などにより旅行を控える人が増える今、大型連休に街中で手軽に「旅の擬似体験」ができる仕掛けは、制限のあるなかでも最大限に休日を楽しもうとする、ポジティブな工夫が感じられます。
6.コスプレイベント「acosta!」が日ごとに参加条件を限定したGW企画を開催

株式会社ハコスタは、池袋・サンシャインシティにてコスプレイベント「acosta!」のゴールデンウィーク特別企画「スペシャルコンセプトウィーク」を開催。
学生限定や25歳以上限定、男装限定など、日ごとに参加条件を設定した新たな試みで、参加者の属性や目的に応じた体験を提供するイベントです。
「acosta!」は年間30万人以上が参加する大型イベントですが、本企画ではあえて「全員参加」を前提とせず、参加者をセグメントごとに分ける設計に。年齢や経験値の違いによって生まれる温度差に着目し、共通の関心や価値観を持つ人同士が集まる環境をつくることで、交流の質そのものを高めています。
また、学生限定やオールナイト開催といった日別のテーマ設定により、同じイベントでありながら複数の参加動機を生み出している点もポイントです。ターゲットを絞ることで、それぞれの層にとっての「参加のしやすさ」や「居心地の良さ」を明確に打ち出しています。
参加者の声を起点に体験を細分化し、コミュニティの質を高めていく発想は、今後のイベント設計におけるひとつのヒントとなる事例です。
7.蚤の市から移動動物園、大道芸まで 園内で1日楽しめる施策を実施

「いばらきフラワーパーク」は、ゴールデンウィーク期間にフリーマーケット「蚤の市 Garden Life Market」を初開催します。
花に囲まれた園内を舞台に、『花と時間をめぐり「好き」をみつける』をコンセプトとした散策型のマーケットとして展開される企画です。
会場にはアンティーク雑貨や古着、ハンドメイド作品が並び、来場者は園内を歩きながら「偶然の出会い」を楽しめる構成となっています。また、子どもたちが主体となって物々交換を行う「こども蚤の市」も同時開催し、売買ではなく交換を通じた体験が用意されている点も特徴です。
さらには、移動動物園やシャボン玉ショー、大道芸といったコンテンツも展開し、家族で一日過ごせる場として設計。体験の質そのものを訴求するアプローチが印象的な事例です。
8.「作って・食べて・推せる」日本初の体験型クッキングフェス「NATSLIVE FES 2026」

株式会社NATSLIVE Groupは、ゴールデンウィークにあわせて体験型クッキングフェス「NATSLIVE FES 2026」を開催します。
人気アーティストやアイドル、声優、俳優などが出演し、クッキングライブを中心とした多様な配信を楽しめるライブ配信アプリ「NATSLIVE」の世界観を、リアルの場に展開する企画です。
料理イベントと聞くと「つくる」「食べる」が主役になりがちですが、本企画はあくまで「推しと一緒に過ごす時間」が軸。キャストによるクッキングバトルや料理教室などを通じて、料理そのものがファンとのコミュニケーションの場として機能しています。
さらに、来場者自身も調理に関われる設計にすることで、「観る」から「参加する」へと体験をスライド。配信アプリで培ってきた双方向性を、リアルイベントでも違和感なく再現しています。
戸板女子短期大学の学生が企画や運営に関わっている点も含め、イベント全体がどこか文化祭的な熱量をまとっているのも特徴。ゴールデンウィークに「推し×料理」という新しい過ごし方を提案する施策です。
9.福岡市内を舞台とした立ち飲みはしご酒イベント「TACHINOMIST10(タチノミスト)」

「立ち飲み」文化の創造を掲げる株式会社Thinkingforは、福岡市内を舞台にしたはしご酒イベント「TACHINOMIST10(タチノミスト)」を開催します。92店舗(海外含め102店舗)が参加し、街を歩きながら飲み歩く体験そのものを楽しむ企画です。
この施策のおもしろさは、「イベント会場をつくらない」こと。特定の場所に集客するのではなく、福岡の街そのものを「巨大な酒場」に見立てることで、エリア全体を巻き込んだ体験に転換。
「予約不要・参加費無料」で、各店舗での飲食代だけで参加できるため、イベント参加の心理的ハードルを下げつつ、回遊と消費が発生する仕組みをつくっています。
また、「3軒回るだけで景品がもらえる」スタンプラリーは、達成しやすく回れば回るほど特典が増える構造は、ゴールデンウィークのお楽しみにぴったりです。
10.切り口の異なる多彩な施策を同時展開し「ホテルで過ごすGW時間」を提案

株式会社ニュー・オータニは、ゴールデンウィークにあわせて複数の企画を展開。「プール」「おしごと体験」「グルメ」「ペット同伴」など、切り口の異なる多彩な施策を打ち出しています。
例えば、東京では屋外プール「GARDEN POOL」をGWから前倒しでオープンし、“夏先取り”というわかりやすい価値を提示。氷彫刻パフォーマンスやパティシエ体験なども組み合わせ、滞在そのものをイベント化しています。
一方、幕張では子どもがホテルスタッフになりきる「キッズホテリエ体験」や、愛犬同伴OKのアフタヌーンティー、手ぶらBBQなどを展開。「家族で過ごす時間」を細かく分解し、それぞれに刺さる体験を用意しているのが特徴です。
さらに大阪では、「あえて外に出ない」ホカンス需要に着目。館内で使えるクレジットや宿泊者限定プールを用意し、「移動しない贅沢」という過ごし方が提案されています。
全体として共通しているのは、「GWは旅行」ではなく、「GWをどう過ごすか」を細かく再定義している点。それぞれのニーズに合わせて「ホテルの使い方」を複数提示することで、選ばれる理由を増やしているPR施策として参考になりそうです。
11.札幌グランドホテルが「GWスペシャルバイキング」を開催 早期予約特典やキッズ体験も

株式会社グランビスタ ホテル&リゾートが運営する札幌グランドホテルは、ゴールデンウィーク期間に合わせた「GWスペシャルバイキング」において、早期予約を軸にしたシーズナルマーケティングを展開します。
開催時期を明確に打ち出しつつ、4月5日までの予約で大人料金が500円引きとなる早割キャンペーンを設定することで、需要が高まる直前のタイミングで行動を促す設計です。
さらに、「こどもの日」限定で小学生以下無料という特典や、コック帽のプレゼント付き「キッズシェフ体験」など、来店体験そのものをコンテンツ化している点も特徴。特に、パンケーキのデコレーションやミニパフェ作りといった参加型の要素は、ファミリー層の来店動機につながるのと同時に、写真・動画によるSNS拡散も期待できます。
定番イベントであるバイキングに対し、新たな体験要素を追加することで鮮度を保ち、読み手に「今年は違う」と感じさせる工夫がなされています。シーズナル施策においてありがちな“恒例行事の繰り返し”から一歩踏み込み、参加したくなる理由を複数設計している好例といえるでしょう。
12.「GW前後の疲労」に着目したリフレッシュ特別レッスンを開催

株式会社BEST HERBSが運営するBEST STYLE FITNESSは、ゴールデンウィーク初日の4月29日に、大宮・海浜幕張・新浦安の3店舗で「春のリフレッシュ&デトックス」をテーマとした特別レッスンを同時開催。
生活リズムが崩れやすい連休のタイミングに合わせ、「疲労回復」「リラクゼーション」「高強度トレーニング」といった複数のニーズに応えるプログラムです。
本施策のおもしろさは、「ゴールデンウィーク」対して、“身体を整えるスタート地点”という新しい意味付けをしている点。連休前後に増加する疲労やストレスという生活者のリアルな課題に着目し、「行動のきっかけ」をつくっているのが特徴です。
さらに、イースターエッグくじや走行距離チャレンジ、来館スタンプラリーなど、店舗ごとに異なる仕掛けを用意することで、「行けば何かある」という期待感を醸成しています。
単発イベントにとどめず、来館頻度や継続利用につながる導線を複数設計している点もポイント。ゴールデンウィークという短期的なトピックをフックにしながら、その後の運動習慣づくりまでを視野に入れた構成は、シーズナル施策の活用として参考になる設計です。
13.伊豆シャボテン公園グループがGWに昼夜を横断した“回遊型レジャー”を提案

株式会社伊豆シャボテン公園は、グループ全体を横断したゴールデンウィーク施策として、「伊豆シャボテン動物公園」や「伊豆ぐらんぱる公園」など複数施設を束ねた体験型プロモーションを展開します。
この施策のおもしろさは、単一施設のイベントではなく、グループ全体をひとつのテーマパークのように再編集し、動物園でのベビーラッシュや新たなシマウマの展示、夜のイルミネーション、絶景フォトスポット、さらには飲食や宿泊までを一気通貫で訴求している点。結果として「どこに行くか」ではなく「どう過ごすか」という体験設計にシフトさせています。
また、Instagramフォトコンテストの実施も見逃せません。ハッシュタグ投稿を条件にすることで、来園者自身が情報発信の担い手となり、UGCを自然発生させる設計に。昼の動物体験だけでなく、夜のイルミネーションも対象に含めることで、滞在時間の延長とコンテンツの多層化を同時に実現しています。
GWという短期需要に対し、「新しい動物」「季節限定の花」「期間限定イベント」といった“今行く理由”を複数用意している点も巧みです。GWのような大型連休において、「一日中遊べる理由」をどう設計するか、そのヒントが詰まった事例といえそうです。
14.“推し活”文脈でパチンコを再定義 日本遊技機工業組合がGWに新たな遊び方を提案

日本遊技機工業組合は、ゴールデンウィークに向けた新たなイベントとして、「推しパチの日・推しスロの日」(通称:推しの日)を企画。プロモーションの一環として動画「推しの日マーチ」を公開し、“推し活”という文脈を取り入れた新しい遊び方を提案しています。
パチンコ・パチスロという既存ジャンルを、“推し活”という生活者に浸透した文化に接続して再定義している本施策。従来の「遊技」という枠組みから、「お気に入りを見つけて楽しむ」というライトな体験へと言語を置き換えることで、未経験者や初心者の心理的ハードルを下げています。
イベント当日は「お試しコーナー」を設け、お金をかけずに遊べる設計にすることで、未経験者の参加障壁をさらに低減。加えて限定グッズやコラボアイテムといった“推し活的インセンティブ”を用意することで、来場動機と体験価値の両方を底上げしています。
また、Xでのフォロー&リポストキャンペーンも組み合わせ、ハッシュタグ投稿によって当選確率が上がる仕組みを設計。ユーザー自身を発信主体に巻き込むUGC設計がなされており、オンラインとオフラインの接点が自然につながっています。
GWという“時間があるが行き先が定まっていない”タイミングに対し、「新しい遊び方の提案」「無料体験」「推し活」という複数のフックを重ねている点もポイント。業界のイメージ刷新と新規層開拓を同時に狙った、戦略的なPR・マーケティング施策といえそうです。
15.羽田空港に期間限定ポップアップ 名作絵本コラボのクッキー缶でGWの手土産需要を喚起

ケーキ・スイーツ専門通販サイト「Cake.jp(ケーキジェーピー)」を運営する、株式会社Cake.jpは、羽田空港 第1ターミナルにて、ポップアップストア「名作絵本のクッキー缶セレクション by Cake.jp」を出店することを発表。
2026年3月1日~5月31日の春休みからゴールデンウィークまでをまたぐ長期開催で、帰省や旅行需要を見据えたスイーツ企画を展開しています。
ポイントは、羽田空港という“人が移動する場所”を舞台に設定することで、自然と「手土産需要」を喚起している点。ゴールデンウィークという帰省・旅行シーズンと強く接続し、「今この場所で買う理由」を明確にしているのが特徴です。
さらに、『はらぺこあおむし』『ノンタン』『パンどろぼう』など、世代を横断して愛されている絵本とコラボすることで、単なるスイーツではなく、“記憶に残るギフト”としての価値設計がなされています。また、クッキー缶は食べ終わったあとも小物入れとして使える仕様となっており、SNS投稿による拡散も期待できそうです。
「期間限定」「場所限定」「絵本コラボ」という複数のフックを掛け合わせることで、情報の取り上げやすさを高めている点も秀逸。他社の企画に埋もれがちなGWシーズンに、独自性を打ち出した企画といえるでしょう。
16.名古屋グランパスがGWに“子ども主役”のスタジアム体験を展開 キッズ招待や職業体験で来場動機を創出

株式会社名古屋グランパスエイトは、ゴールデンウィークに開催されるホームゲームにあわせ、「グランパス キッズワンダーランド2026~きみが主役のスタジアム~」を実施します。スタジアムを観戦の場としてだけではなく、「子どもたちが主役になれる場所」として再定義する体験型のPR施策です。
「来場理由」を徹底的に子ども中心へシフトし、クラブ史上初となる小学生対象のキッズTシャツを合計15,000枚配布するほか、小中高生10,000人招待を実施。子どもたちにとって「自分も参加できる」「自分の居場所がある」という心理的なハードルを下げる設計がなされています。
さらに注目したいイベントが、スタジアムの裏側を“仕事体験”として開放する「スタジアム☆ヒーロー」。ホペイロ(用具係)やカメラマン、スタジアムDJなど、普段は見えない運営の役割を子どもが担うことで、「観客」から「当事者」へと立場を転換させることで、参加者自身がストーリーの一部になるような設計となっています。
ゴールデンウィークという家族行動が活発になるタイミングにおいて、「子どもが行きたくなる理由」を起点にすることで、ファミリー層の来場を自然に促進している点も秀逸です。
また、イベントを単発で終わらせず、社会連携施策として地域の子どもたちへ展開していく構想も示されており、一過性の集客ではなく関係性の継続を見据えている点も見逃せません。
17.幼魚の“卒業と進学”をテーマに体験価値を創出 下田海中水族館が「こどもの日特別展示」を実施

藤田観光株式会社が運営する下田海中水族館は、こどもの日に合わせた特別展示として、「幼魚水族館」と連携したユニークな企画を展開。幼魚たちの“卒業”と“進学”をテーマにしたストーリー型イベントを実施します。
この施策の最大の特徴は、生き物の成長過程を「卒魚式」「進学」といった人間のライフイベントになぞらえて再編集していること。来館者が感情移入できる物語を設計することで、「成長を見守る」「新たな環境へ送り出す」といった共感体験を生み出しています。
また、「幼魚水族館」という別施設との連携も秀逸です。幼魚期を過ごした魚が次のステージへ進むという設定により、2つの施設をひとつの世界観でつなぎ、ブランド横断の体験を実現。単発イベントにとどまらず、「どこで生まれ、どこへ進むのか」という動線を設計することで、施設間の回遊や関係性の理解を自然に促しています。
子どもの成長や節目を祝うといったテーマは、こどもの日との親和性も高く、ファミリー層の来館動機を強く後押している点も印象的です。イベント自体の派手さではなく、“意味のある体験”を提供している点が、ほかのレジャー施策との差別化につながっています。
18.無料コンテンツで間口を広げ“滞在型レジャー”へ メッツァがGWにKAWAII×アート体験を展開

株式会社ムーミン物語が運営する北欧ライフスタイル体験施設「メッツァビレッジ」は、ゴールデンウィーク特別企画の実施を発表しました。
現代美術館「HYPER MUSEUM HANNO」で開催中の増田セバスチャン『KAWAIITOPIA -GO TO HEAVEN(HELL)-』と連動したワークショップやグリーティングのほか、芝生広場には無料の「キッズパーク」も登場。アート鑑賞と屋外レジャーを横断するGW施策に仕立てています。
KAWAIIをテーマにしたアクセサリー体験、ぬりえ、コスチュームキャラクターとのグリーティング、フォトブースといった企画は、子ども向けに見えて大人の感性にも届く設計になっており、20~40代女性にも刺さりやすい構成に。
GW需要に対して「家族で出かけやすい」「写真を撮りたくなる」「無料でも楽しめる」という複数の参加動機を、ひとつの場所に重ねている点が秀逸です。
さらに、「メッツァビレッジ」「HYPER MUSEUM HANNO」「ムーミンバレーパーク」という複数施設をまたいで楽しめる点にも工夫が見られます。無料の屋外遊び場、KAWAII企画、アンブレラスカイ、花火大会と、楽しみ方の温度差が異なるコンテンツを並べることで、同行者の年齢や興味が違っても満足しやすい構成になっています。
GWのように家族や複数人での来訪が増える時期において、ひとつの価値に絞らず、過ごし方の選択肢を広げる好例といえそうです。
19.“焼きたて”という一瞬の価値を訴求 トシ・ヨロイヅカがGWに時間限定スイーツ体験を提供

株式会社サンセリーテが展開する洋菓子ブランド「トシ・ヨロイヅカ」は、ゴールデンウィークに合わせて、アトリエ店で焼きたてフィナンシェを販売する特別イベントを実施します。
通常提供しているフィナンシェや限定フレーバーではなく、焼きたてという一瞬しか味わえない状態にフォーカスすることで、“今ここでしか体験できない理由”を強調。GWという外出需要が高まるタイミングと相性がよく、来店動機をシンプルかつ強力に設計している施策です。
また、あえて提供時間を絞ることで希少性を高め、「その時間に行かないと体験できない」という行動喚起を生み出しています。フード系PRにおいてはとても有効な設計で、行列や話題化にもつながりやすいポイントです。
さらに、鎧塚俊彦シェフが店頭に登場する点も見逃せない特徴のひとつ。「作り手に会える」「その場で仕上げられるライブ感」を提供することで、ブランドのクラフト性やストーリーを体験として伝えています。
大規模な仕掛けではなくても、「体験の鮮度」「時間の限定性」「作り手の存在」という3つの要素を掛け合わせることで、強い来店動機を生み出せる好例といえるでしょう。
20.ワイナリーを“過ごす場”として再設計 マンズワインがGWに体験型イベントを開催

マンズワイン株式会社は、ゴールデンウィークに合わせた「マンズワインのGWパーティー2026」の開催を発表しました。
同社の勝沼ワイナリーを舞台に、ツアー・テイスティング・フード・ピクニックといった4つの体験を組み合わせた“滞在型イベント”です。
この施策の魅力は、ワインを飲む場ではなくワイナリーで過ごす時間そのものをコンテンツ化していること。ぶどう畑や通常非公開の地下セラーを巡るツアーを用意することで、製造背景やストーリーに触れることができ、“理解して味わう”体験へと昇華しています。
また、バックヴィンテージワインの特別テイスティングなど、普段はなかなか体験できない“時間を重ねた価値”を打ち出すことで、ワイン好きだけでなく、「せっかくGWに出かけるなら特別な体験をしたい」という生活者の心理をしっかりとらえています。「当日まで内容がわからない」という余白も、期待感の醸成につながっています。
ワイン単体ではなく、「食」「自然」「開放感」を掛け合わせることで、ライト層やファミリー層にも間口を広げ、ワインイベントでありながら、誰でも気軽に楽しめる“レジャー化”に成功しています。
ゴールデンウィーク(GW)のマーケティング・集客まとめ
ゴールデンウィークのように生活者の行動が大きく動くタイミングは、企業にとって“選ばれる理由”をつくる絶好の機会です。今回紹介した事例からは、「今行く理由」や「ここで過ごしたくなる体験」を丁寧に設計している点が共通して見えてきました。
特に印象的なのは、無料体験や限定性、ストーリー性、UGC設計など、複数のフックを掛け合わせながら、来場や購買のハードルを下げている点。「体験をどう記憶に残すか」「どう誰かにシェアしたくなるか」までを見据えた設計が、結果として継続的なブランド接点につながっています。
GWは一過性の需要で終わりがちですが、その瞬間を“ブランドの好き”に変えられるかどうかが重要です。短期集客だけでなく、その先の関係構築まで見据えたコミュニケーション設計こそが、これからのGW施策の鍵になりそうです。
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