DV被害者の“心の叫び”を伝える「インタラクティブなHTMLメール」

Case: Behind the fear

ペルーでは15歳~49歳の女性の10人中4人が、パートナーからの暴力の被害を受けた経験があるといいます。そして被害者のうち、周囲に助けを求める女性は、わずか40%にすぎません。

たいていの場合、「恐怖」は「暴力」を覆い隠してしまいます。そんな課題に向き合い、“DV被害を受けている女性の心中”や“DVは隠されているものである”という事実を市民に知ってもらうことを意図して、同国で活動するNPO団体Demusがユニークな啓発プロジェクト「Behind the fear」を実施しました。

同団体が制作したのは家庭内暴力の被害者の物語を元にして、文面が記述されたEメール(HTMLメール)。

ある女性から姉妹や母親に宛てたEメールで、これらの文面は一見すると、いたって『ありがちな会話』のように見えます。

ですが、同団体はこのメールの中に、ある“HTMLコード”を隠していたのです。それは以下のようなイメージ。本文中のいくつかの単語の上に配されたコードで、“別の単語へと置き換わる”ようになっています。

そして、Eメールの最下部に“本当のメッセージ”を読むためのガイドラインを記しました。具体的には「メール本文内の太字部分にオンマウスしてください」と書かれています。

実際にやってみると、HTMLコードで記述されていた“単語”が、元から表示されていた文章とリンクして、“被害者の本当の胸中、心の叫びが明らかになる”という仕掛けでした。

ご覧のとおり「How are you, mom?」が、「Help me, mom?」に。「he surprised me」が、「he punched me」といった具合です。

“DVは隠されているものである”、“被害にあっている人は声をあげづらい”というDVの真実を啓発する、Eメールを活用したユニークなプロモーションでした。

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