「わたし、あけみです。」 ビオレママの本名公開から始まる共感マーケティング

近年、世のなかで「多様性」が叫ばれる一方で、いまだ根強い理想の母親像や役割観にプレッシャーを感じ、自分らしさを肯定しきれない人も少なくありません。

こうした背景を受け、花王のスキンケアブランド「ビオレu」は、2026年6月1日(月)より新プロジェクト「ありのままでいこう。」を始動。完璧ではない等身大の姿を受け止める、新たなコミュニケーションを展開しています。

同社は、1999年の誕生以来「ビオレママ」として親しまれてきたキャラクターの本名が「あけみ」であることを、デジタル広告や交通広告を通じて改めて公開しました。

事前に行われた全国20〜69歳の男女1,000人を対象とした認知度調査では、キャラクター自体の認知度が9割を超える一方で、本名の認知度はわずか5.4%にとどまったとのこと。

この結果を受けて展開された広告では、「じゃじゃーん。本名です。意外と知らなかったでしょ? ずっとビオレママと呼ばれてきましたから」と、あけみさんが親しみやすく語りかけます。

続く文章では「家族想いなときもあるし、自分想いなときもある(中略)そんな全部がありのままのわたしなんです」と、等身大の胸の内がつづられています。

誕生当時から存在していた名前がほとんど知られていなかったという事実や、そこで語られる彼女の本音は、家庭内の「ママ」という役割に縛られ、個人の素顔が隠れてしまいがちな現実の社会を映し出すかのようです。

本施策は彼女を役割から一歩連れ出し、ひとりの人間として描き出すことで、「ありのままの存在」を肯定するブランドとしての姿勢を体現しています。

SNS上では、「本名があったなんて知らなかった」と衝撃を受ける声とともに、現代の母親たちの切実な共感の声が広がりました。

この熱量を受け止めるように、6月2日(火)からは完璧ではない日常のエピソードを募る「#わが家ありのまま図鑑 募集キャンペーン」がスタート。

生活者が主役となって等身大のリアルを共有し、お互いの姿を肯定し合える場を用意したことで、広告発信にとどまらない地続きのファンコミュニティが生まれそうです。

キャラクターの再定義を軸とした一連の試みは、「ビオレuは自分のありのままを肯定してくれる」という情緒的なつながりを育むきっかけになるでしょう。

親近感が信頼へと変わる一歩であり、情報過多の現代において選ばれ続けるための鍵になるかもしれません。

既存の資産を「多様性」という現代の文脈で再発信し、生活者に寄り添うアプローチは、これからのブランドコミュニケーションのひとつの指標となりそうです。

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