試して納得!販売促進につなげる企業のサンプリング施策事例まとめ

自社製品を配布することで、商品の認知度を高めて購買につなげていこうという試供品配布(サンプリング)。使ったことのないものでも実際に手に取って使用してみることで、印象が変わったり、購入リストに入れてみたりと直接的に受容を促すことで販売促進となることを目的としています。

施策実施の際のポイントは、配布の場所と受け取り率をいかに高めるかということですが、今回はサンプリングの仕方や合わせ技の施策に「技あり」と思わされるような直近施策10事例をまとめてお届けします。

1.無料配布の紙袋を「歩く広告」に。京都で「おみそやったら、ハナマルキ♪」キャンペーン実施

「おみそな~ら、ハナマルキ」のサウンドロゴでおなじみの味噌・醸造製品メーカー・ハナマルキは、「無添加減塩 追いこうじみそ 650g」(以下、追いこうじみそ)のさらなる拡販に向けて、2022年11月より京都で、サウンドロゴを京都仕様にした「おみそやったら、ハナマルキ♪」キャンペーンを実施。

2021年9月の発売以来、順調に売り上げを伸ばしている「追いこうじみそ」を、美食の都・京都でのプロモーションをきっかけに、さらなる認知拡大につなげたいと企画されたもの。約1ヶ月間にわたり、京都を代表する繁華街である四条通の商店街人気店9店舗にて、会期中に商品を購入した方を対象に、サンプリング限定サイズの「追いこうじみそ」を無料で配布しました。

ポイントは、「追いこうじみそ」を入れるオリジナルの紙袋。この紙袋は、思わず写真を撮ってSNSにアップしたくなるような商品名が際立つデザイン。京都市街地で購入者に持ち歩いてもらうことで「広告」となるように想定して作られています。この紙袋があるからこそ商店街での配布が活きています。

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2.受験生にしか見えない!? ZONe ENERGYが「赤シート」を活用した応援メッセージを掲出

エナジードリンクブランド「ZONe ENERGY」は、最後まで頑張る受験生を応援するために、受験生の必需品である赤シートを活用した“受験生にしか見えないメッセージ”を2022年12月より予備校が密集する渋谷駅・池袋駅にて掲出。また、掲出初日には渋谷・池袋の両駅にて赤シート&商品のサンプリングを実施しました。

今回の広告には、受験を乗り越えてきたOB・OGである、東大医学部卒業でYouTubeチャンネルSTARDY代表の河野玄斗さん、東京大学大学院修士課程修了で教育系YouTuberのヨビノリたくみさん、名古屋大学法学部に通う大学4年生で現在は弁護士(司法試験合格)を目指して日々勉強しているぴけさんの応援メッセージが掲載。飲む者を無敵のゾーンへと導く「ZONe ENERGY」らしく受験生を応援する内容となりました。

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3.凍った湖を横断する巨大冷蔵庫の中身とは?米冷凍ピザブランドの“恩返し”施策

辺境の在住者にとって日用品や食料品の調達手段を確保することは、時として文字どおり死活問題になります。移動手段が限られている場所であれば事態はより深刻で、まとめ買いなど対策をとる必要があります。

カナダ国境と巨大なウッズ湖に隣接する米ミネソタ州のAngle Inletはまさにそうした場所で、冬になると最寄りのスーパーマーケットにたどり着くために2度国境を超える必要がある土地です。

ミネソタを代表する冷凍ピザメーカーのFreschettaはそんなAngle Inletの人々の負担を少しでも軽減するため、凍結した湖の上を犬ぞりで縦断し、無料で冷凍ピザを配布する施策を実施しました。

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4.ビール好きへの挑戦状 チャレンジングなノンアルビール認知拡大施策

アサヒビールが近畿エリアで先行販売する「アサヒ ゼロ」の認知拡大と飲用喚起を図ることを目的としたバーを、2023年10月24日(火)から10月29日(日)までの期間限定で阪急梅田駅ビックマン前にオープンしました。

「アサヒ ゼロ」はアルコール分0.00%のノンアルコールビールテイスト飲料で、ビールを醸造した後、アルコール分を取り除く「脱アルコール製法」を採用。アルコール分0.00%でありながら本格的なビールらしい味わいと飲みごたえを実現しているのが特徴です。

「#ゼロの衝撃」をテーマにしたプロジェクトの一環として登場したこちらのバー。メニューは「アサヒ ゼロ」「アサヒスーパードライ」「アサヒドライゼロ」の3種の飲み比べセットで、それらは商品名が隠された状態で提供。“本物のビールを当てる”ゲーム感覚で飲み比べが楽しめるというもの。

これまでノンアルコールビールテイスト飲料を仕方なく飲んでいた人や、飲んだことがない人に向けて、新たな選択肢を提供したいとする同社。新商品への大きな自信を感じさせるチャレンジングな施策です。

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5.肌の悩み別ボタンを押して悩み解決? 自販機活用のメンソレータムBOXサンプリング

ロート製薬は、1975年から製造・販売を開始した「メンソレータム」ブランドによるリアルイベント「メンソレータム お肌のしんぱい自販機」サンプリングイベントを2023年10月に期間限定で実施。イベントは大阪のアトリウム広場と東京のJR東日本東京駅 スクエア ゼロにて展開されました。

「メンソレータム」ブランドは、発売当初より掲げる「やさしさ、ぬくもり、頼もしさ」というブランドコンセプトを大切にしています。「お肌を心配してくれるブランド」として人々の肌の悩みに寄り添いたいと思いから、今回のイベントでは巨大自販機「メンソレータム お肌のしんぱい自販機」が設置されました。

この自販機には“手の乾燥”や“くちびるの荒れ・皮ムケ”など、肌の悩みにちなんだボタンが配置。来場者は自身の肌悩みに合わせて自販機のボタンを押すことで、悩み解決におすすめの商品が入ったオリジナル商品ボックスをもらうことができるという仕組み。

歴史もあり、ブランドとしての認知度は高くても、今を生きるユーザーに選ばれ続けるためには、今もちゃんと悩み解決に活躍する製品を提供しているというPRは欠かせないもの。自販機とガチャガチャは人気施策ですが、そこにどんなメッセージを込めるかまで、が大事だと思わされる事例がありました。

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6.仁丹、ありやん? リブランディング特別企画で「タイムスリップ仁丹タクシー」が登場

森下仁丹が明治38年に発売した口中清涼剤「仁丹」。リブランディング特別企画として、2024年3月11日(月)~3月24日(日)の期間中、「#タイムスリップ仁丹タクシー」が東京都内23区、武蔵野、三鷹地区を走行しました。

今回の施策では、101台のタクシーが走行したほか、後方のサイドガラスやサイネージに広告を掲示する「Canvas車両」100台に加え、1台限定の「フルラッピング車両」が走りました。

フルラッピング車両には、昭和時代のタクシーの定番である「トヨタ クラウン」を採用。「銀粒仁丹」のパッケージカラーである「緑」と「金」でデザインし、両側面に「ジンタン、ありやん?」とインパクト抜群の関西弁キャッチフレーズを記しています。走行する101台のいずれかに乗車すると、運転手から「銀粒仁丹」を手渡しするサンプリング施策も実施しており、昭和時代の大阪でよく見られた光景を令和の東京でリアルに体験できます。

ノスタルジーを感じさせる昭和レトロが若者に人気のいま、森下仁丹が実施するリブランディング施策。昭和にタイムスリップした気分を味わうべく、タクシーへ乗ってみたくなる人も多いのではないでしょうか。「仁丹」に馴染みのない世代へ向けて、歴史ある商品の魅力をもう一度アピールする強い意志が伝わってくる事例となりました。

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7.永谷園が史上最多の24万人にロングセラー商品「あさげ」をサンプリングする理由とは?

永谷園は、発売から今年で50周年を迎えたロングセラー商品「フリーズドライあさげ」の簡便性やおいしさをより多くの人に体験してもらうべく、2024年3月上旬から全国の約24万人にサンプリングを行いました。

今回のサンプリングは、映画館80劇場、郵便局345局などに加え、プロの実演士を交えて、北海道、宮城、千葉、埼玉、大阪、愛知、広島、福岡の全国8ヵ所の商業施設でも実施。永谷園史上最多の約24万人に配布予定だそうです。

発売から半世紀のメモリアルイヤーを迎えた「あさげ」。商品のデザインを派手にリブランディングしたり、内容をリニューアルしたりする手法で販促を促すのではなく、ありのままのおいしさで勝負するところからは商品への自信が窺えます。商業施設や映画館など、老若男女が集まる場所でサンプリングを行うことにより「実はあさげを口にしたことがない……」という層にもアプローチを可能にする施策となっています。

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8.入国時からPR、チョコモナカジャンボが浅草でインバウンド向け2日間2万個サンプリング

森永製菓は、「チョコモナカジャンボ」のインバウンド需要を狙ったプロモーションとして、2024年3月16日(土)と17日(日)に東京・浅草寺にて大型サンプリングイベント「CHOCO MONAKA JUMBO Tasting Event」を開催しました。

1972年に「チョコモナカ」として誕生し、今年で52年目を迎える「チョコモナカジャンボ」。その魅力の1つである「パリパリッ」の食感を保つために、モナカへの水分の移行を遅らせるチョコスプレーを薄く均一に塗布する技術や、アイスは賞味期限がないにも関わらず、鮮度を重視して製造から5日以内を目安に出荷するなど、製造する中で多くのこだわりや技術があり、日本だから成しえるジャパンクオリティの商品です。

インバウンド需要の高まりを受け、あらためて訪日外国人の認知度を調査(ナビタイム調査・94名)したところ、商品を食べたことがある人は約28.7%しかいないことが判明。日本でしか食べられないジャパンクオリティである「チョコモナカジャンボ」を訪日中に一度でも味わってもらいたいと、今回のイベントを実施することに至ったといいます。

訪日外国人の多く訪れる浅草寺の宝蔵門でサンプリングイベント。意外にもこの場所でサンプリングイベントが開催されるのは今回が初ということです。事前に訪れたい場所、食べたいものなどリサーチしている訪日外国人に、入国直後からその存在を知ってもらう強力プロモーションも相まって、効果的に「チョコモナカジャンボ」という商品の存在を知ってもらい販促につなげる施策となっています。

外国人向けということで、忍者や着物姿といった和をイメージするビジュアルを多用。つい目に留めて、興味を持ってもらえる巧みな仕掛けといえそうです。

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9.キユーピー発・キッチンカー「ゆでたまスタンド」豪華試食・サンプリングの狙いとは?

キユーピーは、2024年4月に東京(渋谷)および大阪(梅田)で、キユーピーのたまごブランド商品の試食・サンプリングイベントを実施。イベントを通じて若年層との接点を増やし、商品の認知向上やトライアルの促進を目指すといいます。

殻のない味付きゆでたまごは、時間に追われる現代人でも手軽に栄養補給ができるところが魅力。「卵を食べると気分が上がる」若者へ実際に味わってもらう、豪華な試食の機会を提供しています。商品のクオリティに自信のある食品こそ、「試して納得して購入してもらう」手法が有効な販促につながるのかもしれません。

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10.ビオレu、自分好みにカスタムできる​“MY DESIGN HOLDER”サンプリングイベント開催!

花王株式会社のスキンケアブランド「ビオレu 」は、2024年3月19日(火)と20日(水)の2日間、渋谷の“SHARK COFFEE”にて、“MY DESIGN HOLDER”サンプリングイベントを実施しました。今回のイベントは、花王のボディウォッシュのつめかえ用をセットしてそのまま使える専用フォルダー(スマートホルダー)を自分好みにカスタムできるというもの。

イベントの背景には、多様な生き方が認められる現代において、繰り返し使える簡便でエコなスマートホルダーで自分らしさを表現してもらうことで、バスタイムをもっと楽しく過ごしていただきたいという思いがありました。

参加者は自身でデザイン、色、アルファベットをカスタマイズしたオリジナルのラベルを作成が可能。作成したラベルは、その場でスマートホルダーとセットでプレゼントされました。

さらに、ラベルをつけたボトルを店内フォトブースで撮影してSNSに投稿すると「ビオレu ボディウォッシュ つめかえ用」をプレゼント。お好みのスマートホルダーにビオレuのつめかえ用をセットし、自宅のバスルームですぐに使えるという嬉しい仕立てになっています。

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販売促進につなげる企業のサンプリング施策10事例

いかがだったでしょうか。施策のターゲット層にマッチした場所の選定や配布の前後に組み合わせられる取り組みなど、さまざま工夫が見て取れたと思います。

ただ、サンプリングするのではなく、その時にしか体験できないことを組み合わせる、サンプリング自体が話題作りになる仕掛けなど、商品や情報を届けるための工夫が重要なポイントです。販促の手前にどんなリーチを設定するかという視点が垣間見える施策事例のまとめとなりました。

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