「環境に取り組んでいます」で終わらせない 佐川急便が具体で見せた環境CMの実体
佐川急便は、環境課題への取り組みをテーマにしたTVCMをリニューアル。「CO2排出量可視化サービス」篇と「高尾グリーンハイスクール」篇を2026年7月8日(水)から全国で順次放映しています。理念を言葉で語るのではなく、実際に提供しているサービスと現場を見せる構成が特徴です。
脱炭素が経営課題のひとつとなるなか、環境対策の姿勢をCMで打ち出す企業も少なくありません。その一方、ただ「環境に配慮しています」という言葉だけでは、見る人の心に実感は残りにくいものです。
特に物流という排出量の大きい事業を担う佐川急便にとって、そのメッセージにどう手触りを持たせるかは、避けて通れない問いでした。

「CO2排出量可視化サービス」篇が映すのは、荷物1個単位でCO2排出量を算定し、レポートとして届けるサービス。目に見えない環境負荷を数値の形に変え、顧客の削減行動へとつなげています。
漠然とした「エコ」ではなく、取引先が実際に使える道具として環境対応を描いている点が要になっています。
もう一方の「高尾グリーンハイスクール」篇は、同社が東京都八王子市に保有する「高尾100年の森」を舞台にします。この森をフィールドとして開放し、次世代が環境や生態系を調査・研究しながら学ぶ場を用意する取り組みです。
守る対象としての自然にとどまらず、人を育てる場所として森を差し出す姿勢が映されています。
2篇に共通するのは、抽象的な理念を具体的な視点に落とし込んでいる点。CO₂の可視化は「削減」という掛け声を数値という手触りに置き換え、環境人材育成は「未来のため」という言葉を森という実在の場所に結びつけます。
掲げるスローガンではなく、すでに動いているサービスと現場を映すからこそ、環境メッセージに実体が伴っているといえるでしょう。

佐川急便は「今までもこれからも、お客さまと共に環境課題の解決へ挑み、そして誠実に着実に、一歩一歩未来へ歩んでまいります」と掲げます。その言葉を、可視化という道具と森という現場で裏づけたのが今回のCMです。
CSRを美しい理念で終わらせず、検証できる具体策で示す。環境や社会貢献を発信するすべての企業にとって、学びのあるCM事例といえるでしょう。
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