同じ名前でつながるバルたち Heinekenが仕掛けるスペイン文化再生の戦略
スペイン各地に点在する、同じ名前を持つバルたち。これまで交わることのなかったそれらをつなぎ直したのが、Heinekenの「Tocayos」キャンペーンです。
「Tocayos」とはスペイン語で「同じ名前を持つ者同士」を意味する言葉。スペイン国内には「Bar Pepe」や「Bar Paco」など、同じ名前を掲げるバルが数多く存在していますが、これまで横のつながりはほとんどありませんでした。
本キャンペーンは、それらをひとつのコミュニティとしてつなぎ、ノウハウの共有や共同プロモーション、トレーニングの機会を提供する仕組みを整えています。
背景にあるのは、スペインのバル文化の変化です。バルは人々が集い、日常的に飲食を楽しむ社交の場として長く親しまれてきました。
しかし、コロナ禍以降の生活様式の変化や、若年層の飲酒離れなどの影響により、客足の減少や経営の厳しさが顕在化しています。こうした状況の中で、個々の小規模店舗が単独で生き残ることは容易ではありません。
そこでHeinekenは、新たな価値を一から生み出すのではなく、すでに存在していた“同じ名前”という共通点を軸に、バラバラだった店舗同士をつなぎ直しました。
個店では弱かった存在が、ネットワークとして機能することで、情報・集客・ブランド力の面で新たな強さを持ち始めます。
一見すると地域文化を支援するCSRのように見えますが、その本質は極めてビジネス的です。バルという販売チャネルが衰退すれば、ビールの消費機会そのものが減少します。
つまりこれは、小規模店舗を支援することで、自社の流通基盤を守るための投資でもあります。
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