青森で廃棄されるホタテ貝殻を活用、雪かきスコップや観光型公園へ 新プロジェクト始動
株式会社TBWA HAKUHODOは、甲子化学工業株式会社、株式会社山神と共同で、水産系廃棄物である貝殻を再利用した新素材「SHELLTEC(シェルテック)」を活用し、雪かき用スコップ「HOTASCOOP(ホタスコップ)」と観光型公園「HOTAPARK(ホタパーク)」を企画しました。
これらは、青森県と株式会社eiiconが実施する、あおもりオープンイノベーション共創プログラム「AOMORI OPEN INNOVATION PROGRAM 2024 Blue Ocean」の一環として構想されたもの。青森県では年間約5万トンのホタテの貝殻が排出されており、その多くが産業廃棄物として処理されています。ホタテ貝殻廃棄問題の解決と地域活性化を目指すプロジェクトとして、2025年2月21日(金)にコンセプトイメージが発表されました。
SHELLTECは、これまで捨てられてきた貝殻と廃棄プラスチックやコンクリートなどを組み合わせて作られた素材。新品のプラスチックを100%使用する場合と比べ、最大36%のCO2削減効果があり、強度(曲げ弾性率)も約33%向上しています。環境負荷を低減しつつ強度も確保されており、これまでにはヘルメットなどにも活用されてきました。
豪雪地帯である青森県では、雪かきが住民にとって大きな負担となっています。一般的な雪かき用スコップはプラスチック製が多く、壊れやすいため、多くの家庭で廃棄されているのが現状。そこで、身体への負担を軽減し、地域のもので壊れにくいスコップが作れたらという想いから、ホタテ貝殻を活用したスコップスコップが誕生しました。今後はテスト開発を進め、商品化を目指していく予定です。
さらに、青森県の未来を担う子供たちのために、ホタテの廃棄貝殻を利用した公園「HOTAPARK」の設置構想も発表。廃棄物の削減と資源の循環利用を促進するだけでなく、地域の新たな観光資源としても貢献することを目的に、青森市内への建設を目指してプロジェクトが進んでいます。
青森県で廃棄されるホタテの貝殻に着目した今回の取り組み。壊れにくい雪かきスコップや新たな観光施設の構想を通じて、「廃棄物」ではなく「資源」として活用するアイディアが生まれました。環境への配慮やアップサイクルの視点に加え、ホタテの貝殻ならではの強度やリブ構造のデザインなど、素材の特性を上手に生かしているCSR事例でした。
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