夏の飲食・食品販促・マーケティング事例10選|暑さを売上につなげる施策まとめ
夏本番を前に、生活者の関心は暑さ対策だけでなく、「夏を元気に乗り切る体づくり」「疲れにくい生活習慣」「スタミナ・栄養補給」へと広がっています。
本記事では、2026年のPR TIMES掲載事例をもとに、夏本番前の生活者インサイトを捉えた販促・マーケティング施策をまとめました。
¥1.相反するニーズを「オン飯⇔オフ飯」として商品提案 味の素の猛暑食トレンド発表

味の素株式会社は2026年5月、生活者の食行動データやレシピ検索動向を分析した「2026年夏猛暑食トレンド」を発表しました。
調査によると、約8割が夏の調理をつらいと感じる一方で、夏場は刺激的で満足感がある料理レシピの検索数が伸長する傾向にあるといいます。
そこで同社は、そうめんや冷やしメニューなど、火を使わなかったり短時間で準備できる料理を「オフ飯」、麻婆豆腐やエスニック料理など刺激的で満足感のある料理を「オン飯」と定義しました。
その日の暑さや気分に応じて切り替える新しい食スタイル「夏のオン⇔オフ スイッチメシ」を打ち出し、自社商品やレシピを紹介しています。
検索動向や食卓出現頻度などの客観的なデータを用いて生活者の悩みを裏付け、オンオフといった身近な言葉を用いて具体的な解決策を提示しました。
総合食品メーカーとしての幅広い商品群を活かしながら、猛暑という社会状況に寄り添い、商品の訴求と生活者への啓発を両立させたプロジェクトです。
2.冬の定番で夏需要を開拓 森永製菓「甘酒×入浴」暑熱順化啓発プロジェクト

森永製菓株式会社は、熱中症予防声かけプロジェクトと連携し、「おふろde暑熱順化」に賛同した啓発活動を開始しました。
有楽町や兵庫県新温泉町で「冷やし甘酒」を計1,500本配布し、暑熱順化と熱中症対策の普及を図ります。
今回の取り組みは、熱中症対策そのものではなく、その準備段階として注目される暑熱順化に焦点を当てました。
専門家のコメントを用いて、暑さに体を慣らす方法の一つとして入浴が有効と示し、その前後の水分・塩分・エネルギー補給に甘酒を推奨しています。
甘酒は冬の飲み物という印象が根強い一方で、冷やし甘酒として夏の需要創出を図る狙いもあるようです。
また、2011年から続く官民連携プロジェクトや、全国92自治体が参加する暑熱順化啓発活動と連動していることで、単独の販促企画にとどまらない広がりも生まれています。
社会的な啓発活動を通じて、商品のニーズを広げる事例です。
3.キャラクターIPとSNSを駆使 「菌活」で夏の消費を促すホクト販促

ホクト株式会社は2026年5月11日(月)から、「夏を元気に!きのこで菌活キャンペーン」を開始しました。対象はホクトの生鮮きのこ全商品で、レシート応募やSNS参加を通じて、合計1,050名に景品が当たります。
プレゼントには産地直送のきのこセットに加え、同社の人気商品「ブナピー」をモチーフにしたぬいぐるみ型エコバッグを用意。購入促進だけでなく、キャラクター資産を活用した話題づくりも図っています。
キャンペーンでは「菌活」というキーワードを夏向けに活用。きのこといえば鍋料理など秋冬のイメージもありますが、本キャンペーンでは「夏を元気に」というテーマを掲げ、暑さ対策や健康維持への関心と結び付けています。
また、LINEでのレシート応募とXでのフォロー&リポスト企画を併用し、購買促進とSNS接点の拡大を同時に狙う設計となっています。
季節需要が強くない商材でも、健康意識やキャラクター人気を掛け合わせることで話題化を図った取り組みです。
4.食べ残し問題を解決 エルラインが着目した「自ら手が伸びる」熱中症対策ゼリー

建設業向け工事事業を展開する株式会社エルラインは、職人向けのエナジー塩ゼリー「REVO BOOST」を、2026年5月7日(木)に発売しました。
熱中症対策とエネルギー補給を目的に開発された商品で、アルギニンやクエン酸、BCAAなどを配合しています。
この商品の特徴は、成分ではなく現場の行動実態から開発が始まっている点。
同社は、多くの現場で支給される塩タブレットや塩飴が食べ残される一方、エナジードリンクは日常的に飲まれていることに着目。「健康に良いから食べる」ではなく、「自分から手が伸びる」ことを目指しました。
2025年には熱中症対策の一部が義務化され、建設業は職場の熱中症死傷者数が特に多い業種として対策強化が求められています。
そのなかで同社は、現場監督が配布しやすく、職人も受け取りやすいパッケージやサイズ感を採用。カフェインフリー設計とすることで、エナジードリンクとの差別化も図っています。
社会課題に対応する商品開発では、機能の高さだけでなく実際に利用されるかどうかも重要でしょう。現場の声を起点に、熱中症対策を再設計した取り組みです。
5.さっぱりとスタミナでメニューを分類 得得「夏限定メニュー」

株式会社家族亭が運営するうどんチェーン「得得」は、2026年5月22日(金)より「夏限定メニュー」と「夏のお得なランチメニュー」の販売を開始しました。
平年を上回る猛暑が予想されるなか、夏の暑さに負けない食事の提案として企画されています。
今回の商品はさっぱり系の「彩りうどん」「細うどん」と、スタミナ系の「スタミナメニュー」「うなぎ」の計4つの切り口でメニューを分類しました。
暑さで食欲が落ちる日も、しっかり元気をつけたい日も、顧客の多様なコンディションに対応できるラインアップとなっています。
また、季節限定商品を投入するだけでなく、土日祝日を含め毎日15時まで利用できるランチセットを用意。期間限定の魅力とお得感を組み合わせることで、来店動機の創出を図ります。
近年は猛暑を背景に、夏向け商品にも涼しさだけでなく元気やスタミナが求められる傾向があります。生活者の異なるニーズを一度に取り込みながら、季節商戦を展開する事例です。
6.うなぎ商戦を前倒し、春から夏にかけて強化 「土用の丑」戦略

鮮魚専門店を展開する角上魚類ホールディングス株式会社は、2026年4月、春の土用に向けて全店でうなぎ商品の販売を強化するキャンペーンを実施しました。
土用の丑の日といえば夏の風物詩として知られています。2026年夏の土用丑の日は7月26日(日)ですが、同社は春の土用に着目。新生活の疲れが出やすい時期にうなぎを提案することで、夏本番前から需要を喚起します。
施策の目玉は、昨年話題となった「角上うなぎおにぎり」の再販売。手のひらからはみ出す大きさに加え、表面だけでなく中にも刻んだうなぎを入れた満足感の高い商品で、SNS映えする見た目も特徴です。
あわせて店頭では国産うなぎの蒲焼きや肝串などを展開し、全店舗にうなぎ専用コーナーを設置しました。
夏の土用に集中しがちなうなぎ需要に対し、春に季節の変わり目という新たな消費機会を提案し、春から夏にかけての需要を高める販促事例です。
7.初夏の疲労をスタミナで解決 武蔵野うどん小麦晴れの新メニュー

オリジン東秀株式会社が運営する「武蔵野うどん小麦晴れ」は、2026年5月20日(水)から初夏を乗り切る新メニュー3品の販売を開始しました。
今回登場したのは、「冷やし胡麻豆乳担々つけ汁うどん」「塩豚おろしぶっかけうどん~にんにくマヨ付き~」「スタミナにんにく牛もつ旨辛つけ汁うどん」。
各商品には、にんにくや豚肉、牛もつなどの食材を使用。冷たさや辛さによる食べやすさと、スタミナ感のある味わいを両立したラインアップです。
暑さ対策だけでなく、疲労感やスタミナ不足への関心に着目。さっぱり系に偏りがちなうどんですが、体力維持や活力チャージへのニーズを捉えた商品展開となっています。
8.飲食でも季節感を演出するイケアの夏限定メニュー

イケア・ジャパンは2026年6月4日(木)から、全国のイケア店舗でスタミナ感や爽やかさを取り入れた「夏の限定メニュー」を販売します。
目玉商品は、イケアで人気のチキンレッグに初登場の特製ジンジャーソースを合わせた「チキンレッグ 特製ジンジャーソース」。
そのほか、ヤンニョムチーズソースを使用したサーモンフィレやプラントボール、ピリ辛の「サルサ&チップス」、サルサドッグなど、夏らしい味わいの商品を揃えました。
辛味や生姜、ライムなど、暑い季節に食べたくなる要素を複数の商品に横断的に取り入れ、肉料理だけでなくプラントボールやサーモンも用意することで、植物由来のヘルシーさと旨辛による満足感を両立させています。
家具やインテリアを目的に来店する顧客に対し、季節限定の飲食体験を提供することで来店価値を高めるイケアの取り組み。夏の不調や食欲低下といった季節課題を切り口に、フードメニューを通じて来店動機を創出する事例といえそうです。
9.温泉と限定メニューで来館を喚起 大江戸温泉物語のスタミナ&涼感バイキング

大江戸温泉物語グループは2026年7月1日(木)から、全国の対象施設にて期間限定の「贅沢スタミナ&ひんやり夏グルメバイキング」を提供します。
厳しい暑さが予想される夏に向けて、旬の素材を活用した食事で利用者の元気をサポートする目的のもと企画されました。
メニューには、穴子の天ぷらやうなぎの握りといった活力を補給するスタミナグルメと、冷製カッペリーニやトウモロコシの冷製玉地蒸しなどのひんやりグルメの両方が揃っています。
温泉で火照った体を優しく癒すさわやかな味わいから、しっかりとした食べ応えまで、利用者のその日の体調や気分に合わせて自在に選べる構成です。
温泉施設というリラックスの空間において、季節特有の身体のニーズに寄り添った食事の選択肢を幅広く用意することで、来館時の体験価値をより高める工夫が見られます。
主軸である温浴の魅力に食事の楽しさを重ね合わせ、夏場の利用満足度を広げる取り組みといえるでしょう。
10.郷土料理「冷や汁」を夏の定番へ再定義 マルコメ新商品の価値を発売前に検証

料理SNS「Snapdish(スナップディッシュ)」を運営するスナップディッシュ株式会社は、マルコメ株式会社が2026年春に発売した新商品「あごだし香る 冷や汁の素」の発売前モニター調査を実施しました。
宮崎県の郷土料理である冷や汁は、認知度の高さに対して日常の食卓に上る頻度が低い傾向にあります。
そこで、発売前に料理関与度の高いユーザーへ体験の機会を提供し、潜在的なニーズや活用シーンを検証する目的でこの企画が動きました。
結果によると、普段はほとんど食べない層が約7割を占めた一方、試食後の購入意向も約7割にのぼる数値となりました。
支持された理由として「好みの具材を追加できる」が最多となり、ユーザーの投稿からも、麺類への展開や洋風アレンジといった多様な楽しみ方が可視化されています。
認知のギャップをデータで裏付け、郷土料理を万能な夏の定番メニューとして再定義する兆しを発売前に捉えた点に注目できます。
馴染みの薄い商品カテゴリーでも、事前の調査と実際の試食を通じて新しい需要を掘り起こせる可能性を示しています。
夏の飲食・食品販促・マーケティング事例10選まとめ
2026年の夏本番を前に、生活者のインサイトを捉えた飲食・食品マーケティングの取り組みを振り返りました。
共通しているのは、単に冷感や涼しさを訴求するだけでなく、調理負担の軽減や健康管理、需要の前倒しといった多角的な切り口で生活者の心理に寄り添っている点です。
さっぱりとスタミナといった二極化する食ニーズへの対応や、異業種における接点を活かした食体験の提供など、自社の強みを季節の課題に合わせて再定義する工夫が光りました。
また、客観的なデータを用いて潜在的な需要を発売前に可視化する試みも、有効なアプローチとして印象的です。
生活者が夏を元気に乗り切るための具体的な解決策を提示することが、オフシーズンの需要喚起や新たな購買動機の創出へとつながりそうです。
その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/
記事をブックマークする
記事をブックマーク済み
0