「女の子の顔」を描いたサッカーボールに込められた思いとは？

ブラジルのNIKEがサッカーに打ち込む少女たちを応援するために用意した、女の子の顔が描かれたサッカーボール。これは、「少女たちにサッカーを楽しむ機会を作りたい」という女子サッカーブラジル代表、アンドレッサ・アウベス選手の願いを反映したものです。

アウベス選手が語った自身の幼少期の体験によると、彼女は子どもの頃からサッカーが大好きだったにもかかわらず、「女の子だから」という理由で、ボールではなく人形ばかり与えられたそうです。

そこで考えたすえ彼女が出した結論は、人形の頭を引っこ抜きボール代わりに使うというもの。少し手荒な手段ではありますが、まわりから示される男女のステレオタイプに屈することなく、サッカーに対する情熱を持ち続けた彼女は、後に世界トップレベルの選手へと上り詰めたのでした（このストーリーを映像化し、2019年にYouTubeで公開したNIKEの動画は大きな反響を呼びました）。

あえて人形の顔を描くことで「女の子らしさ」を求める世の中の現状にスポットを当てたこのボールは、SNSでたちまち話題に。アウベス選手の「子どもたちには、好きなサッカーを思いっきり楽しんでほしい」という願いとともに、広く拡散されました。