不倫と裏切りを映すミラー?フォルクスワーゲンの“二度見設計”広告
一見すると、よくある車の安全機能を紹介する広告。しかし、よく目を凝らすと、その印象は大きく変わります。
フォルクスワーゲンがボリビアで展開した「Unexpected Affairs」(予想外の関係)は、サイドミラーに映る“ある違和感”によって、見る者に二度見を促す設計の広告です。
訴求しているのは、ブラインドスポットモニター。死角にあるものを検知し、「見えないものを見えるようにする」機能ですが、広告のビジュアルに映し出されているのは、後方の車ではありません。
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「your boss」(あなたの上司)「your ex」(元恋人)「your best friend」(親友)といった関係性を伴った人物たち。そしてその関係性から想像されるのは、不倫や裏切りといった“見えてはいけない光景”です。
一見しただけでは気づかず、気づいた瞬間に意味が反転する――この“二度見設計”によって、見る者は思わず細部まで確認したくなります。
コピーは「Shows you what you never saw coming」(予想もしていなかったものを見せる)。本来は死角の車両を検知する機能の説明ですが、この広告ではその言葉の意味を人間関係の裏側へと大胆に拡張しています。
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この表現が成立している背景には、ラテン文化における愛情表現のオープンさがあります。公共の場でも親密な振る舞いが珍しくないからこそ、「ありえない話」ではなく「もしかしたらありえるかもしれない」と感じさせるリアリティが生まれています。この絶妙な距離感が、ユーモアと説得力を両立させています。
日本であれば、不倫や人間関係の裏側をテーマにした広告はコンプライアンス上の問題になりかねず、まず実現が難しいでしょう。しかし海外では、こうしたブラックユーモアや人間の本音に踏み込んだ表現がクリエイティブとして成立するケースも少なくありません。
機能をそのまま説明するより、文脈を変えて“体験させる”方が記憶に残る。本広告は、ターゲットの文化や日常のインサイトを深く理解したうえで、コピーとビジュアルを設計することの重要性を改めて示しているといえそうです。
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