研究成果を公共性に転換 国立科学博物館の発信設計
独立行政法人国立科学博物館は、東京都心で繁殖するスズメやハシブトガラスといった7種の鳥類を対象に、人が近付いたときに逃げる距離(逃避開始距離)を測定し、それを本来の生息環境である茨城県の農村地帯に住む同種個体と比較研究を行いました。

その結果、7種すべてで東京の個体のほうが逃避開始距離は短く、都市環境では鳥類の警戒行動が低下している可能性が示されました。さらに、その差は各種が東京に定着した時期とは関連せず、比較的短期間で生じた行動変化であることも示唆されています。

本取り組みの特徴は、「都会の鳥は人に慣れている気がする」という生活者の体感を、定量データで可視化した点にあります。専門性の高い研究テーマでありながら、スズメやカラスといった身近な存在を切り口にすることで、日常感覚と科学を接続。研究成果を社会と共有する設計が見て取れます。
また、研究成果をわかりやすい言葉で発信することで、都市の課題を科学で解く場所=国立科学博物館という立ち位置を幅広い層にアピールしています。生活者にとって身近な題材を取り上げることで、興味関心を喚起し、サイトの閲覧や博物館への来館にもつながりそうです。
さらに、「野生動物との軋轢」や「給餌・撮影のあり方」など社会的論点にも接続できる題材を取り上げることで、公共性の高い話題で信頼を積み上げる効果も見込まれます。
研究結果という、博物館の持つ唯一無二の資産を活用し、わかりやすい言葉と親しみやすいテーマを取り上げることで、結果として博物館の認知や間口の拡大に貢献している研究だといえるでしょう。
研究という独自資産を、生活者の実感と結びつけて提示することで、日常にあるを「科学で読み解く拠点」というパブリックな役割を自然に印象づけています。
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