地域貢献を“日々の農作業”へ 女子サッカー・ヴィアマテラス宮崎がぶどう園を継承
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構は2026年9月1日(火)、女子サッカークラブ「ヴィアマテラス宮崎」によるぶどう園の事業承継について発表しました。約50年続く「竹村ぶどう園」を引き継ぎ、「しんとみぶどう園」として2026年シーズンから運営しています。
2026年7月下旬から収穫と販売を開始し、現在は栽培する7品種のほとんどが収穫・販売の最盛期を迎えているとのこと。販売場所は、ぶどう園での直売を含む町内3ヵ所です。

ヴィアマテラス宮崎が掲げるスローガンは「地域の花になれ」。活動理念にも、スポーツを通じて活気ある街づくりに貢献することを掲げています。
竹村ぶどう園は、生産者の高齢化や担い手不足を背景に継続が難しくなっていました。その歴史と想いを未来に残すため、新富町を拠点とするヴィアマテラス宮崎が、新たな担い手として事業を引き継ぎました。
注目すべきは、単発のイベントに頼るのではなく、ぶどう園の事業運営そのものを地域社会との継続的な接点として位置づけている点。前園主から栽培や管理の技術を承継し、選手たちも日々のトレーニングや試合と両立しながら農作業に参加しています。
承継初年度は、摘粒作業が予定より約2週間遅れたり、2026年6月初旬の台風でハウスの被覆材が破れたりする場面もありました。
それでも作業内容をノートに記録し、工程を見直しながら対応しています。華やかな地域イベントだけでなく、天候や作物の生育に左右される日々の作業まで引き受けていることからも、継続を前提とした関わりであることが伝わります。

ヴィアマテラス宮崎の取り組みは、スポーツクラブが試合やイベントの場だけで地域と関わるのではなく、地域に根付いた事業そのものを引き継ぎ、日々の仕事を通じて関係を築いていく新しい地域連携の形といえます。選手が農作業に携わり、SNSで発信し、販売まで担うことで、ぶどう園を「地域の資産」から「クラブと地域をつなぐ接点」へと変えています。

農業の担い手不足とアスリートのセカンドキャリアという異なる課題を、事業承継という一つの取り組みで重ねている点も特徴です。競技以外の仕事を地域との接点として育てることで、選手が現役を終えたあとも地域に関わり続ける可能性をつくっています。
スポーツの力を「人を集める力」だけでなく、「地域の仕事を引き受け、次の担い手を生む力」へ広げた事例として、今後の地域クラブのあり方を考えるうえでも参考になるでしょう。
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