ゴールデンウィーク(GW)に話題になったマーケティング・集客事例10選
ゴールデンウィーク(以下、GW)は期間限定のポップアップや1日限定のイベントなど、希少性をフックに外出を促すだけでなく、自宅でまったり過ごす人向けのキャンペーンも話題となります。
本記事では、2025年のGWに話題を集めたPR・マーケティング施策を10事例ピックアップ。大型連休のイベントや企画のヒントとなる視点を紹介します。
1.「推し活」層を動かすアンバサダー戦略

「宗家キムチ」など韓国食品を取り扱う日本法人・大象ジャパンが、東京・原宿でポップアップイベント「Kimchi Blast Tokyo 2025」を開催。アンバサダーにアイドルグループSEVENTEENのHOSHIさんを起用した推し活要素だけでなく、日本独自レシピを漫画で提案しました。
日本、海外との関係性やブランドストーリーをビジュアルで提示し、漫画ゾーンでは、レシピやブランドストーリーを紹介。文字情報だけでは伝わりにくい発酵や活用術をエンタメコンテンツとして展示し、商品への認知を深めました。
推し活層を対象としては、HOSHIさんの写真と一緒に記念撮影ができるフォトブースの設置のほか、カードセットなどのノベルティを配布。希少性を高めることでファンの熱量を向上させ、実際足を運ぶ行動を誘導しました。
本イベントは、食品のプロモーションでありながら、喫食体験を提供していません。味覚に頼らず、「推し活」「漫画」を掛け合わせたアプローチを実行することで、ブランド・アイデンティティの浸透を狙ったようです。
2.ピザ半額祭&最大20%還元祭 2つのキャンペーンでリピーター誘発

最大11連休となった2025年のGW。株式会社出前館では、期間中、ピザを手軽に楽しめる「ピザ半額祭」と、期間中の注文合計金額に応じてクーポンがもらえる「最大20%還元祭」の2つのキャンペーンを実施しました。
「ピザ半額祭」では人が集まるパーティー需要に合わせ、シェアしやすいピザをフックに新規獲得や利用を促進。「20%還元祭」では、大型連休ならではの出費疲れや家事疲れを見越し、次回の注文につながる還元ポイント・クーポンを提示しました。
期間中に2つの施策を実施することでリピート利用を促進。外食には消極的でも、「家での食事は贅沢したい」という消費者の欲求を肯定するメニューとして商品を提案し、半額やポイント還元というポジティブなメリットを生活者に提示。罪悪感なく注文できる環境を整えました。。
家事から解放されたい願望と、物価高による出費を制限しなければいけない現実。この相反する生活者の課題にアプローチするキャンペーンです。
3.進学塾が「サボり」を肯定するキャンペーン

学習塾にとって長期休暇は、特別講習や総復習など「学習時間の最大化」を謳うべき書き入れ時。個別指導「明光義塾」を展開する株式会社明光ネットワークジャパンは、GWをゴロゴロする休暇と再定義し、リフレッシュを推奨する期間として打ち出しました。
同塾は、SNSキャンペーン「サボローのゴロゴロウィーク」を実施。サボローとは、勉強をがんばる子どもたちをあの手この手で誘惑するオリジナルキャラクターです。公式Xアカウントのフォローやリポストで、ぬいぐるみなどの限定グッズが当たる企画を実施しました。
キャラクターを通じて、勉強をサボりたい気持ちとの向き合い方など、同塾のスタンスを、具現化しました。教育ブランドが、本来対極にあるはずの「サボる」という概念をキャラクターするという遊び心のある余裕を感じさせる意外性がインパクトを残します。
4.電子書籍ストアが考案した「おじさんパラダイス」とは?

電子書籍ストア「ブックライブ」を運営する株式会社BookLiveは、おじさんが活躍する作品が最大50%OFFとなるキャンペーン「おじさんパラダイス」を実施しました。
中高年の再挑戦や枯れ専(渋い男性への愛好)をテーマにした作品が人気を集める中、個々に存在していた作品群を「おじさんパラダイス」というキャッチーな名称でひとつのジャンルとして設定。コアなファン層のパッケージ買いを促進しました。
また、キャンペーンを第1弾から第3弾まで内容を切り替えながら実施することで、連休中に何度もサイトを訪れる動機を創出。さらに、特定の出版社の作品を全作品50%OFFというディスカウントを行うことで、新規ユーザーの獲得につなげました。
加えて、双方向の体験型コンテンツ「おじさんクイズクエスト」を同時開催。日替わりクイズというゲーム要素を加えることで期間中の離脱を防ぎ、毎日サイトを訪れる習慣を誘発しました。
ジャンルの独立させディスカウント期間を設置、ゲーム要素を付加させるという複合的なアプローチで、自社ストアへの集客につなげた販促事例です。
5.ハズレなし+インスタントウィン形式のSNS懸賞で来店を促す

SRSホールディングス株式会社が運営するそば和食チェーン「家族亭」は、SNSを活用したキャンペーンを実施。特徴は、結果がその場で分かるインスタントウィン形式を採用した懸賞です。
公式SNSのフォローとリポストで生活者が手軽に参加できる機会を設定。食事券に当選しなかった参加者にも、わらび餅サービスクーポンを付与する「ハズレなし」を用意しました。デジタルで接点を作り、店舗での体験を提供します。来店するきっかけを創出することで、実店舗の売上へとつなげました。
また、連休中に「少し贅沢したい」という生活者に向けて、うな重セットや天ぷら盛り合わせ付きセットなど華やかなメニューをおすすめとして提示。繁忙期に通常より単価の高いメニューを提案することで、全体的な売上増加を狙いました。
公式アプリ、モバイルオーダー、そしてデジタルお食事券という、一連のデジタル体験を統合することでオペレーションを効率化。顧客データの蓄積など、将来的なデジタルマーケティングの土台作り強化としての狙いも感じられます。
6.旅行欲を可視化 潜在ニーズを掘り起こす市場調査に

WiFi事業など展開する株式会社ビジョンと、キヤノンマーケティングジャパン株式会社は、「人と人をつなぐ。」「世界をつなぐ。」をテーマに「#行ってみたい国投稿キャンペーン」を企画。旅の思い出づくりに役立つミニフォトプリンターと旅行券を商品としたプレゼントキャンペーンを実施しました。
海外WiFiレンタルとミニフォトプリンターという異なるカテゴリーの2社が行ったキャンペーンは、Xにハッシュタグをつけて「行きたい国の名前を投稿するだけ」という気軽に参加できる内容。旅行券と、思い出を印刷プリンターという実際の旅行を連想させる景品設計です。
生活者の旅の欲求を可視化することで、将来の顧客のニーズを把握するという市場調査のマーケティングを兼ねた施策であることもうかがえます。
7.巣ごもり需要を狙った「無料ぬりえ」で認知拡大

手軽にアートを完成させる達成感が魅力の「ぬりえ」。紙製品メーカーの株式会社マルアイは、物価高や円安の影響で長期休暇が「巣ごもり傾向」にある社会背景を捉え、SNS投稿キャンペーン「NuRIE大賞mini」を開催しました。
同企画の参加者は、専用ぬりえを無料でダウンロードし、完成作品をSNSに投稿。ハッシュタグを通じて、ファン同士のコミュニティ活性化も促しています。
遠出を控えるという消極的な動機をおうち時間の充実というポジティブな目的に転換し、低コストで満足度の高い体験価値を提供。年間4回の継続開催を予定することで、「休暇には家でぬりえを楽しむ」という新たなライフスタイルを定着させる狙いがあります。
購入後の使用状況が把握しにくい紙製品において、手軽なデジタル体験をフックに接点を作り、ブランドの認知拡大とファン育成を両立した事例です。
8.ダジャレの展示で五感を刺激する没入体験

株式会社E-VENTが2025年のGWに企画したのは、ツッコミどころ満載の展示イベント「大阪わんぱく」。会場には「ナスの地上絵」や「タコ足配線」など、直感的に理解できるダジャレを具現化した展示物が登場。
笑いを世代や国籍を問わず楽しめる共通言語として機能し、デジタル時代にリアルに体験できる空間を提供しました。単なるパネル展示や写真スポットだけでなく。実際に五感で体験するコーナーを設置。複数の感覚を刺激し、来場者を飽きさせない工夫を施しました。
同時期に開催が始まった「大阪万博2025」も彷彿させるネーミングや、「失敗写真館」のように、負の資産をエンタメに昇華させるプログラムなど、オリジナル性に富んだ体験を用意することでイベントの満足度を高め、SNSでの拡散も狙いました。
「本気のくだらなさ」を圧倒的な熱量で形にし、「笑い」という最強のフックで話題性を提供し、集客につなげました。ネタ要素を随所に配置した体験型エンターテインメントの事例です。
9.GWを灰色に染める ウマ娘の広範囲戦略

ゲーム、アニメ、漫画、音楽と多角的なメディアミックスで圧倒的な支持を集める『ウマ娘 プリティーダービー』。開発・運営を担う株式会社Cygamesは、毛色の共通点に着目した「Gray Weekキャンペーン」を開催しました。「ゴールデン(金)」を「グレイ(灰)」へと反転させる言葉遊びを起点に、葦毛(あしげ)のキャラクターを主役に据えた広範囲にわたる施策を実施しました。
最大80連無料ガチャというインセンティブと、アニメや音楽による多層的なエンタメ体験をシームレスに結合。YouTubeでの新作アニメ配信、音楽プラットフォームでの楽曲リリース、複数媒体での漫画連載、そして趣向を凝らしたTVCMの放映など、あらゆるチャネルで同時多発的にコンテンツを投下しました。各メディアが相互にトラフィックを送り合うエコシステムを構築することで、連休中のマインドシェア独占を狙った施策です。
また、アニメなどでは小さなキャラクターたちの親近感を形成する一方で、TVCMや楽曲では“渋さ”や“クールさ”を打ち出すなど、IPの多面性を提示。既存ファンにはエンゲージメントの深化を、新規層にはブランドの質の高さを印象づけました。
「Gray」という言葉の響きをポジティブな価値へと転換し、単なるゲーム内イベントを超え、多岐にわたるプロモーションでひとつの祭事へと昇華させました。IPのポテンシャルをさらに上昇させたマーケティング事例と言えます。
10.レプリカ展示で可能にしたペット共生施策

合同会社ツタンカーメンプロジェクトは、横浜で開催中の「体感型古代エジプト展」において、ゴールデンウィーク限定企画「ツタン“ニャー”メンデー」を実施しました。
作品保護の観点からペット同伴が困難な展示会。本施策では、古代エジプトでは猫や犬が神として崇められていたという歴史的文脈をフックに、イベントとしての説得力を高め、レプリカを展示することでペット同伴を可能としました。実物の国宝級遺物では不可能なペットとの共生という自由度の高い体験を実現しました。
入館時はケージ・カート利用を義務付ける一方で、フォトチケットの購入で設置されたフォトスポットでの撮影を可能に。コスプレアイテムの貸し出しによってSNS投稿を促し、飼い主同士のコミュニティ形成も誘発しました。
子どもにも認知できるかわいいビジュアルで注目を集め、「ツタン“ニャー”メン」「ツタン“ワン”メン」というポップなネーミングで親しみやすさを演出。ペットを主軸にすることで、敷居の高い学術的な展示に、既存のアカデミックなファン層とは異なるファミリー層やペット愛好家を誘導し、新規ターゲットが足を向ける機会を創出しました。
2025年に話題になったGWマーケティング・集客事例10選
物価高や巣ごもり傾向といった社会情勢を逆手に取り、生活者の潜在的な欲求をポジティブに肯定した施策が多く集まりました。
「推し活」や「ペット」といった個人の熱量に寄り添うだけでなく、あえて「サボり」や「灰色」をテーマに掲げる逆転の発想も、情報が氾濫する連休中において際立つフックとなりました。
また、デジタルでの接点作りと、リアルならではの没入体験や実利的なインセンティブを高度に融合させた施策は、単なる一時的な集客にとどまりません。
独自の文脈を打ち出す企画力が、長期的なファン形成と将来的な集客を左右する鍵となるでしょう。
その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/
記事をブックマークする
記事をブックマーク済み
0