新型の包み紙を開発! ネスレの覚悟が垣間見える施策
消費量が多い欧米圏だけでなく、世界各国で大人気の乳製品・チーズ。特にスライスチーズはサンドイッチやハンバーガーだけでなくそのまま食べてもおいしいことからおやつとしても親しまれていますが、実はチーズには「プラスチック製の包み紙が海や山をはじめとした自然環境を大きく傷つけている」という大きな課題があるのです。
それを根本的に解決するために、チーズ製品大手のネスレはコロンビアの広告代理店Ogilvyと協業し、全く新しい形のチーズの包み紙を開発しました。
“Self-Packing Cheese(セルフ包装するチーズ)”という施策がまず着目したのは、チーズを作る際に出る副産物であるホエイ。このホエイを加工することでなんとわずか30日で分解されるバイオプラスチックフィルムを作ることに成功したのです(※通常のプラスチックは分解されるまでに数百年かかると言われています)。
チーズを作る工程を知り尽くしたネスレと、斬新な視点でアイデアを提供したOgilvyならではの発想とも言えるこの施策。多くの企業がSDGsを掲げるものの実態が伴うケースはまだまだ少なく、あえてコストをいとわず覚悟を持って挑戦したことで実現できたのでしょう。
中米ネスレのDirector of Communicationsを務めるKim Waigel氏は「まさにOgilvyとの共同制作で誕生した商品と言えます。この事例を通じてイノベーションはよりサステナブルな未来を生み出す可能性を秘めているのだというメッセージを業界全体に伝えたいと思っています」とコメント。これまで当たり前に行なってきた工程を見つめ直し、そこにチャンスを見出すことで実現したこの事例は多くの食品メーカーにも転用できるかもしれませんね。
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