コカ・コーラの歴代広告・PR施策10事例まとめ【国内外から厳選】
1892年の創業依頼、老舗飲料メーカーとして、第一線を走り続けるコカ・コーラ。同社が日本国内のみならず、海外でも展開する広告やPR施策を今回はまとめてご紹介します。
長年愛される定番商品「コカ・コーラ」を、さまざまな角度から売り出す工夫を凝らしたプロモーション施策は、どんなジャンルのメーカーにも参考になるはずです。老舗企業ならではの多数ある施策の中から厳選した面白い施策事例をお届けします。
1. OOHのメインビジュアルはお客さん! 大切な人との食事の時間を彩るコカ・コーラの施策
炭酸飲料業界を牽引するコカ・コーラは、本国アメリカをはじめ世界中で愛されているリーディングブランドです。家庭で、職場で、学校で、飲食店で……今となってはどこでも買えるからこそ場所を問わず楽しめるコカ・コーラですが、実は最近アメリカマーケットでは飲食店での消費量が微減傾向にあるという課題を抱えているようです。
そんな状況を少しでも変えるために同社が2024年に公開したのは、ブランド名を打ち出しつつもしっかり飲食店の集客効果もある意外なOOHでした。
制作されたOOHは、飲食店の窓枠をコカ・コーラのブランドカラーでもある鮮やかな赤色に染め上げるという内容。外を歩く通行人から見ると、窓際の席に座っている人がコカ・コーラの広告に囲われているように見えるのです。端には小さく“Real Magic(まるで魔法のよう)”とキャッチコピーが書かれており、コカ・コーラを片手に食事を楽しむ人の時間そのものを彩っているような見せ方になっています。
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2.コカ・コーラとサントリー、今年も「ボトルtoボトル」水平リサイクルの啓発コミュニケーションを協業
日本コカ・コーラ株式会社とサントリー食品インターナショナル株式会社は、今年も日本国内において「ボトルtoボトル」水平リサイクル(※1)の認知拡大に向けて協業しました。今回、「外でも分別」を共通テーマに、日本コカ・コーラは浦和レッドダイヤモンズと2024年6月30日(日)に、サントリーは鹿島アントラーズと7月6日(土)に、それぞれのホームスタジアムでペットボトルの分別啓発イベントが実施されました。
今回の企画は、コカ・コーラボトラーズジャパンと浦和レッズ、サントリーと鹿島アントラーズがそれぞれ「ボトルtoボトル」水平リサイクルに取り組んでいることから実現したもの。分別啓発イベントを通して、ペットボトルが新たなペットボトルに生まれ変わる「ボトルtoボトル」水平リサイクルについて知ってもらい、これまで以上に家庭の外でもきれいな分別を行うきっかけにしできればという思いが込められています。各イベントで回収したペットボトルは水平リサイクルし、それぞれサントリー、日本コカ・コーラ製品の容器として使用するとしています。
ライバルであるサントリーを誰よりも同じ未来を見つめる存在と定義し、協業でCSR活動を推進。飲料業界全体のリサイクルを目指しブランドイメージの向上にも繋げる事例となっています。
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3.コカ・コーラの世界観をあえて“セリフなし”で表現したブランディング動画
炭酸清涼飲料水の中でも圧倒的な知名度を誇るコカ・コーラは、その幅広い顧客層において“楽しく、爽快なブランド”という共通イメージが持たれており、広告コミュニケーションの一つひとつがそうしたメッセージを発信するよう設計されています。2023年4月に公開された新しいグローバルブランディング動画は「The Masterpiece(名作)」をテーマとし、美術界を代表する多くの名作が退屈な美大生を元気づけるために1本のコカ・コーラを届けるという内容です。
一切のセリフを使うことなく、軽快なBGMと美麗なグラフィック、そして誰もが見たことのある美術品を主役に添えることで、世代や国籍、文化的背景を問わず、さまざまな視聴者がコカ・コーラの世界観に没入できるよう工夫されています。知名度のあるブランドだからこそ、難しい表現手法を用いず理念をストレートかつ力強く伝えた動画でした。
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4.冬も、「コカ・コーラ」と「肉」があればみんな満足!「肉にはコーク!バヤシの肉みくじ」キャンペーン
コカ・コーラシステムは2023年12月18日(月)より、冬の食卓を盛り上げる「肉にはコーク!バヤシの肉みくじ」キャンペーンを開始しました。
WEB動画「名店コラボキッチン ローストビーフ」篇の公開ほか、対象の「コカ・コーラ」製品を購入し、ラベル表面の二次元コードを読み込むと、スマートフォン上で飯テロ動画クリエイターのバヤシさんが肉のかたまりをカットし、断面のサシを見て運勢を占ってくれる「バヤシの肉みくじ」が。また、おみくじの結果で、オリジナルグッズやLINEポイントを抽選でプレゼントされました。さらに、対象製品を4本購入すると、お正月らしいデザインをあしらった「縁起物たれ小皿」もプレゼント。
「コカ・コーラ」ならではのおいしさと爽快感は肉のコクと相性が良く、その組み合わせは世界中で楽しまれています。「コカ・コーラ」は、このキャンペーンを通して、「コカ・コーラ」があるだけで、みんなが満足する特別な食卓になることを発信しました。家族が集まる正月に向けて、相性の良いお肉料理とセットでアプローチ、「肉みくじ」「縁起物たれ小皿」といった抽選プレゼントもユニークな施策となっています。
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5.コカコーラとGoogleが動画作成。世界で検索されやすい用語の傾向とは?
コカ・コーラは、2019年の8月からクリスマスキャンペーンに取り組み始め、10月にはGoogleへ動画制作を提案。英語とスペイン語の両方で撮影し、1年を通じた検索傾向の変化を動画で紹介しました。
結果的に、この動画はSNS全体で5900万回以上視聴され、YouTubeだけでも視聴回数は4300万回以上、完了率は78%を記録しました。28%がスペイン語、72%が英語で視聴されているといいます。
また、Googleは世界中の検索用語を分析するツールを作成。月、場所、トピックごとに検索用語を分析できる特設サイトも作られ、公開されています。
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6.「どんなときにもそばにいます」迷える人生に寄り添う、コカ・コーラの豪快なデジタル施策
コカ・コーラが2019年にイスラエルで行ったデジタル施策をご紹介。「人生における選択の場には、いつもコカ・コーラを!」ということで、「AとBどちらがよいか」と選択を問うGoogle検索の結果画面に同社のCMを流したのです。
統計によると、人は1日に約3万回もの判断を行うそう。「生きることは、選択すること」といっても過言ではありません。
コカ・コーラは、Googleの検索結果をジャックすることにしました。「この街で働くにはどんな仕事がいい?」「College(単科大学)とUniversity(総合大学)どちらで学んだほうがよい?」など、選択を迫られる場面に入力されるあらゆるキーワードに関連付けて、コカ・コーラのプロモーションムービーが検索結果に表示されるようにしたのです。
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7.サッカー南米王者決定戦。手に入らないチケットの代わりにコカ・コーラが用意した“特別な仕事”とは?
2018年11月、南米大陸のクラブ王者を決定するサッカーの大陸選手権大会「Copa Libertadores」の決勝戦が行われました。
ファイナルに進出したのは、共にアルゼンチンのボカ・ジュニアーズとリーベル・プレート。両チームとも熱狂的なサポーターを抱えるビッグクラブであるだけに、チケットは発売後数分でソールドアウトしたうえ、ネットでも高額で転売される事態になったといいます。
スタジアムで観戦するなど、夢のまた夢……そう落胆するサポーターに向けて、同国のコカ・コーラはユニークな方法で観戦チケットを用意することに。それはサポーターの中から選ばれた人を、ドリンクの販売員として雇い、観客ではなく従業員としてスタジアムに招くという斬新なアイディアでした。
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8.頭の中で聞こえる“あの音”!? コカ・コーラだからこそ成り立つプリント広告
コカ・コーラによるシリーズプリント広告が展開されました。展開された3つの画像は、見た瞬間、「プシュッ」という開栓音や「パチパチ」と炭酸がはじける音が頭の中で音が聞こえるような気がするものばかり。
この広告はまさにその“音”を狙ったもので、共感覚(音に色を感じたりするように、ある刺激が別の種類の刺激を引き起こすこと)を活かしています。それぞれの画像には「Try not to hear this(聞かないようにしてください)」というタグラインが添えられていますが、「聞くな」と言われるとますます聞こえてしまうのが人間というもの。
写真を見ただけでその効果音が鮮明に浮かんでしまうのは、コカ・コーラの圧倒的な認知度の高さがあってこそ。世界中の人々から愛され続ける同ブランドだから成り立つ、唯一無二のプリント広告でした。
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9.「違っているって素敵なこと」多様性・包括性をテーマにしたコカ・コーラのスーパーボウルCM
コカ・コーラがスーパーボウルで放送するテレビCMを一足先にYouTubeで公開。タイトルは「A Coke is a Coke」でした。
さまざまな人種や職業の人たち、そして空想上のキャラクターなどの手から手へとコーラがバトンのように渡っていくという内容のアニメーションは、「インクルージョン(包括性)」そして「ダイバーシティ(多様性)」をテーマにしています。
このCMはスーパーボウルの開始前、国歌斉唱直前に放送される予定だそうで、これは元49ersプレーヤーのコリン・キャパニック氏の一件(2016年、白人警察官による黒人や有色人種への暴力事件が頻発したことに抗議し、試合前の国歌斉唱の際に片膝をつく行為を行ったこと。全米で称賛と批判の議論を巻き起こしました)を意識したものと思われます。
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10. ARでスイス代表選手とリフティング!チューリッヒの駅に登場したコカ・コーラ特設ブース
コカ・コーラがスイスで実施した2018FIFAワールドカップに絡めたプロモーション。
サッカー・スイス代表への応援の機運を高めるべく、コカ・コーラはスイス・チューリッヒの駅に特設ブースをW杯開幕前に設置。人通りの多い場所でのブース設置は一般的な施策と言えますが、こちらがひと味違うのは、スイス代表のエース ジェルダン・シャキリ選手と“共演”できるという企画です。
ブースに設営されたスクリーンでは、シャキリ選手が手招きをしながら参加者を誘う様子が映し出されています。
そして人がスクリーンの前に立つと……ARのサッカーボールを使ってスクリーンの中にいるシャキリ選手と、リフティングで“共演”できるという仕掛けです。参加者はスクリーンを見ながら擬似的にボールを操り、シャキリ選手とのリフティングを楽しみました。
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コカ・コーラの歴代広告・PR施策10事例まとめ
一見、奇を衒っただけのように思える施策にも、背景や世の中の時流を見据えた戦略的なPR企画・施策として存在感を放っています。
また、自社製品のPRにとどまらない、社会貢献の姿勢も垣間見えるところにグローバル企業の繊細なブランディングへの配慮を痛感させられるアイデア満載の事例集となりました。
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