仏教×AIの融合「hasunoha(ハスノハ)」のAI僧侶問答が必要とされるワケ

お坊さんにスマホで相談できるQ&Aサイト「hasunoha(ハスノハ)」は、GPT-4を搭載したAI問答システム「AI僧侶問答」をリリースしました。回答するAI僧侶として3名が準備されており、各僧侶の特徴を生かした言葉を投げかけてもらえる仕様です。優しいお坊さんは、ていねいな言葉でお話をしてくれ、老僧は人生の先輩として、しみじみと語ってくれます。ちょっと異色な、元ヤン僧侶は、喝が欲しい、叱って欲しい人におすすめとなっています。

「AI僧侶問答」は、GPT-4を搭載したAI自動生成によるQ&Aシステムで、hasunohaに登録すればだれでも無料で利用できます。さまざまな相談に対して、AI僧侶が仏教の教えを交えながら回答をしてくれるサービスとなっています。

運営するのは、数々の企業でWebプロデューサーとして企画を歴任してきた堀下剛司さんと浄土宗光琳寺副住職の井上広法さん。hasunohaは、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに誕生。震災の中、我先にと争わず、お互いに支えあい、励ましあう人々の姿に感銘を受けたことが契機となり、日本人に流れている価値観の源泉をもう一度掘り起こして、もっと優しく幸せな日本になる手助けをしたいという思いが込められています。

日本人の価値観、昔から脈々と受け継がれている美徳、その一つに「仏教の教え」があると感じ、より良い人生を歩んでいくための生きる智慧(アドバイス)をQ&Aの形でお坊さんから授けてもらえるサービスとしてスタートしました。

お寺はその昔、地域の人が集まるコミュニティの場であったと言われています。みんなで助け合い、励ましあって生きていく。悪いことをすればきちんと叱ってくれる和尚さんがいる。そんなコミュニティをインターネットの力を使って実現できればとの思いでhasunohaは、作られています。そして、これまでに生き辛さを感じる何百万人もの人々がhasunohaを訪れています。

その10年間のhasunohaでの運営実績をベースに、回答の方向性や相談者への寄り添い方などをAIに学習させており、仏教教義の提供よりも、現代において悩み苦しむ人にAIはどこまで向き合い、勇気づけることができるのかを突き詰めることを主題に実装されています。

また、今回のリリースでは、hasunohaの本物のお坊さんの回答を学習させたAI回答はしませんが、今後のChatGPTのバージョンアップに応じて、よりhasunohaらしさを加味した改良版をリリースしていく予定となっています。

お坊さんに悩みを聞いて欲しいとhasunohaを訪れる人は多く、月間100万弱のアクセスがあります。対して、回答をしてくれるお坊さんの登録者数は300名超。相談したい人に対して、回答してくれるお坊さんの数が足りない状況が7年間も続いている状況の改善も見込んでいます。

まずは、比較的シンプルな質問や相談はAI僧侶が担うことで、少しでもhasunohaを頼ってくれる方に相談機会を提供。AIの回答に興味をもってもらい、より複雑な問題にはhasunohaのお坊さんが深く寄り添ってくれる流れを作ることも目指しています。

AIを通して少しでも仏教的な価値観を感じてもらうこと、そこから本物のお坊さんや仏教に興味をもってもらい、お坊さんとお話をすることで、より幸せな人生を送るヒントを得てもらいたい。真摯に向き合ってくれる生身のお坊さんとのご縁を、AIを介して繋いでもらいたいという願いが込められています。

AIの活用は一気に広がりつつあり、企業や自治体などさまざまな活用方法や施策が試行錯誤される中、回答者が全員お坊さんのお悩み相談サービスでの導入。これまでの蓄積データを活用してAIの対応でOKなものは対応させることで、リソースを確保。

そんなに相談者が多いという現実にも驚きですが、無機質なイメージのAIが、人間の抱えるさまざま苦しみに寄り添えるのかどうか、そして潜在する需要へのAI活用という点でも挑戦的な取り組み事例となっています。

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