舞台は解体途中の廃業旅館 “ウォーカブルシティ”を目指す上越観光の試み
地域創生事業を展開する株式会社イノベーションパートナーズは、新潟県上越市⾼⽥エリアの廃業宿泊施設「旧鈴⽊旅館」をリノベーションし、2026年1⽉にホテル・オフィス・観光情報発信を兼ね備えた新たな複合施設「鈴⽊旅館」としてリニューアルオープンします。
プロジェクトの舞台である新潟県上越市・⾼⽥は、高田城の城下町として発展し、雪国文化を象徴する「雁⽊通り」や60以上の寺院がつらなる「高田寺町」、日本三大夜桜のひとつでもある高田城址公園の桜など、さまざまな文化・観光資産が集積するエリアです。このエリアで明治期から120年以上にわたって営業していたという「鈴木旅館」は、創業当時の趣ある風景が残る地域に愛されてきた建物です。
プロジェクトでは、高田エリアの“歩いて暮らし、歩いて楽しめるまち”を目指す「ウォーカブルシティ」化を事業構想とし、エリア全体で宿泊・飲食・オフィス・観光を担うことができるまちづくりを掲げています。「旧鈴木旅館」の再生により、まちの新たな情報発信拠点としての活用が期待されています。
鈴木旅館のリニューアルオープンに先駆け、2025年9月23日(火・祝)には、高田エリア周辺の住人向けのイベント「TAKADA HISTORY MARCHE(タカダヒストリーマルシェ)」が開催されました。イベントの舞台は、なんと解体作業中の「旧鈴木旅館」。
プロジェクトの構想と「旧鈴木旅館」のリノベーション計画のお披露目も兼ねたイベントで、構想・準備段階から完成までのプロセスをオープンにすることで、周辺住民への理解を促しながら、外部からの注目度も高める取り組みとなっています。
イベントには、地元企業が多数出店。地元の銘菓のほか、「くじら汁」や「すりまんじゅう」といった郷土料理も味わうことができ、楽しみながら地域の文化を学べるイベントとなっています。また、解体中の長屋見学ツアーや、人力車で高田エリアを巡るツアーなど、普段はできない体験が話題を呼びそうです。
歴史ある旅館が惜しまれつつ閉館しているなか、街をリブランディングするように⾼⽥エリアの⽂化や魅⼒を再編し、経済活動へと結びつける新たな挑戦を行っている本施策。解体作業中の旅館を活用したイベントの開催で、住民の理解促進と、外部への認知拡大を狙う斬新なアイデアに注目したい事例です。
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