100年以上の歴史ある「旧生駒トンネル」を活かしたアド近鉄のブランディング戦略
株式会社アド近鉄が展開するオリジナルブランド『生駒隧道』は第3弾商品として、奈良県生駒市の株式会社中本酒造店の協力のもと、日本酒「月の旅人」を発売しました。
アド近鉄は地域の歴史や地理的特性を最大限に活かしながら、企業・団体と手を組み独自のブランディング施策を展開中。旧生駒トンネルを活用する本取り組みは、製品開発にとどまらず地域全体の価値を引き上げる意欲的なプロジェクトです。
地域の歴史や風土を施策に反映
『生駒隧道』は企業や団体と共に商品を作ったりイベントを開催したりするだけではなく、地域の歴史や風土を施策に反映させ、ブランド全体の魅力を高めています。
旧生駒トンネルは、1914年(大正3年)に開通した3,388mの日本初の標準軌複線トンネルとして歴史的な価値を持つ場所。その後、新トンネルの開通に伴い旧トンネルは使われなくなりましたが、株式会社アド近鉄はその涼しく安定した環境やトンネル特有の音の響き方、暗所などといった空間の特色を活用して再利用する施策を開始しました。
これにより地域に根ざしたブランド展開が実現し、商品や施策に他にはないストーリー性を持たせることに成功しています。
トンネル独自の環境がもたらすブランドの価値
『生駒隧道』ブランドの第1弾「感謝をまとうスパークリングワイン」や、第2弾「旧生駒トンネルで響く!大阪芸術大学生による演奏会」も旧生駒トンネルの環境を活かした施策であり、今回の「月の旅人」はその流れを汲んでいます。
旧生駒トンネルは年間を通して気温約16.7℃ /湿度約98%といったほぼ一定の環境を保っているのが特徴のひとつ。その中で熟成された日本酒「月の旅人」は、他の熟成方法では得られない高品質な独特の風味を生みだしているとのこと。
このように、独自の環境で作られたこと自体が商品の特別感を演出するプラスの要素として働き、価値を高めることにつながっています。
『生駒隧道』今後の展開
生駒隧道ブランドは、地域全体の活性化にもつながっている施策ですが、旧生駒トンネルで作られる・行われるといったその話題性から、企業・団体の認知度向上や集客にも貢献することが期待できる取り組みです。
株式会社アド近鉄は『生駒隧道』ブランドを広く展開するために、旧トンネルを利用する生産者を募り、今後もさまざまな企業・団体と共に多様な製品開発を進める予定とのこと。『生駒隧道』は、今後ますます地域ブランドとしての地位を確立していきそうです。
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