立ち上げ直後のサービスをどう売り込むか。自主調査のリリース配信で、インバウンド型営業を軌道に乗せたリビジェン

Case: ネットリサーチサービス「スマートサーベイ」のPR活動

BtoB企業に勤める営業・マーケティング関係者の中には、「プル型(インバウンド)の営業体制を構築する」という課題に取り組んでいる人もいるのではないでしょうか。

スマートフォンからのアンケート回答を収集するセルフ型ネットリサーチサービス「スマートサーベイ」を運営する株式会社リビジェンは、インバウンド型の営業を軌道に乗せることに成功した企業。今回はPRを活用することで見込み顧客からの問い合わせを獲得できるようになった同社の事例を紹介しましょう。

同社がスマートサーベイをリリースしたのは2013年2月のこと。リリースした直後はブランドがほとんど認知されておらず、利用者が伸び悩む状況でした。それが自主調査のリリース配信を始めたことで状況は改善。徐々にスマートサーベイの認知が広まるようになり、Yahoo!のトピックス欄にも取り上げられ、見込み顧客からの問い合わせも継続的に舞い込むようになりました。

その結果、プッシュ型(アウトバウンド)に頼っていた同社の営業のやり方に、インバウンドの手法が加わり、徐々にその比重を増やしつつあります。そんな同社の営業戦略とプレスリリース活用法について、孫尚均 代表取締役CEOとスマートサーベイ事業部の室谷良平氏にお話を伺いました。

 

インバウンドからの商談は受注率2倍! 見込み顧客からの問い合わせが徐々に増加

――「自主調査をプレスリリース配信しよう」と考えたきっかけを教えてください。

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孫尚均 代表取締役CEO

(孫氏) 当社は2013年2月にアンケート回答のデバイスをスマートフォンに特化したネットリサーチサービス「スマートサーベイ」のβ版を立ち上げました。利用してくれる企業を増やすため、当初は使ってくれそうな企業のリストを作成して、こちらから電話をかけるプッシュ型(アウトバウンド)の営業をしていました。

営業開始から約半年が経過したころ、「アウトバウンドの営業をこのまま続けていても効率が悪い」と感じるようになりました。当社もスマートサーベイも生まれたばかり。ほとんどの企業に知られていませんでしたから、初回の電話時に門前払いを受けることが多く、商談に進んだとしても「実績の少ないサービスだから」となかなか受注に結び付きませんでした。

そこで、「まずは当社やスマートサーベイの認知を広める必要がある」と考えるようになりました。それで自分たちでスマートサーベイを使って調査し、その結果をプレスリリースとして配信するようになったのです。

――見込み顧客からの問い合わせを獲得していくプル型(インバウンド)の営業手法を取り入れたわけですね。いつごろからその成果を感じられるようになりましたか?

自主調査の配信を始めてしばらくは、残念ながら問い合わせが増えた実感はなかったですね。それで、調査の企画の立て方を変えてみたのです。それまでは政治問題など、世の中の多くの人が興味を持ってくれそうな認知拡大を目的とした調査が中心でした。それに並行させる形で、見込み顧客を増やしたい業界に対象を絞って、その業界関係者が興味を持ってくれそうな内容を調査するリリースも配信するようにしたのです。

ファッション業界を対象にする場合を例に挙げると、ファストファッションや読者モデルのことを調査したリリースを配信する、というやり方になります。

狙いは当たりましたね。そうしたリリースがテレビなどのマスメディアで取り上げられると、その情報を見た業界の方から問い合わせが入るようになりました。

そのような取り組みが徐々に実を結ぶようになりまして、今では新規のお問い合わせを1日1件以上は頂けるようになりました。そうした問い合わせをくれるお客様は、当社やスマートサーベイのことに興味を持ってくれています。やはり受注率は高く、アウトバウンドで営業したときよりも2倍くらいの確率で受注できていますね。

それでも、アウトバウンドで仕掛ける営業も重要だと思っていますので、今はアウトバウンドの営業とインバウンドの営業を並行して走らせています。

 

多数の企業が調査リリースを配信する中、注目される調査を企画するコツ

――多くの企業は「マスメディアで取り上げられる」ところでつまずくケースが多いと思います。どのようにすれば貴社のように、マスメディアから注目される調査を企画できるのでしょうか。

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スマートサーベイ事業部 室谷良平氏

(室谷氏) 当社では業界を狙ったテーマ以外に、“2つのソーシャル”をテーマにした調査を実施することが多いです。“2つのソーシャル”とは、1つはソーシャルメディア、もう1つは社会問題です。

前者のソーシャルメディア関連の調査は、マーケターなどの業界関係者の注目が高いテーマのため、ITmediaなどのIT系ニュースサイトで取り上げられる確率が高くなります。最近では、6秒動画配信サービス「VINE」に関する調査を配信したところ、主要Webメディアで取り上げてもらえ、反響がありました。

後者の社会問題関連の調査の成功事例としては「歩きスマホ」に関する調査でしょうか。当社はスマホ特化のネットリサーチを提供しているわけですから、まさにスマホを使いこなしているユーザーの声を聞けます。そうして得られた調査結果は信頼できますから、大手新聞社などからも「掲載させてほしい」と問い合わせがありました。大成功でしたね。

――それはスマートサーベイの特性とも親和性が高く、貴社だからこそできた調査だと感じます。

(室谷氏) そうですね。メディアは「この企業だからこそできた調査」や「生活者の生の声を感じられる調査」を求めています。そういった要素を含む調査だったから、「歩きスマホ」に関する調査はヒットしたんだと思います。

役立つコンテンツを用意することで見込み顧客を集めるコンテンツマーケティングという手法に注目が集まり、多くの企業が自主調査に取り組んでいます。自主調査のリリースは増えていますから、そんな中でありきたりな調査を発表しても、メディアは記事として取り上げてくれません。

そこで当社は逆張りで、他の企業が思い付きそうな一般的なテーマでは、調査をしないことにしました。「新興ネットサービスとしてこんなものが注目されている」「最近の女の子はこんなことを気にしている」といったように社員1人1人に自分の得意分野から考えた企画を持ち寄らせ、 その社員でないと思い付かないユニークなテーマ、これまでネットニュースで取り上げられたことがない最新のテーマといった特徴のある尖った内容で調査するようにしています。

『配信媒体数は同じでも、得られた成果は5~10倍も違う。PR TIMESを使うべき理由』
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