戦時中の兵士の想いを未来へ。家族へ送られた60億通の手紙を保存する、Googleの「Alive Memory」

Case: Alive Memory | Google

第二次世界大戦中、旧ソ連で2,500万人もの命を奪ったという「大祖国戦争」。対戦中に戦地から家族へ贈られた手紙はその多くが劣化し、まさに歴史から消え去ろうとしています。今回は、これらの貴重な手紙を保存し、過去の記憶を未来へと繋ぐGoogleのプロジェクトをご紹介します。

1,418日間も続いた戦い。その期間中、前線の兵士たちが家族にあてた手紙は、60億通に上ったといわれています。現在、手紙を受け取ったそれぞれの家族が各々保管しているといいますが、月日の流れと共に、日光、湿度、寒さの影響を受け、インクは薄れ、紙は破れてしまっているものも多く、あと5年もすれば判読不可能な状態にまで劣化することは避けられないのが現状です。

そこで、Googleは、貴重な手紙をアップロードし、インターネット上で保管し、多くの人と戦争の記憶を共有できるプロジェクト、その名も“Alive Memory”を立ち上げました。

こちらがそのサイト。ボタン一つで手紙をアップロードすることができ、アーカイブされた手紙は、年代順、送信者・受信者名などで検索することが出来るほか、前線から家族の元まで手紙が歩んだ道のりを調べることもできます。

また、ミュージシャン、俳優、政治家等著名人が手紙を朗読する試みも実施され、手紙は目で読むだけでなく、耳で聞くこともできます。

アーカイブされた手紙を、音楽、絵画、ダンス、展示、詩、パフォーマンス、写真などあらゆる芸術で表現するという取り組みも行われ、このプロジェクトは、瞬く間にメディアの関心を集めることに成功し、社会現象となりました。

プロジェクト立ち上げからわずか1カ月で1,842通の手紙がアップロードされ、これまでに260万件のアクセスを数え、4億6800万のメディアインプレッションを獲得したといいます。戦時中の兵士の想いを未来へと受け継ぐプロジェクトでした。

Alive Memory | Google from Friends Moscow on Vimeo.

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