塩の旅路をパラパラ漫画で可視化 塩事業センターが紹介動画を公開

公益財団法人塩事業センターは、ロングセラー商品「食塩1kg」を題材にした紹介動画「1kgの塩 その先には、日本中の暮らしがあります」を公開しました。1977年に発売されて以来、多くの家庭で使われてきた国産塩を、パラパラマンガ調の短い映像で紹介します。

定番商品を映像で語る

「食塩1kg」は、日本の海水を原料とした家庭用の定番商品。発売元が日本専売公社、そして日本たばこ産業株式会社から塩事業センターへと移りながら、全国に供給されてきました。

料理の下ごしらえから味付け、漬物づくり、さらに災害時の備蓄まで幅広い役割をもち、長く支持されてきた背景があります。現在はキャラクター「そるるんひめ」をあしらったパッケージで展開され、家庭になじみやすいデザインへと進化しています。

今回の動画企画は、日常に溶け込んでいる商品をあらためて可視化し、その裏側にある取り組みを伝える試み。生活必需品は存在が当たり前になりやすく、こだわりや仕組みが伝わりにくい側面があります。映像として語り直すことで、ブランド理解につなげられそうです。

パラパラマンガで“旅”を描く

映像は、鉛筆画調のイラストが連なり、塩の旅路を追う流れ。日本の海水を原料とする製造工程、品質管理に取り組む姿、物流を担う人びとの仕事、そして家庭で使われるシーンが続き、塩が生活に届くまでの過程をやさしいトーンでまとめました。料理に使われるところや、漬物を仕込むシーンなど、日常で自然に使われている様子が印象的です。

派手な演出ではなく、パラパラマンガという素朴な表現にしたことで、幅広い世代に伝わりやすい仕上がりに。国産塩が人びとの手に届く経緯を堅苦しく説明するのではなく、短い映像で理解できる構成が秀逸です。

歴史と役割をわかりやすく伝える工夫

塩事業センターは「食塩1kg」だけでなく、「食塩シリーズ」のブランドヒストリーも公式サイトで公開。発売当初のパッケージや、これまでの歩みを整理したことで、商品がどのように受け継がれてきたかを知らせます。

長年、安定供給や品質管理といった見えにくい努力があり、生活必需品として社会に根づいてきました。動画はこの点を押しつけることなく、自然に読み取れるようにまとめられています。

国産塩の価値を静かに伝える

今回の動画は、購入や話題づくりを主たる目的とした広告ではなく、国産塩の価値を丁寧に伝えるためのコミュニケーション施策。派手な技術や大げさな演出ではないからこそ、ブランドの誠実な姿勢が際立ちます。

短い動画から、国産塩が日々の料理を支え続けていることを感じられ、ブランドの信頼を静かに伝える、同ブランドの想いが詰め込まれた印象深い内容の施策でした。

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