“彼の地”の文化とつむぐ物語……“MUJI哲学”を伝える企画展

世界29の国と地域において、1,300を超える店舗で、商品やサービスを展開する無印良品(MUJI)。世界各地にある無印良品ストアでは、日本でもお馴染みの商品とともにその土地に根ざした商品が並ぶといいます。

市井の人びとのくらしから生まれ、継承されてきた“民俗”的なアイテムを通してさまざまな物語を伝え、その文化や暮らしかたの多様性を考えようという企画展「世界のくらしから 展-Vernacular MUJI Items Asia編」がATELIER MUJI GINZA(東京都中央区・無印良品銀座店内に併設)で行われます。

会期は6月27日(金)から8月31日(日)までの予定。開催に先駆けてベトナム・韓国・日本の“暮らし”を切り取ったキービジュアルが公開されました。

展示会場では、海外で生産販売されているMUJIの食品や、各地の生活に根ざしたものづくりなどを紹介するそうです。

同社は、どんな地域でも役に立つ普遍性や、使う人の工夫によってさまざまな使い方ができるような「使う人の創造性にゆだねる」ものづくりを大切にしているといいます。

そして同時に、それぞれの国や地域の人々と対話を重ね、その土地ならではの素材や使い方、そして食文化を生かした製品も生み出すことも重要だといい、風土や文化、ライフスタイルを大切にしながら、その土地に住む人々のくらしや社会の「役に立つ」ために必要なアプローチだと伝えています。

そんな企業努力の例として、日本の無印良品は高温多湿の気候条件でも涼しく過ごすための工夫を、南インドに学び、長きにわたって現地と協業した商品開発を行っています。

2025年春夏シーズンの衣料品には、インド・マドラス(現・チェンナイ)の伝統・文化を尊重したおなじみの「マドラスチェック」シリーズ、インドの伝統的な木版を使った、手捺染(てなっせん)という手法を取り入れた「ブロックプリント」シリーズなどが登場しました。

私たちが何気なく選んだ1枚の衣類も、実は“ヴァナキュラー(土着)”カルチャーとの出会いから生まれた商品かもしれません。

良品計画撮影室出身のフリーランスフォトグラファー尾原深水らの写真から、MUJI・無印良品のブランドフィロソフィーに迫るというこの企画展。多様性と企業理念を両立させるという現代的なブランディングメソッドに触れることができそうです。

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