2025.01.20

個性が光る施策の定番、POP UP｜2024年12事例まとめ

数日から数週間程度の、比較的短い期間限定で開設される「ポップアップストア」。「ポップアップ（Pop up）」は、英語で「突然現れる」といった意味を持ちますが、その名の通り、いきなり出店してすぐに消えてしまうのが特徴です。

また、催事に出店する期間限定のお店とは異なり、イベント性が重視される傾向も見受けられます。そのため、実施する企業やブランドの個性が表れやすい傾向や訴求するイメージがわかりやすいのも特徴です。

今回はそんな個性が光る施策といえるPOP UPを施策から2024年実施の12事例をまとめてお届けします。

1. 定番スナックのポップアップバルが自由が丘に期間限定オープン

毎日のおやつとして、お酒のおつまみとして愛される名物スナック「チーズアーモンド」が、東京・自由が丘にポップアップバルを2024年12月7日（土）にオープンしました。同日から22日（日）までの16日間、営業時間は19:00～22:30（22時ラストオーダー）という期間限定イベントです。

「CHEESE AND presented by チーズアーモンド」と名付けられた同店は、卓上に設置されたサーバーでチーズアーモンドが食べ放題。北海道産チーズの美味しさにこだわったというフードメニューは、飲食店メニュー開発者・料理研究家として知られる戸田康利さんが監修しました。

2. 入浴料の香りを初めて言語化。体験型ポップアップイベント「クナイプハーバルラボ」

株式会社クナイプジャパンは、体験型のポップアップイベント「クナイプハーバルラボ」を2024年12月14日（土）・15日（日）に渋谷スクランブルスクエアで開催しました。

今回のイベントでは、SCENTMATIC株式会社が開発した、香りを言語化するAIシステム「KAORIUM」（カオリウム）とコラボレーションを実施。KAORIUMと入浴料とのコラボは今回が初めてといいます。

自身の嗅覚で感じる好みと、好きなポイントを言葉から選ぶことで、本当に求めている香りをKAORIUMが提案。会場では、診断結果を記したカルテのデータと、その香りのバスソルトがプレゼントされます。

3. お花とメッセージでマスクをギフトに。スウィーテストデーに合わせた期間限定ポップアップ

株式会社サン・スマイルが展開するファッションマスクブランド「MASCODE（マスコード）」は、2024年10月18日（金）から2024年10月20日（日）までの3日間限定で、東京・原宿にてポップアップストア「MASCODE Sweetest Store（マスコードスウィーテストストア）」をオープンしました。

今回のイベントは、世界各地で小さな優しさをシェアする日として家族や友人に感謝の気持ちをささやかなプレゼントとともに贈りあう日とされている「スウィーテストデー」にあわせた企画。同社が掲げる「優しさをシェアする」というブランドメッセージに基づいて実施されます。

来場者が自身の手でギフトセットを作成できるポップアップストア。店内はお花屋さんのようにデザインされ、購入したマスクとともに贈り物にぴったりのお花やメッセージカードを自由に選ぶことができます。

また、店内にはグリーンアートや鏡を使った画像映えするフォトエリアが設置され、記念撮影だけでなく、SNSでの拡散認知も見込める施策となっています。

4. ランドリースペース併設のポップアップ！？アークテリクスが開催した新たな体験型イベント

アウトドアブランドの「アークテリクス」は、ランドリースペースを併設したポップアップイベント「ReBIRD™HOUSE」を原宿のUNKNOWN HARAJUKUにて、2024年9月20日（金）から2024年9月29日（日）までの期間開催しました。購入済のアークテリクスGORE-TEXアパレル製品を持参することで、洗濯・乾燥を体験することができるというものです。

「アークテリクス」のGORE-TEXアパレル製品の機能を維持した状態で、より長く着用するために必要なメンテナンス方法を伝えるために企画され、「Build to Last（耐久性こそがサステナビリティに繋がる道である）」というアークテリクスの哲学が体現されたものとなっています。

5. ANGEL BLUE一色の「あの子の部屋」で没入体験！平成レトロ感溢れるポップアップ

子ども服メーカーの株式会社ナルミヤ・インターナショナルが展開するオリジナルブランド「ANGEL BLUE」では、ANGEL BLUEが大好きな女の子の部屋を再現したPOP UP「あの子の部屋」を東京・大阪の2か所で開催しました。東京（有楽町マルイ）での開催期間は2024年10月4日（金）から10月31日（木）まで、大阪（なんばマルイ）では11月9日（土）から11月24日（日）までとなりました。

ANGEL BLUEは、ナルミヤ・インターナショナルから1989年に誕生したファッションブランド。平成の主に1990年代から2000年代前半にかけて、小中学生から人気を集めていました。今回のPOP UPでは、“ANGEL BLUEが大好きなあの頃”に戻ったようなイマーシブ体験ができるとのことです。

平成レトロの提唱者・山下メロ氏がプロデュースした店内には、ANGEL BLUEが大好きな女の子の部屋を再現したブースが出現。今回だけのオリジナルグッズや過去のリバイバルデザインの商品、オンラインアパレルくじの買い物が楽しめる絶好の機会創出となりました。

6. 限定企画×ビジュアルインパクトで話題を呼ぶTAMBURINSの新商品ポップアップ

韓国発のフレグランスブランドTAMBURINS（タンバリンズ）が車用芳香剤「カーディフューザー」を新たに発表し、2024年7月20日（土）より東京青山フラッグシップストアでのポップアップイベントを開催しました。

ポップアップイベントでは、ストアの1階が自動車の世界観を表現する空間に変身。淡い色のシートやハート型のハンドルでかわいらしさを演出した店内には、新商品のカーディフューザーが散りばめられ、店全体を使って自動車の世界観を独自に解釈し、タンバリンズ流に表現しています。

決してリアルな車やシートをディスプレイするのではなく、徹底して空想のもので世界観を作り上げているのがポイントです。こうしたオリジナル感が視覚的にインパクトを与え、SNSに写真をあげたくなるような唯一無二の空間となっているようです。

また、ポップアップストアでしか手に入らない限定カラーの商品4種の販売、自分の好みを詰め込んだ「カスタムグッズ」の製作、税込5,000円以上購入でもらえる限定ノベルティ「ハートハンドルショッピングバッグ」と企画も盛りだくさんで、行ってみたくなる仕掛けが散りばめられています。

7. 目指すは生産者のファン拡大！農家と直接つながるポップアップが期間限定オープン

大手産直通販サイト「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデンが、生産者直送の旬の食材を活用したスイーツを提供する「食べチョクパーラー」を2024年6月20日（木）から7月7日（日）までの期間限定でオープンしました。

店舗で販売されるメニューには、秋田県秋田市の「瀧田養鶏場たまごの樹」より希少な純国産鶏種「もみじ」の卵をつかったプリンアラモードや、北海道富良野市の「ジュラファーム富良野」で除草剤を使用せずに育った大ぶりメロンのスムージー、茨城県下妻市の「パチャママ農園」より農薬化学肥料をつかわずにに育った野菜から、規格外や訳ありのものを使用した農家カレーなどがラインアップ。

イベントのコンセプトは「生産者と直接つながる」。各テーブルには作り手の顔が見えるシートと、生産者に声を届けることができるフォームが用意されます。また、オンラインで生産者とお客様を直接つなぎ、食材のこだわりと生産現場の様子を聞けるトークイベントや、ポップアップのメニューで使用した食材を販売するマルシェも開催されました。

8. 運動と食事の両面からサポート！キッコーマン大豆麺×chocoZAPのポップアップジム

キッコーマン食品株式会社と、RIZAP株式会社が運営するコンビニジム「chocoZAP（チョコザップ）」は、“キッコーマン大豆麺×chocoZAP”「ポップアップジム」を2024年5月1日（水）から31日（金）までの期間限定でオープンしました。

東京新橋と大阪天王寺のchocoZAP店舗を「大豆麺」仕様にラッピング。店舗の外装には、大豆麺のCMキャラクターである田中圭さんのビジュアルを使用し、低糖質・高たんぱく麺である大豆麺の魅力をアピールしています。

また、店舗内では田中圭さん出演の「大豆麺」新CMを放映するほか、「大豆麺」の装飾を施し、ジム利用者に商品の特徴と魅力を伝える施策となっています。

9. “飲む名画”を体験せよ！？アートカフェ「unimocc」初のポップアップショップ

名画をモチーフにしたドリンクを提供するアートカフェ「unimocc（ユニモック）」は、2024年3月2日（土）より4月21日（日）まで、大阪・梅田の人気商業施設・HEP FIVE 7F「TAMLAB」にて自身初となるポップアップショップを開催。

unimoccは「アートを見る、知る、伝える」をコンセプトとした大阪・谷町に本店を構えるアートカフェ。名画をモチーフにしたモクテル風ドリンク「ART mock drink（アートモック・ドリンク）」や、ケーキをキャンバスに、パレットにのったカラフルなクリームを絵の具に見立て、自分だけのオリジナルケーキ（作品）作りが楽しめる「キャンバスケーキ」など、アートを身近に体験できる新感覚のドリンクやスイーツを提供しています。各種SNSやメディアでも数多く紹介され人気を博しているカフェです。

今回、若者が多く集まる大阪・梅田の人気商業施設「HEP FIVE」で開催しているポップアップショップ。unimoccが提供するアート体験をより多くの方に身近に楽しんでほしいと出店が決定したもの。本店で提供している下記メニューと同じメニューを（「モネ連作の情景」大阪展タイアップ限定ドリンクは本店限定）、HEP FIVEでのショッピングを楽しみながら体験することができるようになっています。

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10. ドムドムハンバーガー赤羽店にPOP UP SPACE！限定「赤い羽バーガー」も登場

2024年3月16日（土）より、ドムドムハンバーガーイオンスタイル赤羽店の目の前でグッズポップアップスペースが期間限定で開催されました。

今回のポップアップスペースでは、アパレルや生活雑貨などのオリジナルアイテムに加え、新しいグッズが登場。赤羽店のぞう「いっくん」と「にっくん」がモチーフとなったアイテムを販売しています。いっくん、にっくんのステッカーとキーホルダーのほか、ドムドムメニューのクリアポスターが登場しました。さらに、新登場のカプセルトイ（ガチャガチャ）もスペース内に設置されています。

また、イベント開催期間中は、ドムドムハンバーガー店内で赤羽店の店名にちなんでイベント限定の「赤い羽バーガー」を販売されます。超ビッグサイズの全長約25㎝のサクサク白身魚フライに、トマトソースをたっぷりと合わせた特製バーガーです。トマトの酸味とふわふわの白身は相性抜群。バンズからはみ出た姿はまるで「赤い羽」のようです。限定バーガーは、フォトスポット（イメージ）にも登場しており、訪れた際には記念撮影も可能となっています。

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11. 「ドモホルンリンクル」がPOPUP開催。50周年で再認識されるブランドの根幹とは？

株式会社再春館製薬所は、「ドモホルンリンクル」ブランドの誕生50周年を記念したPOPUPイベントを、2024年11月7日（木）から11月11日（月）までの5日間、代官山T-SITE GARDEN GALLARYで開催しました。

“エイジングケア”や“日本初のコラーゲン配合基礎化粧品”として知られるドモホルンリンクルですが、実は再春館製薬所は漢方の製薬会社であり、ドモホルンリンクルも“漢方”の考え方を取り入れ開発された商品。今回のPOPUPでは、漢方の発想から生まれた「美活カフェ」を通して、ブランドへの理解を深めることができます。

イベントでは、再春館製薬所が長年の研究によって導いた”自然のちから””自己回復力”を体感できるコンテンツが並びました。

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12. コロナ禍収束後の埋蔵マスクを回収？「MASCODE」の表参道 POP-UP STORE

株式会社サン・スマイルが手がける、ファッション性と機能性を両立させたマスクブランド「MASCODE（マスコード）」は、2024年2月21日（水）から2月25日（日）までの期間、ZeroBase表参道にポップアップストア「MASCODE POP-UP STORE」を展開されました。今回のイベントはコロナ禍収束に伴う「マスク離れ」の今、花粉症非罹患患者にも予防としてのマスク着用を呼びかけるべく、実施されるものです。

MASCODEは小顔に見えるマスクとしてSNSなどで反響のある、機能性だけではなくファッション性を両立させた商品を展開しています。気に入っているマスクの特徴に「おしゃれさ」を回答する人も多く、マスクへのこだわりを担保しながらも、花粉症対策・花粉症予防をしてもらうべく、今回の期間限定ポップアップが企画されました。ポップアップストアでは、家で眠っている「埋蔵マスク」を持参すると、MASCODEのマスク1つと交換することができるほか、限定6種類を300円（税別）にて販売もされます。

また、MASCODEでは障がい者アートの支援を通じてSDGsの活動を推進しています。今回のポップストアの2階では、障がい絵師の杉田大河氏の作品展示も実施予定です。そこへ埋蔵マスクを回収する「回収ボックス」も設置。回収したマスクは本施策に共感いただいた障がい絵師杉田大河氏所属の一般社団法人ソエルテをはじめ、障がい者支援施設などに寄付する予定となっています。