伝統継承をトレカで応援!1300年の伝統をもつ長良川鵜飼の”推し活”マーケティング

PASSING on PROJECT岐阜長良川鵜飼は、鵜匠や船頭たちの勇姿をトレーディングカードに落とし込んだ「鵜飼カード」を制作しています。そして今回、既存の24枚に加えて新たに6人の鵜匠のカードが追加された2024年完全版が完成。県外からも購入したいという声に応え、ECサイトで発売を開始しました。

2024年5月の発売以来注目を集めている「鵜飼カード」とは、鵜匠や船頭たちの「イケてる」写真をトレーディングカードとして商品化したもの。従来の伝統的な鵜飼のイメージを覆し、若年層に親しみやすい形で鵜飼を楽しんでもらおうという斬新な試みです。

長良川鵜匠組合の公認プロジェクト「PASSING on PROJECT」

1300年を超える歴史を持ち、織田信長にもこよなく愛されたという鵜飼。鵜飼とは古来から続く鵜を使った漁法で、鵜匠と船頭がそれぞれ重要な役割を担っています。

鵜匠は鵜を巧みに操り川魚を捕らえる技術を持ち、船頭は川を下っていく小船を操る役割を担い、船の操作を通じて漁の成功を支えます。

450年前と変わらぬ装束と漁法を守り続ける鵜匠と、アスリート並みの鍛え抜かれた肉体と日焼けした姿や竿と櫂を手に水上を走り抜ける船頭の勇姿は、まさに圧巻。しかし、近年の観光客の高齢化や伝統文化に対する関心の薄れにより、若年層の取り込みが課題となっていました。

そこで「PASSING on PROJECT」では、新たな層へのアプローチとして鵜匠・船頭と連携し、岐阜市や地元企業・団体等の協力のもと活動を開始。「岐阜駅前の大型フラッグ」や「ぎふ長良川鵜飼タブロイド誌」など、鵜飼をより盛り上げるためのさまざまな企画を展開しています。

長良川鵜飼の”推し活”マーケティング

「推し活」という言葉は、もともと特定のアイドルやキャラクターを応援する活動を指しますが、本施策ではこれを伝統文化にも応用することで、若年層を中心に盛り上がりを見せている推し活文化と見事に融合させました。

今回プロジェクトの企画のひとつとして展開されたのは、鵜匠や船頭をテーマにしたトレーディングカードの発売。カードには鵜匠や船頭の写真だけでなく、屋号や鵜や篝火など鵜飼にまつわる豆知識などが詰まっており、鵜匠や船頭の個性や魅力が前面に出ています。

カード作成にあたって同プロジェクトでは船頭たちの素顔を知るために、20時間以上にわたるインタビューを実施。それぞれの信条や性格、趣味や好きな食べ物に至るまでリサーチされており、カード内の情報に厚みを持たせています。

2024年5月の発売時には、鵜匠が鵜飼の準備を行う川辺にカードを手にした観光客や子供たちが集まり、サインを求める姿も。カードを集めることは単なる趣味以上に、鵜飼への興味を深めるきっかけとなっています。

伝統文化と現代カルチャーの融合

伝統と現代のカルチャーを結びつけることで新しい観光の形が生まれ、地域の活性化だけでなく、若年層の新たなファン層獲得や観光誘致といった効果も見込まれる本施策。

PASSING on PROJECT岐阜長良川鵜飼が試みた今回の取り組みは、長良川鵜飼のような歴史的文化がこれからも未来へと受け継がれていくための第一歩となりそうです。

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