SNSをフル活用した行方不明児童捜索プロジェクト “Milk Carton 2.0”

Case : Milk Carton 2.0

カンヌ2013モバイル部門でシルバーを獲得した作品です。
多発する児童誘拐事件を解決するために、カナダで実施されているSNSを活用した捜索プロジェクト。

その名は、“Milk Carton 2.0”(牛乳パック2.0)。

プロジェクト背景

カナダでは、年間50,000人もの児童が誘拐され行方不明になっているといいます。誘拐された児童の目撃情報を集めるために、1979年初めて牛乳パックに情報提供の広告がプリントされました。

デジタル時代の現在、その“牛乳パック広告”に代わって、より多くの目撃情報を集めるために効果的だと注目されたのがSNSです。“Milk Carton 2.0”プロジェクトは、あらゆるSNSを用いて行方不明児童の情報提供を呼びかける、デジタル時代の“牛乳パック広告”プロジェクトというわけです。

施策内容

“The World’s Most Valuable Social Network”というウェブページを立ち上げ、誘拐された子供たちの情報を随時発信します。

ユーザーはこのページで自身のFacebookアカウントやTwitterアカウントを登録すると、サイトで新たに情報が発信された際、ニュースフィードに行方不明児童にまつわる通知がなされるという仕組みです。SNSのつながりを通して多くの人に情報を発信することができます。

“Google”サーチも一役を担います。通常は広告が掲載される箇所に行方不明児童の情報を掲載します。カナダでは1日に約8千万件の検索がなされるといい、多くの人が行方不明児童の情報を検索の度に目にすることになります。

さらに、写真共有サービス“Pinterest”を活用して、行方不明者の顔写真だけでなく、失踪時に身に着けていた洋服、誘拐犯が犯行に使った車の写真などを共有します。ビジュアル情報をより多く提供することで行方不明者の発見の糸口にします。

そして、位置情報サービス“Foursquare”を利用して、児童が行方不明となった地点の近くでチェックインした人に、「あなたが今いる場所の近くで子供が行方不明になりました」という通知を送り、目撃情報の提供を促すものです。(誘拐事件では、事件が発生してから3時間以内の捜索が事件解決にとても有効だという点からこういった取り組みもなされたといいます)

結果

この取り組みは多くのメディアで紹介され、プロジェクトが始動してから5か月の間に、6人もの行方不明だった子供たちが発見されたそうです。

インターネットや携帯電話が普及した現代だからこそ可能になった「みんなで子供を見守るシステム」。

こういった“ソーシャルメディアを活用した繋がり”は有意義で、素敵ですね。

デジタルツールを駆使した「行方不明者の捜索プロジェクト」に関心のある方は下記もご覧ください。
常識にとらわれない行方不明者捜索プロジェクト(まとめ)

動画はコチラ

参考サイト

digital buzz blog
http://www.digitalbuzzblog.com/milk-carton-2-0-the-most-valuable-project/

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