「いいことしながら集客できる」資源回収活動の事例10選

世界的にも国内においても取り組み目標の設定がされているなか、SDGs=持続可能な開発目標を設定する企業は増加傾向にあります。また、衣料や食品など資源回収をして、かわりにクーポンを発行するなど、「集客のための資源回収」の取り組みも活発です。

今回は、そんな「いいことしながら集客できる」資源回収活動の10事例をまとめてお届けします。

1.弁当容器がおかずに!? 相模原市が究極のリサイクルループを利用した「SDGs弁当」を販売

相模原市では2022年5月以降、さがみはらSDGsパートナーとの連携により、植物由来素材のお弁当の容器を回収して堆肥化し、その堆肥で育てた農産物を使ったお弁当の販売を目指すプロジェクトを進めており、2023年8月22日(火)に成果物である「SDGs弁当」を相模原市職員生協にて販売しました。

バイオマスが含まれるなどの環境配慮型容器は、脱プラスチックという視点では環境に良い反面、リサイクルができず、使用済み容器は廃棄するしかない現状があります。そこで相模原市では、循環型社会に向けての取り組みとして、さがみはらSDGsパートナー企業と連携し、上記のような素材とは異なる植物素材由来の容器を回収、堆肥化し、その堆肥で育った農産物を使ってお弁当をつくるといったプロジェクトによるリサイクルループを完成させています。

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2.不要品が2000円クーポンに、UAの提唱する「循環するファッション」活動

ユナイテッドアローズでは、サステナビリティ活動「SARROWS(サローズ)」の取り組みとして、不要となった衣料品を回収し、さまざまな形でリユースやリサイクルにつなげる「UA RECYCLE ACTION(UAリサイクル アクション)」を開催しています。

「SARROWS(サローズ)」とは、「Sustainability」の「S」と、「ARROWS」の「A」をかけ合わせた造語で、ユナイテッドアローズのサステナビリティ活動の合言葉となっています。サステナビリティ推進の指針として5つのテーマと16のマテリアリティ(重要課題)を定めました。

さらに、2022年8月、2030年に向けた3つの活動目標:「Circularity(循環するファッション)」、「Carbon Neutrality(カーボンニュートラルな世界へ)」、「Humanity(健やかに働く、暮らす)」と、この3つのカテゴリーに紐づく数値目標を設定しています。これらの目標の実現を目指し、具体的な取り組みを進めるとともに、その進捗状況を積極的に情報発信していくとしており、今回の取り組みもその一環として実施されています。

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3.廃棄予定のコルク栓を再資源化!クルックフィールズの地中図書館で採用されたアップサイクル事例

年間でおよそ4億5000万本のワインが消費されている日本ですが、抜かれたコルク栓はこれまでずっとゴミとして捨てられてきました。しかし、天然素材のコルクは人にも環境にも優しいことから、石油由来素材の代替として社会のさまざまな分野で、利用価値が大きく上がろうとしています。

そんな資源を最大限に活かし、未来のために役立てたいという思いから、これまで東京都内の飲食店や小売店を中心に廃棄予定のコルク栓を回収・再資源化し、新たな製品や再生素材として世の中へ発信してきた「TOKYO CORK PROJECT」。今回、その再生されたコルク素材が「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」の地中図書館にて採用されました。

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4.持続可能なアパレル業界へ。リサイクル品を美大生の協力でアートに仕立てたOOH

大手のブランドからD2Cブランドまで、日々多くの会社が参入するアパレル業界では、その発展と比例して持続可能なビジネスの展開を行うことの重要性が注目されています。

ヨーロッパにおいては年間200万トンもの衣料品が破棄されているデータがあり、リサイクル品としての回収や中古市場での流通など、無駄な廃棄を少しでも削減するためにさまざまな手段が講じられています。

ドイツ・ベルリンに拠点を構えるアパレルブランドZalandoは一般ユーザーから集めたリサイクル品を販売する新しいサービスを開始し、そのプロモーションを行うために文字どおり“リサイクル”をフックにしたOOH施策「Pre-Owned(中古品)」を公開しました。

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5.不要品で途上国の子どもたちを救おう。ブックオフと認定NPO法人の回収支援キャンペーン

ブックオフでは、不要になったものを通じて社会貢献ができる宅配買取寄付サービス「キモチと。」を展開しています。現在、認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会とともに「キモチと。」を活用した「春の新生活 不要品でワクチン支援!!回収支援キャンペーン」を2024年4月26日(金)まで開催しました。

今回のキャンペーンは、家や会社、学校などに眠る、使われていないものを「キモチと。」を通して送ると、ブックオフが買い取り、買取額にブックオフ協力分の10%が上乗せされた金額が、途上国の子どもたちへのワクチン支援になるというもの。

買取対象は、本やCD・DVD・Blu-rayをはじめ、ジュエリーや金・プラチナといった貴金属など30品目以上。フリマアプリで購入者が見つからない、アプリの利用が難しいという人でも、手元に不要品があれば誰でも参加可能なキャンペーンとなっています。

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6.コロナ禍収束後の埋蔵マスクを回収?「MASCODE」の表参道 POP-UP STORE

株式会社サン・スマイルが手がける、ファッション性と機能性を両立させたマスクブランド「MASCODE(マスコード)」は、2024年2月21日(水)から2月25日(日)までの期間、ZeroBase表参道にポップアップストア「MASCODE POP-UP STORE」を展開しました。今回のイベントはコロナ禍収束に伴う「マスク離れ」の今、花粉症非罹患患者にも予防としてのマスク着用を呼びかけるためのもの。

また、MASCODEでは障がい者アートの支援を通じてSDGsの活動を推進しています。今回のポップアップストアの2階では、障がい絵師の杉田大河氏の作品展示も実施。そこへ埋蔵マスクを回収する「回収ボックス」も設置。回収したマスクは本施策に共感いただいた障がい絵師杉田大河氏所属の一般社団法人ソエルテをはじめ、障がい者支援施設などに寄付するものとなっています。

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7.「すてない暮らしはじめませんか?」コンポスト体験イベントを国分寺マルイにて開催!

2024年4月19日(金)と4月20日(土)の両日、国分寺マルイにて、ローカルフードサイクリング株式会社による「LFCコンポスト」体験イベントが開催されました。

「すてない暮らしはじめませんか?」生ごみから堆肥をつくる、都市型コンポストを学ぼう! と題されたこのイベントでは、はじめてのコンポスト講座と堆肥の回収&相談会、そして「LFCコンポスト」の販売に、生ごみ堆肥で育った加工品販売を実施。

家庭の⽣ごみを微⽣物の働きで分解し堆肥にすることができるコンポスト。できた堆肥は家庭菜園やガーデニングに利⽤できるほか、コンパクトなバッグ型「LFCコンポスト」はベランダでも使⽤可能となっています。

コンポストをやってみたいけれど、なかなか最初の一歩を踏み出せない方やどんなものか実物を見て知りたい方に向けての講座の開催により、多くの人にコンポストを知ってもらい、生活に取り入れてもらうことを目指したイベントとなりました。

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8.SDGs達成に向けて妖怪が立ち上がった!イオンモール岡山6階「アスエコ」にて「SDGs×妖怪展」開催

香川県・小豆島の迷路のまち、土庄本町にある妖怪美術館は、2024年4月19日(金)から7月28日(日)までの期間に、イオンモール岡山6階の公益財団法人 岡山県環境保全事業団 環境学習プラザ「アスエコ」にてコラボ展「SDGs×妖怪展」~みんなのそばにいるSDGs妖怪~を開催しました。

SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲットを踏まえ、6(安全な水とトイレを世界中に)、13(気候変動に具体的な対策を)、14(海の豊かさを守ろう)、15(陸の豊かさを守ろう)の4つの「環境」にかかわりのある目標を、なじみのある妖怪の造形作品にしてイメージしやすいように展示。日常生活の行動変容につながるきっかけになることを目指したものです。

2016~2030年の15年間を対象期間とするSDGsは、2024年から「後半戦」に突入し、より具体的な行動が求められるフェーズと捉えられています。アスエコが2023年に実施したアンケートでは、回答者の9割が「SDGsをもっと知りたい」、5割が「SDGs達成に向けて実際に行動したい」と回答。具体的な行動変容につながるきっかけづくりが求められていると考え、展示の開催が実現しました。

今回、妖怪美術館に所蔵されている903体の中からテーマに合わせて厳選した17作品をSDGs達成の啓発や環境問題を戒める妖怪に見立てて展示。立体造形6作品、パネル11作品に上ります。また、「生活空間に妖怪が現れる」イメージ訴求で節水や節電などの行動を促しています。

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9.お家で捨てるよりラクでおトクに!?“不要になった洋服”を持ってくるだけでクーポンがもらえて、さらに簡単にエコ活動に参加!

はるやま商事株式会社は、服の循環で、ファッションと地球の未来を作るプロジェクトに賛同しています。また、一部店舗を除く、はるやま店舗では、株式会社ECOMMITと伊藤忠商事株式会社が2022年3 月に開始した資源循環プロジェクト「Wear to Fashion」による衣料品回収に参加しています。

下取りした衣類は、日本市場における繊維製品の回収サービス「Wear to Fashion」を通じて、伊藤忠商事が展開する繊維由来の再生ポリエステルRENU®などの衣類だけでなく、工業用ウエスや自動車用吸音材などに生まれ変わっています。

リサイクルポリエステルRENU®(レニュー)は、廃棄される衣類や生産時に発生する残反や裁断くずを有効活用することで、不要になった繊維から新しい繊維を生み出すサーキュラエコノミーの実現を目指し、石油をはじめとする化石資源の使用量削減に貢献する活動です。原料となる廃棄された繊維を分解・再重合といった化学的な工程によって再生し、レギュラー品と比較してもクオリティが劣らない商品を提供しています。このRENU®を使用した製品を購入することで、服を服にリサイクルする新しい生産システムの創造に地球規模で貢献することとなります。

はるやま社は、この活動を通じて、回収した衣料品からリサイクルした再生繊維を活用した商品の開発・展開への挑戦を目標に活動。よりこの活動を浸透させるため、2024 年 4月 6 日(土)から5 月 19 日(日)まで期間で、春の衣替え応援下取りキャンペーンを実施しました。季節の移り変わり時期に、下取りを通じてより多くの方の衣替えを応援したいという思いから、自宅にある不要なワイシャツ・スラックス・ネクタイ・カジュアル・ブラウス・カットソーをはるやま店舗に持っていくと、店内商品のご購入時に使用可能な割引券と引き換えてくれるキャンペーンとなりました。

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10.ニトリのカーテン回収、期間限定でニトリポイントプレゼント!全国174店舗の「デコホーム」でも常時受付スタート!回収対象店舗が拡大します。

株式会社ニトリは、2024年7⽉8⽇(⽉)から9⽉1⽇(⽇)までの期間限定で、全国のニトリ・ニトリEXPRESS・デコホーム・島忠・島忠ホームズ・ニトリホームズの店舗に、不要なカーテンを持ち込んでもらうと、全商品から1点以上の買い物をされた⽅にニトリポイントをプレゼントするキャンペーンを実施。今回から、全国のデコホームでも回収できるようになりました。

ニトリグループは、お客様のお困りごとを解決すると同時に、限りある資源を守るため、ご不要になったカーテンを販売元にかかわらず回収し、リユース・リサイクルへつなげる取り組みを推進しております。

この度、「近くにニトリや島忠店舗がないので持ち込みづらい」「不要なカーテンをもっと手軽に持ち込みたい」というお客様の声にお応えし、主に駅ビルや各地ショッピングセンター内などに店舗を構える全国174店舗(2024年6月17日現在)の「デコホーム」全店でも常時回収の受付をスタート。回収対象店舗が拡大し、より持ち込みがしやすくなりました。

さらに、6⽉17⽇から9⽉1⽇までの期間にニトリで全商品から1点以上の買い物をし、7⽉8⽇から9⽉1⽇までの期間にカーテンを持ち込んだ⽅に、ニトリポイント300ポイントをプレゼント。他社のカーテンの持ち込み可能ということで、カーテンの処分や買い替えを検討中の方には絶好の機会となりました。

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「いいことしながら集客できる」資源回収活動の10事例まとめ

2030年までに持続可能でよりよい世界の実現を目指す国際目標である、SDGs。日本国内でも積極的に取り組まれ、もはや企業にとっては必須の社会貢献メニューとなっています。

さまざまな取り組みのあるなかで、「いいことしながら集客できる」は、企業にとっても消費者にとってもメリットがある取り組みです。「やるべき」ことも、それだけだと進んで選択するのは難しいもの。

いいことをしながら、自分自身もお得を感じられれば、選択への後押しがダブルになります。ユーザーの行動選択のきっかけづくりとともに、企業の社会貢献や販促にもつながるアプローチ集となりました。

・※参考サイト:SDGsとは?(外務省)

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