おせちシーズンに「黒豆」の魅力を訴求 フジッコが方向転換したCSR広告とは

フジッコ株式会社は、最大需要期である12月に放映する「丹波黒黒豆」のテレビCMについて、従来の商品訴求を中心とした内容から方針を転換し、「食育活動の取り組み」および「和食文化継承活動」の紹介を軸としたCSR広告として、2025年12月25日(木)から放送しています。

同社は、黒豆製品市場のリーディングカンパニーとして、黒豆の普及啓発や和食文化の継承に向けた取り組みを継続的に推進してきました。2023年には、「丹波の黒豆」が全国に広まるきっかけとなった、篠山藩から江戸幕府への「黒豆献上」を、徳川家と縁のある上野東照宮の協力のもと奉納式として約160年ぶりに復活。CSRイベントとして、日本の食文化の背景をわかりやすく発信しています。

このCM刷新も、そうしたCSR活動の一環として、自社商品の販売促進にとどまらず、黒豆市場全体の活性化や、日本の和食文化のひとつである「おせち」市場の再活性化に貢献することを目的としています。広告では、現代人に不足しがちな栄養素を、おいしく手軽に摂取できる食材としての「黒豆」の普遍的な価値に焦点を当て、特定商品の訴求はあえて控えた構成としています。

最大の商戦期にあえて商品訴求を前面に出さず、社会的意義や文化的価値を伝える構成に舵を切った点が印象的な広告。自社ブランドの売上拡大でなく、カテゴリー全体の底上げや食文化の継承を目的に据えることで、日本の食文化を守る決意や信頼感を強く訴求しています。短期的な販促よりも、中長期的なブランド価値向上と市場育成を見据えた、未来につながるCSR事例といえるでしょう。

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