「コール天」は死語じゃない 国産コーデュロイ存続をかけたクラファン実施

「コール天」と聞いて「コーデュロイ」のことだとすぐにわかる人は、ヴィンテージファッションマニアや、年配者に限られるかもしれません。

懐かしさを感じる「コール天」という言葉を再定義することで、アパレル企業のブランディングを行うと同時に、失われつつある国産テキスタイルの魅力を伝えます。遠州織物ブランド「HUIS(ハウス)」が、クラウドファンディングを開始しました。希少な国産コーデュロイを後世に残そうという取り組みです。

コール天(国産コーデュロイ)と、浜松市や磐田市など静岡県西部の遠州地域の関わりはとても深いもの。明治時代にトヨタグループ創業者(豊田佐吉さん)が力織機を発明したことで、同地でのテキスタイル生産量が飛躍的に増加。磐田市福田地区でコール天や別珍(ベルベット)が製造され、現在に至るまで生産されているそうです。

そんな遠州産テキスタイルにこだわるアパレルブランドが「HUIS(ハウス)」。この取り組みを通じて、英語の「corduroy(コーデュロイ)」を日本語風に呼んだ「コール天」という言葉を、国産コーデュロイを指すものと再定義しました。

クラウドファンディングを開始すると同時に、希少な国産コーデュロイを後世に残す取り組みをさらに広げようと俳優・松重豊さんが出演する配信シリーズ『松重見聞録』(運営:TIMELINE/タイムライン)とコラボレーションを実施しました。

『松重見聞録』は、松重さんが遠州織物の生産現場を訪れ、職人の技術や情熱を伝えるというドキュメンタリー配信です。第11弾にあたるこの配信では、遠州エリアを訪れ、国内で唯一現存しているというコーデュロイ加工場などを訪問することで、さまざまな人びとへその魅力を訴求します。

海外メゾンブランドなどにも数多く採用され、国際的に高い評価を得ているという遠州織物ですが、生産現場を取り巻く現状は厳しく、職人の高齢化や後継者不足・原材料費の高騰などにより事業継続を断念する事業者が増えているそうです。

こうした課題の解決を図るために、アパレルテキスタイルをめぐる要所である織物工場や、職人らを通じて日本の優れたものづくりを紹介。さらに忘れられかけている言葉をリブランディングすることで、幅広い世代へとPRを行いました。

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