「値上げしない」挑戦 北海道・函館にあるたこ焼き店の“トレカ”戦略

物価高騰のなか、多くの飲食店が値上げや量の調整で対応しています。しかし湯の川温泉(北海道・函館)にある、3坪のたこ焼き店「たこ焼き菜々」の店主が考えたのは「たこ焼きトレーディングカード」の販売。開店からの8年間、オリジナルグッズの販売は初めての試みだそうです。

2025年9月20日(土)から発売したカードは1パック3枚+シール1枚入りで500円。全国から注文が集まっているといいます。

ピクセルアートで魅せる“笑えるトレカ”

ファミコン風ピクセルアートでデザインされたカードは、必殺技やステータスを明記した仕様で、デザインや文面・パッケージまで店主が手掛けています。また、初回ロットはゴールドフレームの豪華デザインが施され、レアリティを高めています。

カードのネタは日常の会話や出来事から生まれており、《駐車場ボスゲート》は「たこ焼きより駐車場代が高い」という雑談から誕生。通販限定カードは社会風刺やストーリー仕立てなど、コレクション性を高める工夫にも余念がありません。

店頭・通販で異なる展開

カードは店頭限定(No.1〜25)と通販限定(No.26〜50)の2シリーズ。店頭版は函館らしい要素を盛り込み、通販版はギャグやユニークな発想を中心に構成されているそうです。観光客向けにホテルや空港には非売品のプロモカードも設置し、誘客施策としても活用されています。

さらに全パックに特製シールを封入。カードと同じデザイン・レアリティーを持ち、全50種類のコンプリートを目指せる仕組みです。カードを揃えにくくても、シールでも楽しめる工夫があります。

特典で思い出の1枚を提供

9月20日(土)の発売日からは、店頭購入者にレジェンドレア仕様《TN-000 たこ焼菜々》を進呈。これは先代から店を受け継いだ日の思い出を描いた特別カードです。予約特典には《届け!たこぴ便》も用意され、購入を後押しします。


通販サイト「BOOTH」の予約特典《届け!たこぴ便》

店主は「たこ焼きは食べればなくなるけれど、カードは旅の思い出として残る。だからこそ物価高騰のなかでも値上げではなく、この挑戦を選びました。」と語ります。たこ焼きより高いカードを売るという逆転策は、函館から全国へと広がりつつあります。

小さなお店だからこそ叶えられた逆境を超える工夫

今回の事例は「値上げしない」という姿勢から生まれました。観光地らしい土産要素とコレクション性を兼ね備え、顧客満足と収益を両立させています。たった3坪という小規模飲食店が、発想次第で逆境を乗り越える戦略を見出しました。

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