化粧品ブランドのプロモーション10事例。男女問わず広がり続けるターゲット層にアプローチ
かつては“女性のもの”という印象が強かった化粧品ですが、最近ではスキンケアやメイクを楽しむ男性も増えています。また、長く愛用してもらうためにも、化粧品を使い始める若年層へのアプローチも盛んになってきました。
そんな市場の変動に呼応するかのように、さまざまなターゲット層に向けて、工夫を凝らしたアプローチを行う化粧品ブランドのプロモーション施策をピックアップ。今回は、広がり続ける化粧品ブランドのプロモーション10事例をまとめてお届けします。
1.眉メイク専門ブランド、眉毛デビューを応援するプロジェクト「眉毛ホームルーム」を開催
株式会社伊勢半が展開する眉メイク専門ブランド「ヘビーローテーション」は、中高生の眉毛デビューを応援するプロジェクト「眉毛ホームルーム」を実施しています。そして今回、2度目となる「眉毛ホームルーム」が2024年5月29日(水)に渋谷区立原宿外苑中学校で開催されました。
同プロジェクトは、「一人でも多くの中高生が眉メイクを通して、自信を持てるきっかけをつくりたい。また、ヘビーローテーションの商品を使うことで自己表現を楽しんでほしい。」という思いから2023年にスタート。
今回の実施は、メイクを校則で禁止している学校が多いなか、「 Don’t think.Just do ! HarajukuGaien“やっちゃえ 原宿外苑“ 」を合言葉に教育活動を展開している原宿外苑中学校が、伊勢半の企業理念や「眉毛ホームルーム」企画に賛同したことで開催に至ったものです。
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2.お風呂上がりにスキンケアをお試し!おふろcafe utataneがTIRTIRとコラボ
株式会社温泉道場が運営する、埼玉県さいたま市の温浴施設 おふろcafe utataneでは、韓国発のコスメブランドTIRTIR(ティルティル)とのコラボイベントを2024年6月1日(土)から6月30日(日)までの期間限定で開催。
おふろcafe utatane の男女浴室の脱衣所で、TIRTIRのスキンケア・メイクアップ商品がお試しできるというもの。スキンケア商品は、化粧水や美容液、保湿クリームに洗い流さないバブルマスクとヘアオイルを。メイクアップ商品は、日焼け止め、化粧下地にクッションファンデーション、コンシーラーを用意。おふろ上がりに気になる商品を使ってスキンケア・ヘアケア、ベースメイクまでトライできます。
また、脱衣所外に設置された女性パウダールームは、一面がTIRTIRをイメージしたフォトスポットに。TIRTIRの商品をお試しした後に、写真撮影まで楽しめる施策となりました。
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3.「ブラウンの挑戦状!!」カラフルな春カラーとは真逆のキャンメイク広告が渋谷に登場
株式会社井田ラボラトリーズは、2024年3月下旬より発売を開始したキャンメイク「プティパレットアイズ04 アマンドブリュレ」の交通広告を掲出。「ブラウンの挑戦状!!」と題されたこの交通広告は、東急田園都市線・東急東横線の渋谷駅に4月1日(月)から7日(日)まで掲出されました。
今回の広告デザインは、キャンメイク商品企画担当者の熱い想いを、直筆メッセージとして採用したもの。担当者は、学生の頃からブラウンメイク好きで、今でも365日中350日はブラウンのアイシャドウを愛用する“ブラウンマニア”を自負するだけあって熱意あふれるメッセージとなっています。
明るいパステルカラーが豊富な春コスメ市場に、ピンクがイメージカラーのキャンメイクがあえて掲出する、ブラウンに特化した、ブランド初となる”真っ茶色”の広告となりました。
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4.スキンケアブランドが提唱する新たなライフスタイル “聴くスキンケア”とは
ナチュラル&オーガニックスキンケアブランド「newscape」を展開するニュースケープが、毎日のスキンケアタイムが肌を整え、心が満たされる大切な時間となるように、“聴くスキンケア”という新たなライフスタイルを提案。ロサンゼルス在住のコンポーザー・TAISUKE KIMURA氏によるコラボレーション制作楽曲「unscented」を2023年12月1日(金)より配信開始しました。
「newscape(ニュースケープ)」はnew (新しい)+ scape(景色)= 直訳して“新しい景色”を意味する造語で、”unsented”(限りなく香らない無香料)・天然由来100%をコンセプトとしており、CO2排出実質ゼロを目指すと同時に地球環境への負荷を可能な限り軽減し、積極的に脱プラスチック化・ゴミZEROにもチャレンジしています。
誰の真似もしない、凛とした新たな楽曲づくりに向き合う姿勢と、ブランドのコンセプトやフィロソフィーが共鳴。TAISUKE KIMURA氏自らが全ての楽器を演奏し、フィールドワークで録音した自然な鳥のさえずりなどを紡いだ楽曲となっています。
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5.恋愛番組風のドラマCM全6話、ABEMA×ロートスキンケアの見てもらう広告コンテンツ
ハンドクリームやティントリップ、日焼け止めに男性向け洗顔まで、さまざまなスキンケア関連の商品を展開しているロート製薬。今回ロート製薬は、「スキンケアといえばロート」という認知拡大をすべく、新たなプロジェクトを発足。そのプロジェクトの一環として、新CM『素肌みたいな恋がしたい』が「ABEMA」にて制作され、2023年公開しました。
今回のCMは、恋愛番組に参加する個性豊かな6名の男女の初々しい恋愛模様を描いた、恋愛番組風のドラマCM。主演に長濱ねるさんをむかえ、内藤秀一郎さん、折田涼夏さん、小西詠斗さん、ジェラードンのかみちぃさん、アタック西本さんがキャストとして出演しています。
また、主題歌には、人気アーティストいきものがかりの代表曲「気まぐれロマンティック」を起用しています。「気まぐれロマンティック」の持つ、ポジティブで明るい楽曲のイメージと女性視点で描く恋の心情が、スキンケア商品を使って前向きになる主人公の心情と重なり、物語の世界観に彩をそえる仕上がりとなっています。
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6.よく見ればすべて商品。オルビスに学ぶ 「知りたい」を喚起させるビジュアル作りのアイデア
オルビスより、今夏サイエンスによって導かれた新クリーンビューティブランド「CLEANENCE(クリーンエンス)」が登場します。第一弾商品として、クリーンとサイエンスを追求したスキンケアアイテムとして、フェイシャルソープ「クリーンエンス ピュリファイング ジェントル フェイシャルソープ」、スキントナー「クリーンエンス クラリファイング トリートメント トナー」を新発売。それにともなって、ブランドイメージが発表されました。
昨今、環境への配慮を意識したSDGsの取り組みをはじめとし、美容へも新たな選択肢として「クリーンビューティ」が注目されています。自然と共存していく新しい時代の価値観に共感し、ライフスタイルに取り入れたいと思う一方で、「クリーンビューティ」に関するアンケート調査(サーベロイドによるネットリサーチ)によると、実際に「クリーンビューティ」を認知している割合が全体の24.1%、そのうち、生活に取り入れている割合は4.7%と、まだまだ浸透していない現状が明らかになりました。
また、「価値観は素敵だけれど肌への効果はどうか」「肌に合わなかったりしないだろうか」など“肌への効果や品質への安心感”に懸念を感じ、取り入れるまでに至っていないのではないかという課題にも着目し、今回の新ブランド誕生のきっかけとなっています。
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7.世界にひとつだけのニベア缶でブランドの姿勢も伝える販促イベント
2023年で日本発売55年を迎え、多くの愛用者がいるニベアクリーム。私たちにもなじみ深いスキンケアクリームとして定着したのは、乾燥から肌をまもるといった機能イメージだけでなく、「あの香り」や、大切なものを「まもりたい」というブランドコミュニケーションによるものと考えられます。
そんなニベアでは、ニベアの世界観の中で「家族」や「大切な人」との楽しいひとときを体感してもらうことを目的に、全国のスーパーマーケットやホームセンターなどで、ふれあいイベントを開催しました。
イベントでは、ニベアクリーム大缶の購入者を対象に、イベント会場で撮った写真でオリジナルのニベア青缶(通称「フォト缶」)が作れるコンテンツを提供。世界で一つだけのニベア缶を手にすることができます。当日イベントに参加した人による個人使用だけでなく、遠くで暮らす祖父母へのプレゼントなど、三世代に渡る家族間のコミュニケーションのツールなどにも活用され、好評を博しました。
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8.場所と気分で商品パッケージをカスタマイズ!キールズが仕掛ける究極のローカライズ施策
1851年、ニューヨークのイーストヴィレッジの一角に、一軒の小さなアポセカリー(欧米などの調剤薬局)として誕生したスキンケアブランドのキールズは、美容や健康にまつわる情報を求める地元の人たちが集う小さなコミュニティから、今では世界で約67か国へと広まりました。
各国との出会いを祝し、創業当初から大切にしているコミュニティへの感謝を込めて各国らしいデザインの「Kiehl’s LOVES (キールズ ラブズ)」キャンペーンを毎年世界中で展開しています。2023年の日本のテーマは「LOVE YOUR SKIN, FEARLESS YOUR SUMMER やりたいこと、やってみよう。叶えたいこと、叶えていこう。肌も、自分も解き放つ夏を今年こそ!」。
行動制限の解除によりマスクを外す人も増えたほか、4年ぶりに夏のイベントも復活し、ワクワクするようなムードがあふれる今、「自分の肌を好きになって、夏を思いっきり楽しもう」というテーマで、90年代後半~2000年初期を彷彿とさせるようなプレイフルなデザインとなって登場しました。
この限定エディションの発売を記念して、スペシャルなイベントも開催。ポップでプレイフルな世界観を表現した空間は、夏を思いきり楽しめるようになっています。さらに、最先端肌測定機「ダーマリーダーPRO」で目に見えない現在の肌状態や未来の肌を測定してくれ、肌状態に合わせたスキンケアサンプルセットをプレゼントしてくれるコーナーも設置されました。
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9.メンズ美容の「壁」を取り払う。日本一薄いショップが裏原宿の「壁」にオープン
メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」は、2023年1月6日(金)から19日(木)までの約2週間、メンズスキンケアのハードルを下げ、誰でも気軽に簡単にスキンケアを取り入れるきっかけを作るショップ「THE WALL MARKET BY BULK HOMME」を原宿通りに期間限定で展開しました。
男性の美容に対するハードルはまだまだ高く、「スキンケアをすることが意識の高い行為である」「メンズメイクをすることが恥ずかしい」「毎日継続するのが面倒くさい」などネガティブな「壁」が存在していると考えているバルクオムは、すべての男性が自分らしく年を重ね、充実した人生を送るために、メンズビューティを通して男性のライフスタイルをサポートしています。
その壁を取り払う、時代背景に沿ったオリジナルの方法を模索し、2021年の6月には非対面で製品を購入できるオリジナルの自動販売機を展開。そして今回は第2の提案として、メンズスキンケアへの「壁」に着目し、1月6日という年始の人通りが増えるタイミングに、男性に向けて美容の気軽さとハードルの低さをアピールし、ネガティブな「壁」を取り払うことを表現する、「THE WALL MARKET BY BULK HOMME」を期間限定でオープンしました。
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10.キスがなくなったらどうする?問いかけと答え合わせの重層キャンペーンで商品を自分ごと化
メイクアップブランドKiSSは、ハチ公広場前シブハチヒットビジョンにて、「もし、この世界から“キス”がなくなったらあなたはどうする?」広告動画を2023年7月31日(月)から8月6日(日)までの1週間放映しました。そして、「キス」がなくなる?の全容は、8月7日(月)にKiSSブランドサイトにて公開。
また、今回の動画の公開に合わせ、「#もしキス2023」プレゼントキャンペーンをKiSS公式Twitter・Instagramにて実施しました。Twitter&InstagramにてKiSS公式アカウントをフォロー、該当投稿にいいね!で10名に新しいKiSSコスメが試せる「コスメBOX(新商品7種)」がプレゼントされるというものです。
ドキッとする謎のメッセージとともに、真っ赤な広告の公開。公共性に富んだ屋外広告と個人へのアプローチに強いSNSなどの両極を使ったキャンペーンがますます増えてきています。こちらはさらに動画による答え合わせまで準備され、多層的展開がワクワクを誘うキャンペーンとなっています。
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広がり続ける化粧品ブランドのプロモーション10事例まとめ
市場の変化により、多彩なアプローチをする化粧品ブランドの施策事例が集まりました。一見すると奇抜な施策のように見えて、じつは新たに獲得したい新規ターゲットへの訴求という施策意図も窺えます。
既存のユーザーへの真摯な商品供給とともに、新しいユーザーの獲得を目指す飽くなき探究心の感じられる事例集となりました。
その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
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