より深い認知獲得の人気施策「謎解き」をうまく活用した好例8選
謎解きは一時のブームから一気に広がりを見せ、いまや定番のエンタメとして定着してきました。
また、技術の進歩によってリアルイベントだけでなく、ブラウザ、アプリ、QRコード、仮想空間などと組み合わせることにより、幅広い展開が可能となったことも要因の一つといえそうです。
非日常を味わえるエンタメ性や謎解き後の達成感に加え、謎解きに友人や家族と一緒に取り組むことでのコミュニケーションツールとしての役割など、人がハマってしまう魅力がたくさん詰まっています。
そんな人気の謎解きをキャンペーンやイベントに盛り込んでPRすることにより、多くの注目を集めることができ、SNSでの情報拡散も見込めることから、マーケティング戦略としても積極的に活用されています。
今回は、そんなより深い認知獲得の人気施策、謎解きイベントの好例8選をまとめてお届けします。
1.サーティワン×松丸亮吾「謎解き付き アイスクリームセット」選んで、遊んで、おいしい正月
サーティワン アイスクリームは、2024年1月1日(月・元日)から1月10日(水)の期間限定で、お正月みんなで一緒に楽しめる数量限定の「謎解き付き アイスクリームセット」を販売しました。
今回のセットは、謎解きクリエイター松丸亮吾さんが考案したサーティワンオリジナル謎解き付き。BOXデザインはアイスクリームがかわいい和柄で新年にふさわしい華やかなパッケージに仕上がっています。
華やかな見た目のアイスクリームをセットで箱に詰めると人が集まる時期のパーティ感を演出してくれます。そこへ、最近のトレンドである謎解きの組み合わせ。年末年始という久しぶりに顔を合わせる際の会話のきっかけ作りにもなる、取り合わせではないでしょうか。
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2.紙・アプリ・ARと自分の足を駆使して謎を解け!世田谷線沿線を巡る周遊型謎解きイベント
謎解きを専門とするSphereMystica株式会社と東急電鉄株式会社は、世田谷線沿線での謎解きイベント「とあるケーキ職人の隠し事」を2024年3月26日(火)から12月31日(火)まで開催しています。
東京都世田谷区の三軒茶屋駅と下高井戸駅を結ぶ、東急電鉄の世田谷線。今回用意された謎解きは、「大きくなったら絶対おばあちゃんの弟子になる!」との約束を交わした、大好きだったケーキ職人のおばあちゃんが残した謎を紐解くというもの。紙の謎解きキット、Webアプリ、ARを駆使し、実際に移動して街の景観を楽しみながら謎解きを攻略していきます。
参加者自身が主人公となる、体験型の謎解きイベント。リアルな場所を巡ることでストーリーの臨場感を楽しめるほか、ゴールに到着した際には、謎解きを通じた街歩きで新たな世田谷線の魅力を発見できます。「街歩き体験×謎解き」というタッグの相性の良さをフルに活かした施策となっています。
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3.【謎解き×メタバース】見た人に謎を解かせる巨大ポスター広告が大阪・梅田に出現!
クリエイティブスタジオ「KAMITSUBAKI STUDIO」とYouTubeで配信中のショートアニメ「HELLO OSAKA」によるメタバース企画、KAMITSUBAKI STUDIO presents バーチャル謎解きミステリー「魔女謎解」with HELLO OSAKAがコラボレーション。謎解き付きの巨大ポスター広告を2024年3月18日(月)から3月31日(日)までの期間限定で、阪急うめだ本店前のムービングウォーク横に掲出しました。
「魔女謎解」の舞台は、阪急大阪梅田駅周辺の茶屋町エリアをモデルにしたメタバース空間。大阪らしいモチーフやネタも散りばめられており、街の散策と合わせて謎解きが楽しめる仕様となりました。
クリエイター集団が手がけた謎解きを広告内で掲示することで、通常のグラフィック広告よりも目に留まりやすくなるうえに、謎を解くために視認時間も長くなるのではないでしょうか。謎解きの答えが気になり、公式サイトにアクセスする人も増えるかもしれません。コンテンツに興味を持つきっかけとなる体験型広告は、他の業種にも応用できそうな事例がありました。
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4.さいたまの秘密をひもとく、謎解き旅行?オンラインも市内観光でも可能な体験型イベント
2022年の開催時には約5万人が参加した、オンライン・リアルでさいたま市をめぐって謎を解き、観光を楽しむ体験型謎解きイベント「さいたま謎旅」が2023年に再開されました。
9月末よりスタートしている、オンライン謎解き「さいたま謎旅-オンライン-」は、専用ウェブサイト上で「大宮」「与野」「浦和」「岩槻」「さいたま新都心」をめぐり、楽しみながら各地域の謎を解いていくイベントです。PC・スマートフォン・タブレットから専用ウェブサイトにアクセスするだけで、開催期間中、いつでも・どこでも参加することができる仕組みです。
人気の謎解きを街あるきコースにしているさいたま市の施策。オンラインでどこからでも気軽に参加できるコースから、実際に市内を周遊するコースまで、充実しています。「さいたまの秘密をひもとく」というワードチョイスも素敵です。
謎解きをクリアしたらSNSで発信したくなるでしょうし、ポスト(ツイート)すればもらえるプレゼントのほか、謎解き後に応募できるさいたまの魅力がつまった景品までそろっています。
なにより一度訪れてみて、その土地の良さを感じられるきっかけとして有効な企画ですが、参加への複数導線とSNSでの情報拡散の動機づけ、の重要性を感じます。何より本気度の伝わる謎解きコースとビジュアルなど、必要ピースがそろうと人気となって継続施策として成立することを示している好例となっています。
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5.ゆかり®︎を使った「謎解きレシピ」で、夏休みは親子で調理に挑戦
リアル宝探し「タカラッシュ!」は、三島食品とのコラボレーション企画となる謎解き『三島のゆかり謎 ―ゆかりが導く縁結び―』の販売を2023年8月4日(金)より開始しました。
大人気のふりかけとコラボする今回の製品では、まずは用紙やシールを使い、謎を解く過程でレシピを見ながら料理を一品ずつ仕上げていきます。その後、完成した逸品を手がかりに、さらなる謎に挑戦。ラストには「ゆかり®︎」を使わないと体験できない驚きの仕掛けが施されているというもの。
食品と謎解きという意外なコラボですが、ポイントは「親子で」「夏休み」「食育」。謎解きキャンペーンは昨今のトレンドとして人気ですが、大半は空間を使った施策が多いなかで、こちらは商品を使いながらも、教育にも結実する取り組みであるところがユニークです。総販売数20万個を超える「おうちでできる謎解きや宝探し」には、組み合わせ次第でいろいろな施策の展開が期待できそうです。
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6.高級ホテルニューオータニ東京も採用する「謎解き」は、もはやアクティビティの決定打
都心にありながら広大で緑豊かな由緒ある日本庭園に囲まれた、高級ホテルとして名高いホテルニューオータニ東京がコロナ禍の「おこもり需要」にあわせて2020年から販売を開始した、謎解きシリーズ。
その最新作となる第8弾「猫族の謎 神様の秘密」のキットもプレゼントされる宿泊プランが登場しました。ゴールデンウィークの予定がまだ決まっていない、遠出はまだ敬遠したいけれど連休を楽しみたい、そんな層に向けて「プール」「美食」「謎解き」と盛りだくさんな特典が付いた宿泊プランとなりました。
「プール」「美食」まではあたりまえ。そこに「謎解き」が加わることが宿泊の動機づけになるからこそ、シリーズ化しているということなのでしょう。「謎解き」はもはや一大ブームを超えてPR・広告の手法としても定着化しているのかもしれません。
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7.「発売前から推理に没入」ミステリー小説の新しいプロモーション
東野圭吾最新刊『あなたが誰かを殺した』(講談社)の発売発表とともに、今回の作品の舞台となる高級別荘地の地図が発売に先駆けて先行公開され、話題となりました。累計1,400万部突破の加賀恭一郎シリーズ最新作の、最新「事件」のヒントとは……。
2023年8月4日(金)に発売が告知されて以来、SNS上では「加賀はなぜ休暇中なのか?」「警視庁の加賀が別荘地にいる理由は?」「過去の『どちらかが彼女を殺した』『私が彼を殺した』の2作との関連性は?」などと話題沸騰となっている、加賀シリーズ最新作『あなたが誰かを殺した』。その9月21日(木)の発売に先駆けて公開されたのが、物語のヒントのひとつである作品舞台となる「別荘地」の全貌。地図のイラストを手がけたのは、イラストレーターの芦刈将さんです。
情報過多の現代において、これだけ情報が氾濫してくると、「発売前にどんな情報を出すか」の価値が重要になってきていることを感じます。今回の新作プロモーションがおもしろいのは、発売されてしまったらネタバレしてしまう小説の「ストーリー」の価値を、発売前までいかに引き伸ばすか、という点においたところ。
話もわからないのに、地図を公開するなんて、意味があるのかないのか……けれども、新作を待つファンにとっては、なにかしらの「情報」が提供されることがなにより大切となります。今後、こういう「仕掛け」つきの小説や映像作品が増えてくれるとワクワクさせられておもしろいと感じる施策がありました。
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8.正月の伝統料理が手がかりに、謎を “仕掛けた” おせち「ふくとくおせち」販売
株式会社タカラッシュは、「ふくとくおせち」の予約販売を2023年9月1日(金)から開始。この商品は、20問以上の謎が入っていて、お重一段ごとに謎が仕掛けられています。
具材の配置や名前などを手がかりにしないと解けない問題もあり、おせちが謎を解く重要アイテムとなっているところがポイント。そして、クリア後は今まで解いてきた過程を振り返りながら、おいしく食べてもらいたいというものです。
若者のおせち離れが話題になっている近年、謎解きのエンタメ要素を加えることで、家族の団欒や、日本の伝統食の魅力を改めて知ってもらうきっかけになってほしいという担当者の願いから生まれたといいます。
この商品を通じて、家族や大切な人とはもちろん、一人で過ごす方も特別な思い出となるようなお正月を過ごしてほしいという思いが込められた新たなアプローチとなっています。
関連リリース
「謎解き」をフックとした好例8選
謎解きのエンタメ性をうまく取り入れながら、商品やサービス、イベントとして楽しんでもらえる施策の数々を紹介しました。
アナログな紙だけでももちろん楽しめる要素として魅力的ですが、デジタル要素も活用してより広い視野から楽しめるコンテンツに仕立てるところが今後はさらに重要となっていきそうです。
その他の事例集についてはこちら
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