水不足に悩むブラジルで広まった“水を一滴も使わない”空っぽのバケツ・チャレンジ
Case: Empty Bucket
世界各地で社会現象化した、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の認知度向上及び研究支援のためのアイス・バケツ・チャレンジ (Ice Bucket Challenge)。バケツに入った氷水を頭からかぶるか、寄付するかを選択し、チャレンジを終えた人は、次なるチャレンジャーを指名できるとあり、瞬く間に拡散し大きな話題となりました。
これまでキャンペーンに参加した人は2,800万人以上、シェアされたビデオは240万本以上に上ると言われています。
このチャレンジは、ブラジルでも大きな注目を集め、多くの人が頭から氷水をかぶりましたが、ブラジルの多くの地域は水不足に苛まれているため、支援の目的を支持することはできても、“水をかぶる”という支援の手段は受け入れがたいものであったといいます。
ワシントンポストによると、これまで全世界で実施されたアイス・バケツ・チャレンジで1,890万リットルの水が使われたといいます。これは、コップ約6,300万杯分の水、またはシャワー約42万回分相当の莫大な量です。
そんな中ブラジルのNGO団体・OndAzulは、“水をかぶらない”バケツチャレンジを提案し、大きな支持を得ることに成功しました。
同団体が訴えたこと、それは『チャレンジの目的はもう知れ渡りました。さぁ、今度はバケツの中身について考えよう』といういうこと。
そして、“水をかぶること”が目的でないことを改めて確認し、貴重な水を一滴も無駄にすることなく、空のバケツを頭上でひっくり返すだけのチャレンジを通して、“水をかぶらなくても、支援できる”ことを広く訴求しました。
同国のセレブリティが積極的にチャレンジしたかいもあり、結果、同国ではこの“水を一滴も使わないチャレンジ”は、“水をかぶったチャレンジ”を超える寄付金を集めることに成功し、ALSの認知度向上同様、貴重な水資源への理解を深めることに貢献しました。
アイスバケツチャレンジを見て、“資源を無駄にすることなく支援したほうがいいのではないか”と考えること、訴えることは誰もができることですが、その思いを具体的な活動にして周囲を巻き込むのは並大抵のことではありません。実行力が光るドネーションプログラムでした。
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動画はコチラ
参考サイト
Adeevee
http://www.adeevee.com/2014/10/ondazul-empty-bucket-pr-online/
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