ナタデココがウェディングドレスに　副産物をアート分野で活用するフジッコのCSR活動

ナタデココを製造するフジッコ株式会社は、その製造工程で発生する端材を「ウエディングドレス」の素材として提供しました。ナタデココを素材として作られたウエディングドレスは、田羅義史さん（九州大学大学院芸術工学研究院・教員）の作品として、2025年10月31日（金）から11月9日（日）に開催された「DESIGNART TOKYO 2025」に出展されました。

ナタデココは酢酸菌の発酵によって作られるセルロースナノファイバーの一種。セルロースナノファイバーは、環境にやさしいプラスチック代替素材である「透明な紙」として世界から注目されています。ナタデココはこれまでも、その保水性や柔軟性を活かし、フェイスマスクなどの化粧品分野への応用や、端材を利用した紙で作ったノートや名刺など、食品以外への用途に活用されてきました。

出展されたウエディングドレスは、食品からできているとは思えない繊細な仕上がりで、端材の特性が生かされたフリルなどがあしらわれています。純白のカラーや透明感はかすかにナタデココを連想させ、その新たな可能性を感じさせます。食品の製造過程で発生する副産物をアートの分野でも活用することで、持続可能な社会の実現に貢献する取り組みになりそうです。

同社では、1993年よりフィリピンの伝統食品であったナタデココの自社生産を開始し、現在は日本で唯一国産のナタデココを製造しています。食品に食べる以外の可能性を見出し、その歴史や他社には真似できない強みを活かした同社ならではのCSR施策となっています。

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