折り紙や日本文化に英訳を添えて、想い出を演出「おもてなしOmat」

江戸時代から280年の歴史を持つ老舗の印刷会社、株式会社丸庄。和紙問屋として創業以来「紙」にこだわったものづくりを続けています。自社ブランド「maru+mono(マルモノ)」では、記念スタンプ専用「切って旅するスタンプノート」に続き、旅にまつわる新商品を展開しました。

そして、その第2弾として9月より販売開始したのが「おもてなしOmat(オーマット)」です。開発のきっかけは、温泉旅館で出会った1枚の手書きメッセージ。「あの心温まる体験を多くの人に届けたい」という想いから生まれた、想い出に彩りを添える新しいおもてなしアイテムです。

おもてなしOmatは、ランチョンマットに折り紙の折り方や日本文化・マナーの豆知識、英語訳を盛り込んだ多機能ツール。食卓を囲む人びとの会話を生み、国籍や世代を超えた交流を促進。コミュニケーションを楽しみながら、心に残る想い出づくりをサポートします。また、使用後は記念として持ち帰ることができます。

開発の背景には、実体験にもとづくエピソードがありました。商品開発を担当した社員の木村さんが日頃の自分へのご褒美と癒しを求めて、その温泉旅館に宿泊したある夜。夕食の席に着くと、お膳の脇に小さな和紙が1枚置かれていました。

そこには仲居さんのきれいな字でこう綴られていました。
「遠いところ、お疲れ様でした。どうぞごゆっくりお寛ぎください」

その言葉に心がふっと軽くなり、同席していた家族との会話も自然と弾んだといいます。持ち帰ったその和紙を、しおり代わりに使うたびに旅の想い出がよみがえったそうです。そして、見返すたびに、あの旅館のやさしい空気が心にそっと戻ってきます。「私が体験したような心温まる瞬間を、多くの人にも体験してほしい」──その想いがおもてなしOmat開発の原点になったのだそうです。

そこから、誰もが楽しみながらコミュニケーションを生み出せるかを考えて、たどり着いたのが、日本を代表する文化のひとつ「折り紙」。誰かと会話しながら一緒に折ることで、より強く想い出に残るものでもあります。

そして、海外でもよく知られた日本文化なので、言葉の壁を越えて共有できるだろうという想いも。限られた紙面にイラストだけで折り方を伝えることに苦心しつつも、難しすぎず日本人でも懐かしく楽しめる題材を厳選し、さらに補助的に動画も撮影しています。

また、Omatの紙面には、施設名やロゴのほか、宿泊施設からの「ひとことメッセージ」を書ける欄を設けているため、手書きメッセージなどの送り手からのおもてなしの心を伝えられます。

ランチョンマットに、おもてなしの心、日本文化の豆知識を詰め込んだOmat。新規のデザインや情報を追加することも可能で、観光地ごとの情報や柄にアレンジした限定版も展開可能です。また、紙製のため、ランチョンマット以外の用途にも応用もでき、英訳表記もあるのでインバウンド需要にもフィットするのではないでしょうか。

接客人材の不足も叫ばれるなか、あらかじめ印刷されたOmatによっておもてなしできれば体験価値を高めながら、スタッフの負荷を軽減できる効果も期待できます。日常の小さな気づきからマーケティング商品開発へと導かれた好例といえそうです。

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