駅が美術館に変わる!神戸地下鉄「KOBE SUBWAY MUSEUM」始動
神戸市営地下鉄海岸線(夢かもめ)が、この夏より“まちなか美術館”として新たな顔を見せます。2025年8月1日(金)より、一般社団法人神戸芸術振興協会が手掛けるアートプロジェクト「KOBE SUBWAY MUSEUM」がスタートしました。
駅構内のショーケースをギャラリースペースとして活用し、神戸・兵庫ゆかりの若手アーティストの作品を展示・販売する新しい試みです。
日常にアートを届ける公共空間プロジェクト
「KOBE SUBWAY MUSEUM」は、通勤や通学の合間にアートと出会える機会を創出することが目的の施策。舞台となるのは、神戸市営地下鉄海岸線全10駅です。改札や通路に設置されたショーケースを用いて、駅そのものをギャラリーのように変えることで、アートをもっと身近に感じられる環境を整えます。展示作品は約2カ月ごとに入れ替わり、オンラインストア「Art Scenes(アートシーンズ)」からの購入も可能とのこと。
既存のショーケースを活用した展示イメージ(中央市場前駅)
若手アーティストを支える仕組み
本プロジェクトは、神戸・兵庫にゆかりのある若手アーティストの活動を後押しする仕組みを重視しているようです。展示の場を提供するだけでなく、SNSや公式サイトを通じて作家の背景やメッセージを発信し、認知度向上を支援。さらに販売収益が作家へ直接還元されるため、制作活動の継続にもつながります。
第一弾の展示は、ハーバーランド駅で始まる銅版画家・山口啓介氏の「1990年代銅版画」。≪O-Line≫や≪水門―高速道≫といった代表作を展示し、アートの世界観を駅構内で楽しめます。9月からは、三宮・花時計前駅や旧居留地・大丸前駅など4駅にも展示が広がる予定です。
山口啓介≪O-Line≫ 1992年
まち全体に広がるアートの波
「KOBE SUBWAY MUSEUM」は駅構内だけで完結しません。神戸六甲ミーツ・アートや下町芸術祭、神戸蚤の市など、地域の文化イベントとも連動し、駅からまち全体へアートが広がる仕組みを構築しています。
市営地下鉄海岸線は震災復興後の2001年に開業し、神戸の生活を支える路線。ここにアートの視点を重ねることで、地域文化と観光の両面からの活性化も期待されます。
山田貴裕≪Emerald≫2025年
アートと暮らしを結ぶ日常のミュージアムへ
本プロジェクトの魅力のひとつは、誰もが気軽にアートに触れられること。駅を行き交う人々が作品に目を留め、日常の中でふと心を動かされる——そんな瞬間をつくることが「KOBE SUBWAY MUSEUM」の狙いとしてありそうです。
2026年度には全10駅への展開が予定されており、今後さらに多くの作品が駅空間を彩るでしょう。
青山大介 ≪神戸駅鳥瞰絵図 1874≫ 2024年
神戸発・公共空間アートの新たな挑戦
「KOBE SUBWAY MUSEUM」は、展示と販売を両立させる仕組みでアーティストを支援し、公共空間を文化発信の舞台へと変える試み。神戸が持つ港町としての開放的な空気とアートの自由な発想が交差し、市民や観光客に新たな感動を届けます。
駅から始まるこの小さなアートの波が、やがてまち全体を巻き込み、神戸の文化価値をさらに高めていくでしょう。
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