究極の個室空間トイレにまつわるアイデア施策10事例まとめ
トイレは究極の個室空間である。そんな発想から、近年はさまざまな形でのコミュニケーション施策が実施される、メディアとしての価値が確立されつつあります。
トイレならではの限られた滞在時間や、限られた使用用途ですが、社会課題の改善からよりパーソナルな訴求が可能なスペースとしての活用など、さまざまにアプローチされる場となっています。
今回は、そんなトイレにまつわるアイデア施策を10事例まとめてお届けします。
1. トイレに笑いを!? 究極の個室が、最高のリフレッシュ空間になるデジタルサイネージ
バカンが提供するトイレ広告メディア「アンベール」と、国内最大級のお笑いwebサービス「写真で一言ボケて(bokete)」が、連携したのはトイレ個室内のデジタルサイネージ。
boketeは、2008年8月にスタートしてから、これまで(2023年10月時点)累計1億件のボケ投稿を獲得、アプリは750万ダウンロードを記録しています。過去に投稿された名作も配信されますが、サイトとアプリ内にバカンの公式お題ページを開設し、新たなボケが投稿できるように。これにより、トイレ利用時に“クスッと笑える”機会を創出し、利用者にとってトイレを「笑いでリフレッシュできる空間」にアップデートすることを目指しています。
トイレ空間は、情報量が少ない1on1のプライベート空間であるため、利用者に対して明確に届けたいメッセージを伝えることが可能です。動画コンテンツはトイレ利用時のみサイネージ上で再生され、再生回数や配信結果を数値化できます。また、滞在時間に応じて画面の表示を滞在抑制につながる表示に変更したり、混雑具合に応じて広告の長さを自動で調整したり、といった特許技術(出願中含む)を用いることで、トイレの混雑抑制も同時に実現できます。
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2. 人が集い憩う公衆トイレ「インフラスタンド」でマルシェ開催に込められたメッセージとは?
埼玉県所沢市の水道工事会社、有限会社石和設備工業「KAWAYA-DESIGN」は、2023年11月18日・11月19日の2日間、自社敷地内の公衆トイレを中心とした施設「インフラスタンド」で3回目となるマルシェ「KAWAYA市」を開催します。
不衛生な公衆トイレ、和式トイレが苦手な子どもたち、洋式化が進まない小学校のトイレ問題など、一般的に「トイレ」や「排泄」にはネガティブなイメージがあります。石和設備工業には水道工事会社として、これまでトイレを取り巻くさまざまな問題に直面してきました。
さらに、インフラを支える人材不足は、今後ますます深刻になることが予測されており、水道工事業における人材不足問題は深刻です。そこで、石和設備工業では、自社敷地内に公衆トイレ「インフラスタンド」を建造。公衆トイレの運営を通して、水道工事業の魅力を発信するとともに、所沢の地域活性化を目指しています。
このインフラスタンドは、所沢駅から徒歩10分、所沢航空記念公園から徒歩3分という立地にあり、誰でも気軽に無料で使うことができる公衆トイレです。シェアサイクルステーション、フリーWi-Fi、そして自動販売機を備えていて、「コミュニティスポット」としても機能しています。清掃は1日3回行い、おむつや女性用品といった備品も用意。大便器や小便器だけでなく、おむつ台やパウダースペースも備えた誰もが快適に使用できる空間となっています。
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3. トイレマナー向上へ! サンコーのスタジアムでの新たな取り組み
株式会社サンコーは、大阪市のヨドコウ桜スタジアム北スタンドトイレで、トイレマナー啓発キャラクター「おしっこ吸う~パットマン」を用いた装飾を2024年6月1日(土)から1年間掲示します。この取り組みは、利用者にトイレを清潔に使用する意識を促すことが目的の施策です。
楽しく親しみやすいデザインのキャラクター「おしっこ吸う~パットマン」は、トイレマナーを自然に学べるよう設計されています。キャラクターを用いた啓発活動は、従来の注意書きや掲示物とは異なり、視覚的に楽しい要素を取り入れる手法で利用者の興味を引きつけるものです。特にスタジアムのような多く人が集まる場所では、キャラクターを用いることで幅広い年齢層に対してメッセージを伝え、効果的にトイレマナーを啓発することが期待されます。
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4. TOTOトイレ川柳が累計52万句超、手描きアニメになった「1ロールシアター」とは?
TOTO株式会社が2005年から毎年募集している「トイレ川柳」が20回目を迎えました。この「トイレ川柳」は、自宅や勤め先、旅行先など外出先のトイレでの思い出や出来事など、トイレにまつわるエピソードや思いを川柳形式で募集するもの。トイレの話題を人とする機会は多くないものの、川柳を通じてトイレをもっと身近に感じてほしい、という思いから始まり、累計応募句数は52万句を超えています。
句には時代を感じられるものが多数。2000年代には「ケータイを 切って至福の 小部屋かな」のように、携帯電話の普及を感じられる句や、ウォシュレットの浸透、トイレ機能の進化が見受けられる「部屋探し ウォシュレットで ここに決め」 「フタが開き 誰かに見られて いるような」などの句が詠まれました。
毎日必ず使用するものだからこそ、変わらない日常や家族の生活が詠まれた句も多数あります。20回目の募集を記念して、家族のさまざまなシーンを見つめてきた過去句をもとに、トイレットペーパーに手描きしたアニメーション、「トイレ川柳20回記念 1(ワン)ロールシアター」を制作。
トイレ川柳で詠まれたエピソードをもとに、家族の思い出を物語に仕立てたもので、「子を囲み 皆で力む 初トイレ」から始まる少女の成長を描いています。この作品は、トイレットペーパーに1コマ1コマ手描きでアニメイラストを描き、それをコマ撮りして制作されたもの。トイレットペーパー1ロール(約110m)分のイラストは原画600枚程度に相当し、撮影まで含めた総制作時間は273時間に及ぶ大作です。こちらは2024年6月17日(月)から、TOTOウェブサイト、ソーシャルメディアで公開されました。
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5. 携帯トイレが付いてくる!学芸出版社『トイレから始める防災ハンドブック』発売
株式会社学芸出版社は『トイレからはじめる防災ハンドブック』を携帯トイレ付きで限定発売。本書は災害時に重要でありながら見落とされがちなトイレ問題に焦点を当てています。
家庭や職場での備えを具体的に指南している本書は、丸善やジュンク堂書店の全国18店舗で販売されており、トイレ衛生の専門家である加藤篤氏が解説しているだけでなく、携帯トイレを付属している点にも注目されています。
本施策の背景にあるのは「震災や台風などの災害時に水洗トイレが使えなくなる可能性が高い」という現実です。同社は本書を通じて停電や断水の際には携帯トイレが役立つことをアピールしつつ「家庭や職場での備えを強化してもらいたい」という思いを伝えています。
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6. インテリアアートとして楽しめる防災トイレ「sonae 備絵」とは?
株式会社ドリームホールディングスが展開する、インテリアアートとして楽しめる防災トイレ「sonae 備絵」。普段はお気に入りのインテリアアートとして飾ることのできる絵画のフレームに、「災害時トイレキット」30 回分がスリムに収納されています。そんな「sonae 備絵」が、2024年8月、台東区社会福祉協議会×NODD×東京都台東区内の障害福祉施設とのスペシャルコラボレーション作品を販売開始しました。
今回の台東区社会福祉協議会×NODD×東京都台東区内の障害福祉施設とのコラボレーションでは、デザインは障がい者アートブランド「NODD」が作成、当事者の方々が思い思いに描いたアートをデザインに落とし込み、日常の中で楽しめるものになっています。また、この商品は、売上の一部が各福祉施設への収入となります。
いざというときの「備え」をしつつ、日常生活ではアートを楽しみながら、誰かのありがとうにつながる製品。同月開催のウエノデパンダ.ビアフェスタ 2024をイメージした作品や、それぞれの施設の特性、思い思いに描いた個性豊かな作品を「sonae 備絵」と「sonae 備絵」slimの2パターンで用意されています。
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7. 渋谷には、山はないけど「トイレ」がある!公共トイレを巡る“渋谷deトレラン”開催
一般社団法人渋谷未来デザインは、渋谷区を舞台にしたアーバンロゲイニングイベント「渋谷deトレラン」を、2024年10月14日に開催しました。
ロゲイニングとは、多数のチェックポイントが設定された地図をもとに、制限時間内に徒歩やランニングなどでチェックポイントをめぐり、獲得した得点を競うアウトドアスポーツです。本来は山野などで行われることが多いロゲイニングですが、山のない渋谷区では、街や公園を利用して行う都市型の「アーバンロゲイニング」として企画されました。
今回のロゲイニングのチェックポイントは、「公共トイレ」。渋谷区には、安藤忠雄氏、隈研吾氏、佐藤可士和氏など、著名なクリエイターがデザインに参加した「THE TOKYO TOILET」を筆頭に、きれいで快適な公共トイレが点在することからも、まさに都市型ロゲイニングにふさわしい企画となりました。
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8. 「キレキラ!」でトイレ掃除を楽しく!うんこ先生コラボデザインの訴求力
大王製紙株式会社は、2024年10月21日より住空間の“キレイを気楽に”する拭き掃除ブランド「キレキラ®︎!」と大人気学習書『うんこドリル』とのコラボレーション商品「キレキラ!トイレクリーナー うんこドリル企画品」を数量限定で発売。
本商品は親子で楽しみながら掃除を習慣づけてもらうことを目的に、「うんこ先生」をデザインした特別パッケージを制作したもの。
「キレキラ!トイレクリーナー 」と「うんこドリル」とのコラボレーションは、面倒というイメージを持たれがちな掃除という日常の家事を、親子で楽しみながら行える活動に変えることで、消費者に新しい体験を提供しています。
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9. トイレがお悩み相談室に。トイレ内サイネージ広告×製薬会社の「おしりのお悩み相談室」
トイレ個室内のデジタルサイネージメディア「アンベール」は、ボラギノール®ブランドを展開する天藤製薬株式会社とタイアップし、おしりの悩みに関する情報を届ける「ボラルーム おしりのお悩み相談室」のコンテンツ配信を、2024年12月2日より実施しました。
「ボラルーム おしりのお悩み相談室」は、痔や便の悩みを持つ利用者のトイレ利用時間は長くなる傾向にあることに着目し、入室から10分以上が経過している利用者に向けてコンテンツを配信する仕様になっています。
デリケートな悩みだからこそ、従来はターゲティングが難しかった「おしりの悩みを持つユーザー」に、トイレという個室空間と「アンベール」のセンサー技術を活用することで、ピンポイントで情報を届けることができる画期的なターゲティング手法となっています。
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10. 関西の鉄道事業者初! トイレの個室でナプキンが無料で受け取れる「トレルナ」京都市交通局の地下鉄主要駅8駅へ順次設置
株式会社ネクイノは、トイレの個室で生理用ナプキンを常備し無料で提供するサービス「toreluna(トレルナ)」のサービスの提供を開始。まずは、京都市交通局の地下鉄主要駅8駅(京都駅、四条駅、烏丸御池駅、北大路駅、今出川駅、国際会館駅、丸太町駅、北山駅)で、21台が順次設置されました。
ネクイノの掲げる「必要とする誰もが、いつでも生理用ナプキンを手に入れられる社会」を実現するという想いに京都市交通局が共感したことで、今回の設置が実現したといいます。
トイレットペーパーと同様に生理用ナプキンについてもさまざまな施設で無償提供できるようにしたいという想いから生まれたトレルナ。本サービスはスマートフォンアプリとトイレ内のディスペンサーが連動することで、ナプキンが無料で受け取れるというものです。トレルナが設置されているトイレの個室に入ると、デジタルサイネージにトレルナパートナーの動画が表示され、持続的にサービスを提供できる仕組みとなっています。
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トイレにまつわるアイデア施策10事例まとめ
トイレだからこそのアプローチ、狭小なパーソナルスペースだということを活かして、さまざまな角度から活用する施策が集まりました。
人が生きる上で必要なスペースでもあり、今後もいろいろな活用方法が登場する期待が高まります。
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