ネットいじめによる自殺を防ぐために。思春期の子を持つ親へ向けたベッドタイムストーリー

Bedtime Stories

今や私たちの生活の一部となったSNS。簡単に情報にアクセスできるという利便性の一方で、オンライン上での誹謗中傷やネットいじめも急増し、社会問題になっています。

SNSに起因するいじめによって自殺を考えている若者たち、そしてその家族を対象に無料相談を実施するイギリスの非営利団体・PAPYRUSが、思春期の子を持つ親たちに向けた啓発キャンペーンを打ち出しました。

同団体のYouTubeアカウントに公開された4本の動画「Bedtime Stories」は、イギリスで活躍する4人の俳優が、それぞれ短い物語の読み聞かせをするという内容。

そのうちの一つ、Michael Sheenさんがストーリーテラーを務める「Anabelle and the Trolls」は、アナベルという10代の女の子の物語です。

ある日アナベルがSNSに写真をアップしたところ、ひとりの男の子が「お前、ネズミみたいだな!」とコメントしたことをきっかけに、彼女のアカウントには誹謗中傷のコメントが続々と書き込まれるようになりました。

自分に向けて発せられる「気持ち悪い」「死ね」などといった悪意に満ちた声に、とうとうアナベルは泣き出してしまったのです。

ストーリーの最後、Sheenさんはネットいじめに悩む子どもを持つ親に向け、こう訴えます。

もしあなたの子どもが悩んでいたら、伝えてあげてください。独りではないのだと。
ネットの世界は時としてとても残酷です。耐えきれなくなる前に、PAPYRUSに相談してください。
あなたの子どもは、寝る前に何を読んでいますか?

動画ではこの他にも、SNSでたまたま見つけた「自傷行為」の写真に影響を受けてしまった少女の話や、ネット上で個人情報まで晒されてしまった男の子の話などが紹介されています。



調査によると、イギリスにおける年間の若者による自殺件数は、毎年200人以上にのぼるといいます。PAPYRUSは親たちに向けて、自分の子どもに少しでも異変を感じたら、すぐに相談するよう呼び掛けています。

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